新型コロナウイルス感染防止に伴う水際対策で、長らく入国が叶わなかったサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)。全日本スーパーフォーミュラ選手権には終盤2戦のみの参戦となり、10月30〜31日に鈴鹿サーキットで開催された最終戦『JAF鈴鹿グランプリ』では見事7位入賞を果たしたが、本人は“まだまだ”と捉えているようだ。

 10月に入ってようやく来日を果たしたフェネストラズ。ツインリンクもてぎでの第6戦では、およそ1年ぶりとなるトップフォーミュラのレースに臨むも予選ではQ1敗退となり、決勝でもスピンを喫するなど、ブランクを露呈する結果となってしまった。

 今回の最終戦では予選Q3進出を一番の目標に掲げ、フリー走行では予選で使う予定の新品タイヤを導入し、セットアップと同時に、フェネストラズ自身がマシンに慣れるようにチームもサポートした。その結果、見事Q3進出(8番手)を果たした。

「もてぎは僕にとって約1年ぶりのスーパーフォーミュラでのレースだったから、難しいレースウイークになる覚悟はしていた。実際にうまくいかなくて、決勝では僕自身ミスもあった」

「今回の鈴鹿に関しては、予選でQ3に進むことができて良かった。朝から積極的に新品タイヤを使ったから、Q3ではユーズドタイヤしかなかったけど、チームはなかなかQ3に進めていなかったから、そういう意味ではハッピーな結果を残せたと思う」

 迎えた決勝レースは大混戦の中団グループで終始バトルを繰り広げたが、フェネストラズは大きなミスもなく着実に周回を重ねた。そして、今シーズン苦戦が続いていたKONDO RACINGの山下健太とともに、ダブル入賞(6、7位)という今季ベストリザルトをもたらした。

 ここまでの成績を考えると上出来とも言える結果ではあるのだが、フェネストラズは“まだ100%じゃない”と満足する様子は一切なかった。

「(第6戦の)もてぎと比べるとドライビングの感覚はかなり取り戻せて良くなっている。だけど100%ではない。本当ならもっと自信を持って走らせたいけど、1年近いブランクがあるとなかなか難しい。ほかのドライバーたちは1シーズンかけて、このクルマ(SF19)で戦っているし、僕はスーパーフォーミュラでのキャリアも豊富ではない。今も少しずつ慣れている最中だ」

「決勝レースは、最初のスティントでタイヤがグリップしなくてすごく難しかったけど、タイヤを交換してからは良いペースで走れたと思う。僕としては久しぶりにスーパーフォーミュラでポイントを獲得できた。そこは良かったけど、まだまだ課題はたくさんある。それはチームもそう。もっと改善していく必要がある」

 同じく、スーパーGTに関しても前戦の第6戦オートポリスから復帰したが、こちらは第7戦もてぎと最終戦富士の2戦が残っている状況だ。復帰初戦となったオートポリスでの予選アタックでは見事な走りをみせたが、こちらも久しぶりの感覚に驚きを隠せなかったという。

「スーパーGTの方がもっと難しいと思っている。この前のオートポリスでも公式練習ではユーズドタイヤを履いて走ったから、予選でのニュータイヤと比べると数秒も違う。だから予選のときはすごく驚いて『スーパーフォーミュラのクルマか?』と思うくらいの速さだった」

「アタックとしては正直完璧ではなかったけど、1年ぶりのスーパーGTということを考えると悪くなかった。残り2戦あるから、とにかくベストを尽くしていきたい」

 なんとかレースには復帰できたものの、少なくともスーパーフォーミュラに関しては不完全燃焼な形で終わってしまったフェネストラズ。来季となる2022年については、詳細はまだ決まっていないものの、日本でのレース継続を強く希望しているようだ。

「来年も日本でレースをしたいと思っている。日本は大好きだし、今年はコロナ禍でずっと入国できなかったけど、希望としては来年もここ(日本)に残りたいと思う。まだ来年のことは何も決まっていないし、特にスーパーフォーミュラについてもどうなるのか、現時点では決まっていない。でも、このレースで来年は絶対に勝ちたいし、チャンピオンになるためにはまず勝利が絶対条件だと思っている。僕にとって、来シーズンがすごく重要なものになるだろう」

 今もブランクを埋める作業が続いているフェネストラズだが、モチベーションは人一倍高いという印象を受けた。今シーズンのスーパーフォーミュラは終了したが、スーパーGTではどのような走りを見せてくれるのか。注目が集まるラスト2戦となりそうだ。