11月19日、イタリア北部はモンツァ・サーキットを中心に開催されているWRC世界ラリー選手権第12戦モンツァの競技初日、デイ1のSS1〜7が行われ、セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)とドライバー選手権タイトルを争う、僚友のエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が僅差でトップに立った。

 17ポイント差で迎えたタイトル争いのクライマックス。その舞台はイタリアが誇る伝統のクラシック・サーキットであるモンツァだ。18日(木)にシェイクダウンが行われた『ラリー・モンツァ』は、翌日金曜の朝からサーキットの北東に設定された山岳ステージで4本のスペシャルステージ(SS)が実施された。

 霧が立ち込め、アスファルトが滑りやすくなったこの状況で持ち前の強さを発揮したのは、7度ワールドチャンピオンに輝き今戦で通算8度目の戴冠を狙うオジエだ。このフランス人ドライバーは、オープニングのSS1とその再走ステージであるSS3でベストタイムをマークすると、SS4で早くも今大会3つめのステージ優勝を飾る。

 一方、現王者を17点差で追いかけるエバンスも必死で食い下がる。彼はSS2で最速タイムをマークしつつ、他のステージでも2番手タイムを記録しオジエの“逃げ”を許さない。SS4の終了時点で両名のギャップは6.5秒だった。

“スピードの神殿”とも呼ばれるサーキットに戻って実施された3本のSSのうち、最初のSS5でエバンスがトップタイムをマーク。対するオジエは、滑りやすい路面に苦労しステージ6番手タイムに留まる。これによりふたりの差は0.8秒に縮まった。

 7冠王者にとってはさらに悪いことに、続くSS6ではヤリスWRCにブレーキトラブルが発生し、ついにエバンスに総合順位で逆転を許してしまう。ナイトセッションとなった初日最後のSS7はエバンスが3番手、オジエが4番手タイムを刻み、最終的には逆転でのタイトル獲得を狙うウェールズ人が1.4秒差でラリー初日の総合首位に立っている。

 一騎打ちを演じるトヨタのふたりは、総合3番手以下を大きく引き離すことになった。後方グループの最上位は前戦スペインのウイナーであるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)で、トップから21.6秒の後れをとった。彼の背後にはSS7でベストタイムを刻んだ僚友のダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が3秒差で続き、そこから26秒後方にヒュンダイi20クーペWRCを駆るオリバー・ソルベルグが5番手につけている。
 
 SS7で2番手タイムをマークした勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)は総合6番手。Mスポーツのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)が7番手につけ、オット・タナクの代役を務めているテーム・スニネン(ヒュンダイi20クーペWRC)は8番手に。トヨタのマニュファクチャラーズタイトル獲得のため“絶対完走”の使命を請け負ったカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合9番手となった。10番手はWRC3クラスリーダーのヨハン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)だ。

 Mスポーツのアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)は最高峰クラスで唯一、初日のラリーから脱落したメンバーとなった。彼のクルマは6番手で迎えたSS3で左コーナーを曲がりきれず右側の崖に激突し、その反動で横転しながら道路を横切りガードレールの外側で止まった。幸いクルーは無事との情報が入っている。

 競技2日目が行われる20日(土)のデイ2は、午前中にふたたび山岳エリアで2本のステージを各2回走行し、午後はモンツァ・サーキットに戻って2本のSSを走行するスケジュールとなっている。計6本のSSの合計距離は108.24kmと今大会最長。リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は362.88kmだ。