2021年F1第19戦ブラジルGPスプリント予選の開催直前、延々と審議の続いていた2件の裁定の結果が出た。前日予選後のパルクフェルメでマシンに触れたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は5万ユーロ(約650万円)の罰金。リヤウイングのDRSに規則違反の見つかったルイス・ハミルトン(メルセデス)に対しては、予選失格という厳しい裁定が下った。

 順位の繰り上がりで先頭グリッドからスタートしたフェルスタッペンだったが、ソフトタイヤ装着のバルテリ・ボッタス(メルセデス)にターン1までの加速でかわされ2番手に後退。その後はひたすらテール・トゥ・ノーズ状態で首位奪還を狙い続けたが、ボッタスも隙を見せず2番手に終わった。

 セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)もそれぞれスタートで順位を落とし、4番手、8番手、15番手完走だった。ホンダF1田辺豊治テクニカルディレクターはこの結果を残念がりながらも、「本番の決勝レースでいい結果を残したい」と気持ちを切り替えていた。

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──期待した結果ではなかったのではないですか?

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):グリッド順からさらに上を目指したのですが、ホンダ勢4台は少し残念なことに、いずれもそこから順位を落としてのフィニッシュとなってしまいました。とはいえ、ここまでの走行、特にこのスプリント予選で24周走った際に学んだことをもう一度見直し、日曜の71周の決勝レースをどう戦っていくか。本番の決勝レースでいい結果を残したいと考えています。

──スタートでそれぞれ順位を落としたわけですが、今季はここまでスタートは比較的順調だっただけに、今回4台が出遅れたことについて、何か分かっていることはありますか?

田辺TD:レッドブル・ホンダの2台については、蹴り出しは普通によかったです。(ピエール・)ガスリーはそこで少しホイールスピンさせてしまいました。角田(裕毅)選手は状況を把握していませんが、悪くなかったはずです。その後はギヤのシンクロの影響があったようですが、そこはチームに聞いてください。

 あとはタイヤ選択ですね。メルセデスが(バルテリ・)ボッタスにソフトを履かせたのは、もちろんスタートでトップを奪うつもりだったからで、さらに外気温は低いのに対して路面温度は高かったのが、途中から雲が出てきて急激に路面温度が下がりました。その影響もあると思います。

──今回のルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンの裁定について、田辺TDはどう考えていますか? 特にフェルスタッペンの場合、初日の夜10時過ぎになって審議対象になるという、非常に異例な状況だったわけですが。

田辺TD:状況を逐一フォローしていないですが、裁定が出るのは非常に遅かったですね。スプリント予選の直前に出るという状況は、確かに異常だと思います。

──メルセデスのパワーユニットは交換直後は非常にパワーがあって、そこからの落ち込みが大きいとレッドブル・ホンダのふたりのドライバーがコメントしています。チーム内でそういった分析はあるのでしょうか?

田辺TD:そういった分析は、なかなか難しいですね。今回ハミルトンが新品エンジンを使っていて、以前の交換の際もある程度の変化は分かるのですが、その後のレースでの使い方は不明なので分かりません。今週末にしても、まだデータ解析はできていません。ドライバーがそう言っているにしても、結局はマシンパッケージ(全体)の話なのかなと思います。

 それと、昨年FIAから技術指示書が出てからは、たとえば10基のパワーユニットを供給していた場合、このチーム用はあまり頑張らずに長く使わせる。こちらのチームは頑張るので早めに交換するという使い方ができなくなっています。それを考えると、メルセデスのパワーユニットだけが早く劣化するなど、そういうことは考えにくい。といいますか、あってはならないですね。

──メルセデスワークスだけが無理なパワーユニットの使い方をしているというのは、基本的にはないのですか?

田辺TD:技術指示書のポリシーから言えばありません。ただ、クルマが違えば全開率もシフトアップポイントも違います。ミニマム回転やドライバーの引っ張り方が違うことで、いろいろな違いは出てきます。ただし、そういったことも加味したうえで、みんな同じ出力で走りましょうというのが本来の趣旨です。実際はどうなのか分かりません。ホンダに関して言えば、毎回FIAに対して、今回はこういったレベルで4台を走らせますという情報を開示しています。