11月13〜14日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されたスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第6戦『スーパー耐久レースin岡山』。このレースでマツダ、トヨタ、スバル、ヤマハ、カワサキの5社の社長が出席しカーボンニュートラル実現へ内燃機関活用のさらなる広がりへ向けた取り組みを発表したが、この週末はグランドスタンド裏にも、カーボンニュートラルを強く意識したブースが設けられた。

 2021年から設けられたST-Qクラスには、第3戦富士SUPER TEC 24時間レースから水素エンジンを積むトヨタ・カローラ・スポーツ『ORC ROOKIE Corolla H2 concept』が登場。今季最終戦となった第6戦岡山では、MAZDA SPIRIT RACINGからバイオディーゼル燃料の『MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO』が登場。さらに2022年からは、スバルBRZ、トヨタGR86がバイオマス由来の合成燃料を使用し参戦することになった。

 これに加え、水素エンジンの開発にも参画していたヤマハ、水素を運ぶ活動を行っていたカワサキが、二輪車等での水素エンジン開発の共同研究の可能性について検討を開始したと発表した。11月13日は二輪、四輪の各社の社長が岡山国際サーキットに訪れており、パドックビル2階はこれまでのスーパー耐久の牧歌的(もちろん良い意味で)な雰囲気が信じられないほどメーカーのウェアを着た人であふれた。プライベーターのレーシングチームで賑わっていた今までのスーパー耐久から、明らかな変化が生まれている。

 またちなみに言えば、第3戦富士以来、毎戦水素エンジンに関する取り組みを発表する記者会見の場が設けられており、これまでスーパー耐久では見たことがないほどの一般紙・誌、テレビ、一般車のジャーナリスト等のメディアがサーキットにあふれている。当然お目当てはORC ROOKIE Corolla H2 conceptだ。

 こういったメーカーの参加による変化は、グランドスタンド裏にも及んでいる。第6戦岡山のスタンド裏には、5社がともにブースを出展。トヨタ・ミライが給電しているテントの下には、各社のカーボンニュートラルに向けた取り組みが展示された。中にはヤマハが2018年に製作したV8水素エンジンなど珍しいものも。さらにトヨタ自動車豊田章男社長が「カーボンニュートラルに向けた選択肢はひとつではない」というように、発表されたばかりのBEV、トヨタbZ4X、スバル・ソルテラが並んで展示された。

 また、豊田社長が言う水素を『はこぶ』『つくる』『つかう』の活動に参画する各社によって、水素エネルギーの可能性を伝える『水素エネルギー館』が設けられた。まるで科学博覧会のパブリオンのようで、これまでのサーキットにはあまりなかったものだ。

 もちろん、今までのようにスポーツをアピールするメーカーのブース、イベントステージなども用意はされていたが、これまでスーパー耐久をはじめ、レースのグランドスタンド裏ではおなじみの光景だったチューニングメーカーやグッズショップがひしめいていた頃とはまったく様相が異なっていた。2021年に大きな変革の時を迎えたこれからのカーボンニュートラルへの取り組みに向け、メーカーがスタンド裏で“アピールしたいもの”も変化の時を迎えているのかもしれない。