11月21日、WRC世界ラリー選手権第12戦モンツァの競技最終日、デイ3のSS14〜16がイタリア北部のモンツァ・サーキットで行われ、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(トヨタ・ヤリスWRC)が総合優勝を飾った。タイトル争いでは同コンビがチームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ・ヤリスWRC)の追撃を振り切り通算8回目の戴冠を決め、トヨタはマニュファクチャラーズタイトルと合わせてシリーズ3冠を達成している。

 ラリー初日から、オジエ/イングラシア組とエバンス/マーティン組による、ドライバー/コドライバーズタイトル争いにふさわしい白熱したトップ争いが繰り広げられてきた今年の『ラリー・モンツァ』。2021年シーズン“ラストイベント”となった今戦の最終日は、3本のSSがすべて“スピードの神殿”とも呼ばれる伝統のモンツァ・サーキット内で実施された。

 そのデイ3のステージは低い気温と湿り気を帯びた路面コンディションからかアクシデントが多数発生。オープニングのSS14では、エバンスを0.5秒差で従え総合首位で最終日を迎えたオジエが、シケインに設置されたコンクリートにホイールをヒットさせる場面があったが、紙一重のところで大勢には影響せず。

 続くSS15ではガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)がスピンを喫し、僚友のアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)もバリアにヒット。さらには勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)がストレートエンドのブレーキングで姿勢を乱し、シケインのバリアに激突し左フロントホイールを失ってしまった。

 注目のトップ争いは、オジエとエバンスがSS14でステージ2番手タイムを分け合い、0.5秒差が変わらぬまま残り2SSへ。短いサービスを挟んで行われたSS15では両者ともにトップ3を逃しオジエが4番手に。対するエバンスは2度のストールがありステージ7番手に留まる。これにより、ふたりのタイムギャップは7.6秒に拡がった。

 迎えた最終パワーステージ、WRカー最後のランともなった全長14.62kmでも首位のオジエは落ち着いた走りを披露。ステージ5番手タイムで引退するイングラシアとともに臨んだ最後のステージを走破すると、7.3秒差でエバンスを振り切り見事、優勝で通算8度目のシリーズチャンピオン獲得を決めた。

 最終戦での逆転タイトルを狙ったエバンスは総合2位、ランキングでも2年連続で2位となった。また、TOYOTA GAZOO Racing WRTは全車が完走を果たし、メーカー選手権でもタイトルを獲得。トヨタがドライバー、コドライバー、マニュファクチャラーのトリプルタイトルを獲得したのは、ディディエ・オリオール/ベルナール・オチェッリ組がシーズンを制した1994年以来、27年ぶりだ。

 今戦の総合3位は、前日に4番手から順位を上げたダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が獲得した。総合4位には最終日の3ステージすべてでベストタイムをマークしたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が続き、5位はオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20クーペWRC)が入っている。
 
 オット・タナクの代役としてラリー・モンツァに挑んだテーム・スニネン(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合6位。SS15でのクラッシュ後、クルーの懸命な修復作業によりパワーステージ出走を果たした勝田はステージ2番手タイムでその努力に応え、最終的に総合7位でラリーをフィニッシュした。8位はグリーンスミス、今週末はチームのマニュファクチャラーズタイトル獲得のため、“完走重視”の走行を受け入れたカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が使命を果たす9位フィニッシュを果たしている。