10月3日、WRC世界ラリー選手権第10戦フィンランドの競技最終日となったこの日はSS16〜19が行なわれ、総合首位でデイ3を迎えたTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ・ヤリスWRC)が後続を引き離す走りで2021年シーズン2勝目を飾った。

 この勝利でトヨタ・ヤリスWRCは通算25勝目をマーク。同時に2017年から続く『ラリー・フィンランド』での連勝を“4”に伸ばしている。また今回の優勝により、トヨタは通算200回のWRCポディウムを獲得した、3番目のマニュファクチャラーとなった。

 チームメイトで選手権リーダーのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(トヨタ・ヤリスWRC)は総合5位でフィニッシュ。また、競技2日目のデイリタイアを経てデイ3で再出走を果たしたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組も総合34位でラリーを完走した。

 2019年以来、2年ぶりの開催となったラリー・フィンランドは、夏から秋へと開催時期がずらされたことで鮮やかな紅葉が見られるなかでのラリーとなった。その最終日はサービスパークが置かれたユバスキュラの東側エリアで4本のSSが行なわれた。

 初日を総合3番手で終え、2日目に総合首位に立ったエバンスはこのデイ3でも速さを発揮。オープニングステージのSS16を2番手タイムで駆け抜けると、その後の3つのステージは連続でベストタイムをマークしてみせ、パワーステージに設定された最終SS19でのボーナスポイントを5点含めた“フルポイントマーク”の完全勝利を飾ってみせた。
 
 一方、シリーズ2連覇ならびに自身通算8度目の戴冠を目指すオジエは週末をとおしてペースが伸び悩んだものの、総合5位でフィニッシュ。車両トラブルの影響からパワーステージでのボーナスポイント獲得には至らなかったため、ドライバー選手権における彼とランキング2位につけるエバンスとの差は、戦前の44ポイントから24ポイントに縮まっている。
 
 なお今戦の結果により、タイトル獲得の権利を有するドライバーはオジエとエバンスのふたりに絞られ、トヨタチームは3年連続でワールドチャンピオンを輩出することが決まった。

 前日にクラッシュを喫しデイリタイアとなったロバンペラは、チームがサービスで修復したクルマで再出走。チームメイトに何かが起きた時に、マニュファクチャラーポイントを獲得できるようにと、チームの一員として最後まで戦い抜いた。トヨタは今戦終了後もマニュファクチャラー選手権首位を堅持し、2位のライバルとの差を61ポイントに拡げている。

■エバンスを称えるラトバラ代表「本当に素晴らしい仕事をしてくれた」

 プライベーターとしてグリーンに彩られたヤリスWRCをドライブしたエサペッカ・ラッピは、最終日も安定したペースを披露した。2017年のラリー・フィンランドウイナーである彼は、この日行なわれた4本中3本のステージで3番手タイムを記録し、総合4位でフィニッシュしてみせた。

 また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムから参戦する勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)も、ロバンペラと同様にデイリタイアを経て再出走。パワーステージを含む2本のステージで4番手タイムを記録するなど速さを示し、総合37位でラリーを完走している。

「チームのホームラリーで優勝することができて、特別な気分だ」と語るのは、自身初のシーズン2勝をマークしたエバンス。

「似たような特徴を持つラリー・エストニアでは困難な戦いを強いられたが、それもあって今回このような結果を残すことができて本当に良かった」

 TOYOTA GAZOO Racing WRTを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「ラリー・フィンランドでの優勝はつねに特別なことだが、我々のチームにとってはなおさらのことなので、このラリーでふたたび勝つことができてうれしく思う」とコメント。

「今年は競争が非常に激しかったが、エルフィン(・エバンス)のパフォーマンスを見れば、我々のクルマが速かったことはわかると思う。正直なところ、彼は優勝候補ではなかったかもしれないが、この週末最速のドライバーだったことが証明された。本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思う」

「金曜日の夜、暗闇の中で行われた“オィッティラ”のステージで、彼は何かを掴んだのか大きな自信を示し、その後トップに立つと最後まで順位を守り抜いた。今回の勝利を、彼はとても誇りに感じることだろう」

「ドライバー選手権に関しては、チャンピオンの権利を持つのはセブ(セバスチャン・オジエ)とエルフィンの2人に絞られ、マニュファクチャラー選手権についても、非常に有利な状況になったと言える」

 ダブルタイトルを狙うトヨタが迎えるWRCの次戦第11戦は、10月14日から17日にかけて、スペインのバルセロナの南側に位置するサロウを中心に開催される『ラリー・スペイン』だ。このラリーは近年グラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)の両路面を走行する“ミックス・サーフェス・ラリー”として行われてきたが、今季は完全なターマックラリーとなり、新たなステージも加わる予定となっている。