11月11日、シボレーのワークス部隊であるコルベット・レーシングは2022年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、およびWEC世界耐久選手権の両シリーズでフルシーズンキャンペーンを実施することを発表した。また、コルベットZ06ベースの新型GT3カー『シボレー・コルベットZ06 GT3.R』を2024年に投入する計画も同時に明らかにしている。

 今週末にロード・アトランタで開催される北米耐久シリーズの2021年シーズン最終戦『プチ・ル・マン』に先立って木曜日に発表された同チームの取り組みは、2022年にIMSA GTデイトナ・プロ(GTDプロ)クラスとWEC LMGTEプロクラスの両方で実施されるもの。

 アントニオ・ガルシアとジョーダン・テイラーが現行のGTE仕様の『シボレー・コルベットC8.R』に改良を加えたマシンで、2022年にスタートするGTDプロクラスの全10戦に挑む一方、トミー・ミルナーとニック・タンディはGTEプロクラスでWECの全6ラウンドに参戦する。

 なお、両シリーズのロングディスタンスイベントでは、それぞれに第3ドライバーを起用することが発表され、ニッキー・キャツバーグがIMSAでガルシア/テイラー組に合流予定。WECではアレクサンダー・シムズがミルナー/タンディー組に加わるという。

 先月Sportscar365によって明らかにされたように、ゼネラルモーターズ(GM)は、IMSAとACOフランス西部自動車クラブが各GTクラスで使用される車両をGT3仕様のマシンに移行する段階にあるなか、2022年に向けてデュアルシリーズプログラムを評価していた。

「これはコルベット・レーシングは25年近くにわたってレースを戦ってきた中で、もっとも野心的なスケジュールだ」と語るのは、シボレーU.S.のジム・キャンベル副社長。

「IMSAとWECシリーズの両方に参戦し、世界最高のトラックのいくつかでレースをすることは名誉なことだ」

 GTDプロクラスに参加する仕様変更版コルベットC8.Rは、クラス共通のミシュランS9Mカスタマータイヤを使用し、修正されたウイングプロファイル、GT3クラスで義務付けられているアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)、IMSAが定めた若干の出力低下などが設定されている。

 IMSAはシボレーのまったく新しいGT3カーが登場する前に、GTDプロ向けに仕様変更されたC8.Rが同クラスで走るために、2年間の“免除”に同意したと理解されている。

 今回の発表によってコルベット・レーシングは、正式にGTDプロへの参加を表明した2番目のチームとなった。今週末にラストレースを迎えるGTル・マン(GTLM)クラスの後を引き継ぐGTDプロでは、バッサー・サリバン・レーシングが『レクサスRC F GT3』のシングルカー体制で参戦することを発表済みだ。

 2022年にスタートするこのクラスにはこの他、ポルシェやランボルギーニのカスタマーチームからの追加エントリーが期待されている。また、チームRLLが走らせる『BMW M4 GT3』が少なくとも1台参戦する予定だ。

■ミッドシップ・コルベットにGT3カーが登場へ

 GMはFIA GT3技術規則に基づいて構築されるコルベットC8の計画を固めた。このクルマは2024年からカスタマーチームに提供される予定だ。

『コルベットZ06 GT3.R』としてアナウンスされたGM本家が放つGT3カーは、その名のとおり最近米国で発売されたコルベットのハイパフォーマンスグレードである“Z06”がベースになる。

 搭載されるエンジンは、GTE車両であるコルベットC8.Rと同じフラットプレーン型クランクシャフト構造の5.5リッターDOHC LT6 V8エンジンだ。

 シボレーはこのZ06 GT3.Rで初めて世界中のGT3チームを相手に「“ターンキー”でカスタマー重視」のコルベットを提供する。

 シボレーのモータースポーツ・コンペティション・エンジニアリング・ディレクターを務めるマーク・スティーローは、「コルベットにとってエキサイティングな時期だ。最初にプロダクションZ06が発表され、今度はカスタマーレーサーのためのコルベットZ06 GT3.Rが確認された」と述べた。

 彼は、「Z06 GT3.Rが登場することで、顧客のレースチームは、コルベット・レーシングの豊かな歴史から恩恵を受けたコルベットをキャンペーンで使用する機会が得られる」と続けている。

 なお、新型GT3カーの販売価格やサポートパッケージオプションなどの追加の詳細は現時点では明らかになっていない。