10月15日、栃木県のツインリンクもてぎで開催される全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の金曜日に、8月21〜22日に行われたWEC世界耐久選手権第4戦、第89回ル・マン24時間レースで総合優勝を飾ったTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッドの小林可夢偉、8号車トヨタGR010ハイブリッドの中嶋一貴による『ル・マン24時間レース凱旋会見』が行われた。

 日本モータスポーツ記者会が主催するこの会見は高橋二朗氏の司会により進行され、今年のル・マン24時間で自信初の総合優勝を果たした可夢偉と、2位表彰台を獲得した一貴を迎え、2021年のル・マン24時間レースが改めて振り返られた。

 まず凱旋最初のコメントを求められた可夢偉は「まずはこういう機会を作っていただきありがとうございました。この3年間はどちらかというと僕は2位で、一貴が優勝という流れだったのですが、今年は違う立場としてこの場を作っていただき、やはりル・マンで勝つというのは特別だなというのを初めて実感しました」と語った。

「今まですごく悔しいレースが続いていたというので、自分自身本当がこうして挑戦できたことは、まず自分自身よかったなと思いますし、サポートして頂いたトヨタならびにサプライヤーのみなさん、そして豊田章男社長に、まずは感謝したいなと思います」

 続いては一貴が「今年はコロナ禍での開催になりましたけど、引き続きたくさんの応援をして頂き、応援して頂いたすべての方に感謝したいと思います。8号車、そして個人的にも今まで過去3回続けて勝つことができていたので、もちろん4連覇を目標に臨んだのですが、結果的には僕らは2位で7号車が優勝で、ワン・ツーという結果になりました」とコメント。

「もちろん優勝を目指していた部分もあるので、残念な気持ちも多少ありますが、やはりチームでワン・ツーを取る、チームとして4連覇するということが最大の目標でしたし、特にレース中にはかなり厳しいトラブルもあったりして、何とかゴールまでクルマを持っていくことができてのワン・ツーという結果だったので、その部分は非常にうれしく思っています。7号車は本当に可夢偉が言ったように、過去に何度も不運なことがあったと思うので、本当に7号車が優勝したことに対しておめでとうという気持ちです」

 そんな一貴が乗る8号車は、レーススタート直後に他車から追突される形でセバスチャン・ブエミがスピンしてしてしまうというアクシデントから立ち直っての2位表彰台という結果を手に入れている。そのスタートシーンを見ていた一貴は「スタートポジションがアウト側ということもありますし、後ろにいるクルマのメンツ、プラスあのコンディション(ウエット)だったので、なんとなく不安に思っていた部分はあるんですけど、案の定という感じで……」と振り返った。

「半分くらい、ああいったことが起こり得るかなとは思っていましたが、実際に起こってしまいました。もちろん痛いタイムロスだなと思いつつ、幸いダメージがなかったので、そこは早めに切り替えることもできたかなと思います。逆に言うと、あの後LMP2クラスとの接触もありましたけれど、あれだけの接触があるなかでも、ダメージなく走れる強いクルマを作ってくれたチームにまず感謝したいなと思います」

 そして会見の最後には、悲願のル・マン制覇を成し遂げた可夢偉が、表彰台の一番高い位置から見た景色を語った。

「今までは2位がずっと多かったので、なかなか一番上は高いなという風に思っていました。ですが、やはりル・マンで一番上にいけるというのは、今まで見た景色のなかで一番良かった景色でした。残念ながら、本来はお客さんがもっといるはずなのですが、そういうのがなかったということがあっても、ル・マンで一番上に行くのはやはり特別なんだなと、そのときは感じました」

「そして日本に帰ってきて、スーパー耐久の鈴鹿ラウンドに行ったときに、豊田章男社長がサプライズでオリンピックイヤーということで金メダルを作ってくれました。確かにオリンピックイヤーではあったのですが『毎年貰えるとは思うなよ』言われながら頂いて、こういうふうにしてくれるというところで、本当に頑張ってきて良かったなと思います。そして、たまたまオリンピックイヤーだったというところも含めて本当にラッキーだったなと感じています」