WRC世界ラリー選手権第11戦スペインの競技2日目が10月16日に行われ、SS6〜13までを戦い終えたTOYOTA GAZOO Racing WRTは、エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が最上位の総合2番手。チームメイトのセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手で続き、カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)も総合5番手につけている。

『ラリー・スペイン』のデイ2は、サービスパークの北東エリアで“サヴァラ”、“ケロル-レス・ポブレス”、“エル・モンメル”という3本のターマック(舗装路)ステージを、サービスを挟んで各2回走行するスケジュールで争われた。また、1日の最後にはサロウの海岸近くで市街地ステージを走り、7本のSSの合計は117.45kmと今大会最長となっている。

 早朝のステージでは霧が発生し路面の一部が湿り気を帯びたが、この日も全体的にはドライコンディションでの戦いに。そんな競技2日目を首位と0.7秒差の総合2番手で迎えたエバンス。彼は逆転を期してデイ2に望んだものの前日ほどのスピードを発揮することができず、優勝を争いのライバルであるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)にギャップを拡げられてしまった。

 最終的に16.4秒の後れを取ったエバンスだが総合2番手の順位はキープし、ドライバーズタイトルを争う唯一のライバルであり、チームメイトでもあるオジエに対して22.3秒差をつけてデイ2を完走している。

 日中のサービスでの調整がうまくいかなかったエバンスとは対照的に、シリーズ7冠王者のオジエは、このタイミングでのセットアップ変更が功を奏し午後のSS11とSS12でベストタイムを記録。4番手につけるダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)との差を6.9秒に拡げてみせた。
 
 しかし、16日最後に待ち受けていたサロウの市街地ステージを走行中、ヘアピンでエンジンがストールしてしまう。この影響でタイムを失ったオジエは辛うじて総合3番手のポジションを死守してみせたが、その差は1.2秒に縮まっている。

 なおトヨタは、エバンスとオジエの順位が17日の最終SS17まで変わらなかった場合、パワーステージでの結果次第でマニュファクチャラー選手権タイトル獲得が決定する可能性がある。ドライバーズタイトルはすでにオジエとエバンスのどちらかに絞られていることから、実現した場合には2021年シーズンのダブルタイトルを獲得することになる。

■勝田貴元がデイ2からラリーに復帰

 総合5番手で2日目をスタートしたロバンペラは、WRカーでの参戦は初となるラリー・スペインで経験を積むべく確実な走りを続け、SS7とその再走ステージであるSS10では3、4番手タイムを記録するなど速さを示した。また、勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)は前日のクラッシュによるデイリタイアから復帰。デイ2で再出走を果たし午後のSS12では5番手タイムを記録している。

「我々チームにとっては悪くない1日だったが、残念ながら優勝は今朝スタートした時よりも少し遠ざかってしまった」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表だ。

「現在のWRCは非常にハイレベルなので、つねにクルマを改善し続けなければならないが、ほんの僅かなセッティング変更で自信を失ってしまうこともあり、それがすぐステージのタイムに表れてしまう。今日のエルフィン(・エバンス)がまさにそうだった」

「とはいえ、いくつかポジティブな要素もあった」

「セバスチャン(・オジエ)は昼のサービスでセッティングを変更し、午後はスピードが向上しステージ優勝することもできた。残念ながら今晩の最後のステージで数秒を失ってしまったが、それでも順位は守った」

「明日の最終日で総合2位と3位を獲得することができたとしたら、それはマニュファクチャラーズタイトルにとって大きな意味を持つ」

 ダブルタイトル決定の可能性があるラリー最終日、17日(日)のデイ3は、サービスパークの西側エリアでSS14/SS16“サンタ・マリナ”と、SS15/SS17“リウデカニエス”という2本のステージをサービスを挟んで各2回走行する予定。この内、サンタ・マリナの1本目は日の出前のスタートとなる。また、最終SS17はトップ5タイムを記録したドライバーとマニュファクチャラーに、ボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。計4本のSSの合計距離は50.90km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は261.12kmだ。