11月13日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されているスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第6戦『スーパー耐久レースin岡山』の会場内でマツダ、トヨタ、スバル、ヤマハ、カワサキの5社の社長が出席しカーボンニュートラル実現へ内燃機関活用のさらなる広がりへ向けた取り組みを発表し、このなかで川崎重工、ヤマハ発動機が二輪車等での水素エンジン開発の共同研究の可能性について検討を開始したと発表した。今後、本田技研、スズキも加え、4社で二輪車における内燃機関を活用したカーボンニュートラル実現への可能性を探っていく。

 ヤマハは2016年から水素エンジンに関する研究を行っており、トヨタ、デンソー、ケン・マツウラ・レーシングサービスとともに2016年以来高性能水素エンジンの開発に取り組んできた。2021年からスーパー耐久のST-Qクラスに、水素エンジンを積むトヨタ・カローラ・スポーツ『ORC ROOKIE Corolla H2 concept』を投入されたが、ヤマハの日髙祥博社長によれば、このORC ROOKIE Corolla H2 conceptは「5年間にわたる研究開発のマイルストーン」だという。

 ORC ROOKIE Corolla H2 concept開発において、ヤマハはエンジン部品の設計適合耐久試験のサポートなどを担っているが、このプロジェクトの「重要な意義のひとつに、“仲間を作る”、“仲間を増やす”ということが挙げられます」と日髙社長は語る。

 ここで、トヨタ自動車豊田章男社長が言う「仲間」として繋がったのが、二輪ではライバルでもある川崎重工だ。ORC ROOKIE Corolla H2 conceptの参戦に向けて、川崎重工は水素を“はこぶ”立場で参画し、オーストラリアの褐炭からつくった大量かつ安価な水素を日本へ運ぶための実証試験を開始。2021年度中には川崎重工が建造した世界初の液化水素運搬船『すいそふろんてぃあ』による水素の輸送を予定している。

 ヤマハでは現在、二輪車やROV(四輪バギー)等、自社製品への搭載を視野に入れた水素エンジンの技術開発を行っており、これらの開発を加速させるために、新規の設備導入の準備と、社内における開発体制の強化を進めているが、今回、ORC ROOKIE Corolla H2 conceptの参戦で繋がりが生まれたヤマハ、川崎重工の両社は、二輪車への搭載を視野に入れた水素エンジンの共同研究について検討を開始することになった。

 さらに今後は、同じ二輪メーカーである本田技研、スズキが加わり、4社で二輪車における内燃機関を活用したカーボンニュートラル実現への可能性を探っていく予定だという。本田技研、スズキからは前向きな返答をもらっているとしている。

 4社は二輪の市販車、そしてモータースポーツではライバルとも言える関係だが、今回カーボンニュートラルに向けた内燃機関を活用する取り組みのなかで、水素エンジンでモータースポーツを戦うORC ROOKIE Corolla H2 conceptをキーに、意欲的な取り組みがスタートしたと言えるだろう。