10月10日現地時間15時、2021年F1第16戦トルコGPの決勝が行われ、メルセデスのバルテリ・ボッタスが通算10勝目となる今シーズン初優勝を飾った。

 朝から小雨が断続的に降り続き、気温は15度、路面温度は18度と寒いコンディション。雨は上がっているものの空は薄暗く太陽が出ていないため路面は乾かず、14時20分のピットレーンオープンの時点で路面は完全ウエット。各車ともインターミディエイトタイヤでレコノサンスラップを行いスターティンググリッドへと向かった。

 予選16番手に終わったダニエル・リカルド(マクラーレン)は4基目のICE、TC、MGU-Hを投入して最後尾グリッド降格ペナルティを受け、リカルドが20番グリッド、FP1で4基目投入のカルロス・サインツ(フェラーリ)は19番グリッドスタート、ICEのみ4基目投入のルイス・ハミルトン(メルセデス)は11番グリッドからのスタートとなった。

 各車ともインターミディエイトを選択して決勝のスタートに臨む。

 スタートでポールポジションのボッタスは好発進を決め、ターン1にトップで飛び込んだ。2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)以降も順当にポジションをキープしたが、ターン1でピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)にアウトから被せたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が接触してスピンオフし17番手まで後退する。ハミルトンはターン12でセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)をパスし9番手、2周目のセクター1で角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)に襲いかかるが角田もこれを果敢にブロックする。

 これでオーダーは首位ボッタス、2番手フェルスタッペン、3番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、4番手セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、5番手ガスリー、6番手ランド・ノリス(マクラーレン)、7番手ランス・ストロール(アストンマーティン)、8番手角田、9番手ハミルトン、10番手ベッテルとなる。各車とも2秒前後の間隔を開けて走行し、集団は徐々に広がっていく。ハミルトンは角田にプレッシャーをかけていくが、なかなか決定機は訪れない。8周目のターン3でアウトに並びかけてターン4のインに飛び込み、ようやくオーバーテイクし8番手に上がった。

 ハミルトンはその翌周にストロールも抜いて7番手、10周目のターン12ではストレートが伸びないノリスを簡単に抜いて6番手に浮上。フリーエアになったハミルトンはフェルスタッペンより1周1秒速いペースで猛追し、14周目にはターン12でガスリーを抜いて5番手に上がった。サインツも後方から次々と中団勢を抜いて入賞圏までポジションを上げてくる。17周目のターン12で角田も抜いて9番手に上がる。

 路面の水量はなかなか減らず、各車ともインターミディエイトをいたわりながらの走行を続ける。フェルスタッペンはタイヤの摩耗を抑えつつ、徐々にボッタスと同等のタイムに上げていく。17周目にはフェルスタッペンがファステストラップを塗り替え、これに対して首位ボッタスも18周目には反応してギャップを再び広げる。

 21周目に16番手のリカルドがピットインして新品のインターミディエイトに履き替えた。しかしグレイニングが発生しているのかペースは上がらない。その一方で角田はターン9でリヤがスナップしてコースオフしスピン。この間に13番手まで後退してしまう。

 トップ3台は2〜3秒のギャップで走行し、4番手ペレスは10秒後方にいてハミルトンがそこに追い着いてくる。この時点でトップとの差は21秒。しかしタイヤの磨耗はかなり進んでグリップは徐々に下がってくる。上位勢も同様にリヤのグリップまで低下してペースが落ち、我慢比べの状況となる。

 30周目には下位に沈んでいるアロンソがピットインし、1周目のミック・シューマッハー(ハース)との接触で受けた5秒加算ペナルティを消化して新たなインターミディエイトに交換した。

 ハミルトンは34周目にプッシュし一気にペレスとのギャップを縮めてターン12で仕掛けていき、ターン14の立ち上がりで一旦は前に出る。しかしペレスも譲らず、続く35周目のターン1でレイトブレーキングでインに飛び込んで4番手をキープした。

 34周目にはノリスがピットインしインターミディエイトに交換。ペレスがハミルトンを抑えている間に、フェルスタッペンも36周目にピットに飛び込んでペレスとハミルトンの前でコースに復帰する。これを見てボッタスも翌37周目にピットイン、ペレスもタイヤ交換を行う。ベッテルはミディアムに履き替えるギャンブルに出るが、タイヤを作動させることができず大きく後退する。

 ステイアウトする首位ルクレールはターン12で縁石に乗ってロックアップしコースオフ。2番手ボッタスがここに追い着き、3番手フェルスタッペン、そしてステイアウトするハミルトンが4番手、5番手ガスリーは39周目にピットインして1周目ターン1でのアロンソとの接触で受けた5秒加算ペナルティを消化して6番手に後退し、5番手ペレス、7番手ノリス、8番手にステイアウトのエステバン・オコン(アルピーヌ)、9番手サインツ、10番手キミ・ライコネン(アルピーヌ)となる。角田はピットインしてライコネンの後方14番手となった。

 メルセデスAMGは41周目にハミルトンのタイヤを用意するが、ハミルトンは路面がドライになるまでステイアウトすることを主張してピットストップを見送る。

 ボッタスは47周目のメインストレートからターン1でルクレールを抜いてトップを取り戻した。6秒後方のフェルスタッペンもルクレールに追い着いていき、ルクレールはたまらずピットに向かい新品インターミディエイトに履き替えてペレスの前方4番手でコースに戻る。

 最後までステイアウトにこだわったハミルトンだったが、後方6番手のガスリーのペースが速く、その前5番手でコース復帰できる50周目にピットインしてインターミディエイトに履き替えた。

 51周目にペレスがルクレールをターン12のアウトから抜いて3番手浮上。その背後にハミルトンも迫っていくが、ハミルトンはグレイニングが発生して大きくペースが下がり、その後方には6番手ガスリー、7番手ノリスが迫る。

 首位ボッタスは56周目にプッシュして全セクターベストのファステストラップ1分31秒023を記録。2番手フェルスタッペンはすでにポジションキープのクルージングに切り替えており、ボッタスは最終ラップにも1分30秒432でファステストをさらに更新し、フェルスタッペンに14.584秒のギャップを付けてポール・トゥ・ウインを飾り、自身通算10勝目を挙げた。

 レッドブル・ホンダ勢は日本GPスペシャルカラーのマシンで2位フェルスタッペン、3位ペレスがダブル表彰台。ハミルトンは残り2周でペースが戻ったものの追撃はできず、4位ルクレール、5位ハミルトン、6位ガスリー、7位ノリス、8位サインツ、9位ストロール、そして1セットのインターミディエイトで58周を走り切ったオコンがジョビナッツィを0.755秒差でなんとか抑えて入賞を果たした。角田は浮上のきっかけを掴めず14位でレースを終えた。