10月24日現地時間14時、2021年F1第17戦アメリカGPの決勝が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾った。

 午前中は分厚い雲が空を覆っていたものの午後になると晴れ渡り、気温は27度、路面温度は36度まで上がった。

 決勝を前にターン1出口のスピードバンプが撤去され、代わりにトラックリミット監視対象とされた。これによってトラックリミット対象はターン1出口、ターン6エイペックス、ターン9出口、ターン19出口の4箇所となった。

 パワーユニット投入のペナルティで予選4番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)は9番グリッドに降格。最後尾グリッド降格ペナルティを科された3台は、予選順位に応じてセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が18番、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が19番、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が20番グリッドに降格となった。

 Q3進出組ではカルロス・サインツ(フェラーリ)と角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がQ2で使用したソフトタイヤでのスタートとなり、それ以外の8台はミディアムタイヤ。そして予選11番手以下も全車がミディアムでのスタートを選んでいる。

 スタートでポールポジションのフェルスタッペンが好発進を決められず、2番グリッドのルイス・ハミルトン(メルセデス)がインに並びかける。フェルスタッペンはインに寄せてけん制するがターン1でインを確保したハミルトンが前に出て、フェルスタッペンはターン1出口でコースオフを喫する。後方ではニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がランス・ストロール(アストンマーティン)をヒットしてフロントウイングを壊した。

 3番手セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、4番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)と続き、バックストレートでフェラーリ勢とマクラーレン勢が激しい争いを見せるが、ターン12でオーバーシュートしたサインツはダニエル・リカルド(マクラーレン)に5番手のポジションを戻した。その後方には7番手ランド・ノリス(マクラーレン)、8番手に浮上した角田は2周目のターン2でボッタスの飛び込みを抑えてポジションを守る。ガスリーはやや出遅れて10番手となった。ボッタスは3周目にガスリーに抜かれ10番手に後退する。

 1周目にニキータ・マゼピン(ハース)、3周目にはターン4でアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)と接触してフロントウイングを壊したエステバン・オコン(アルピーヌ)がピットインして早々にハードタイヤに交換する。5周目にはラティフィもピットインしてノーズ交換とハードタイヤへの交換を行いオコンの前で戻る。

 首位ハミルトンと2番手フェルスタッペンが逃げ、3番手ペレスはじわじわと離され、4番手ルクレール以下はさらに大きく1周1秒以上のペースで離れていく。角田に抑え込まれたガスリーは1周1秒失っている上にタイヤを傷めていると怒りを露わにし、角田は9周目にピットインしてハードタイヤに交換。ミック・シューマッハー(ハース)の後方、ジョビナッツィの前14番手でコースに戻った。

 11周目にはフェルスタッペンがピットインしてアンダーカットを仕掛け、リカルドに引っかかるもののアンダーカット圏内へ。これに対してハミルトンはピットインせず走行を続ける。12周目にはペレスがピットインしミディアムに交換しハミルトンに対して揺さぶりをかけ、13周目にハミルトンが反応してハードに交換しペレスの前2番手でコースに戻る。これでフェルスタッペンが首位に立ち、ハミルトンとのギャップは6.5秒となる。

 中団グループでは10周目にノリスとガスリーがピットインし、11周目にリカルドとサインツ、12周目にルクレールがピットイン。これで4番手ルクレール、5番手にステイアウトのボッタス、6番手リカルド、7番手サインツ、8番手ノリス、9番手ベッテル、10番手ランス・ストロール(アストンマーティン)、11番手角田という順位になる。角田の後方に戻ったガスリーは15周目にリヤサスペンションを壊してリタイアとなった。15周目にボッタスもピットインし角田の後方へ。18周目にストロールを抜き、19周目のバックストレートで抜いて9番手に上がる。

 首位フェルスタッペンと2番手ハミルトンは同じペースで6秒差を維持したまま走行。3番手ペレスはそこから5秒後方で4番手ルクレールは11秒後方。5番手リカルドはこれについていくことができずサインツが1秒後方に留まる。10番手ライコネンは9番手角田よりも1周0.5秒ほどペースが速く、じわじわとギャップが縮まっていく。

 25周目を迎える頃にはフェルスタッペンがリヤタイヤのグリップ低下に苦しみ始め、ハミルトンとのギャップが3秒を切るところまで縮まっていく。29周目にフェルスタッペンがピットインしハードタイヤに交換。これに対してハミルトンはピットストップの目標を6周後へと引っ張ることを決め、ステイアウトしてファステストラップを塗りかえる。ミディアムタイヤを履いていたペレスは30周目にピットインしてハードタイヤに交換する。

 中団グループでも29周目にサインツがピットインするが、右リヤタイヤの交換に手間取って静止時間は5.6秒。これを見てマクラーレン勢は2台同時に30周目にピットインさせ、リカルドはサインツの前に留まる。角田は後方ライコネンのピットインをカバーするかたちで32周目にピットインし、ライコネンの直前でコースに戻りなんとか抑えてアンダーカットを阻止する。34周目のバックストレートで1ストップのストロールを抜いて10番手、38周目のベッテルのピットインで9番手に上がるが、後方のライコネン、アロンソとは秒差のバトルが続く。アロンソは39周目に3回目のピットインをするが、後方にはジョビナッツィが追いついてくる。

 37周目、暫定首位のハミルトンがピットインしハードタイヤに交換。フェルスタッペンより8周フレッシュなタイヤを履きフェルスタッペンの8.7秒後方でコースに戻り、レース最終盤に追いついて勝負を賭ける戦略に出た。

 ハミルトンはここから猛攻を仕掛け、41周目にファステストラップを記録して一気に6.1秒差に縮め、1周1秒以上速いペースで追いかけていく。フェルスタッペンもこれに呼応してペースを上げるが1周0.4〜0.5秒のペース差は縮まらない。

 6番手サインツは43周目のターン13〜14でリカルドのアウト側に並びかけていくが、押し出されるようなかたちで接触しフロントウイング右側翼端板にダメージを負い、後方にはボッタスが迫る。

 50周目にはトップ2台の差が2秒差を切るが、フェルスタッペンもペースを上げて対抗する。残り3周でギャップは1.5秒となり、ハミルトンは最後の攻勢を仕掛ける。55周目にシューマッハーに引っかかった両者は最終ラップでついに0.9秒差に。しかしフェルスタッペンはセクター1でベストタイムを刻んで最後のバックストレートで1.1秒差に引き離しDRSを使わせず。そのまま首位を守りきって56周を走り切り、1.333秒差で今季8勝目となる優勝を掴み獲った。ハミルトンは2位、ペレスは42秒差の3位、4位ルクレール、5位リカルド、6位にはサインツを抜いたボッタス、7位サインツ、8位ノリス。

 第3スティントは安定したペースで走行しライコネンとのギャップを守り切った角田は9位でハンガリーGP以来の入賞を果たした。ライコネンは50周目のターン6でスピンオフし12位に後退。変わってジョビナッツィを抜いたベッテルが10位入賞を果たした。