スーパーGT史上に残る、歴史的な幕切れとなった2021年のGT500クラスのチャンピオン争い。まだまだ、その余韻と衝撃が醒めやらないままだが、シーズンの終わりとともに始まるのがストーブリーグ。本来なら、もっとじっくりと情報収集を進めて、関係各所の裏を取るか取らないのギリギリのところから小出しに掲載したいのが本音なのだが、TOYOTA GAZOO Racing陣営が例年より1カ月以上早い、来週12月6日に発表会を行うというサプライズの報が入ってきた。

 さらに、昨日の11月30日にはDENSO KOBELCO SARD GRスープラのヘイキ・コバライネンがスーパーGTの活動終了発表と、矢継ぎ早に状況が進捗してしまっては仕方ない。何はともあれ、オートスポーツweb編集部が現時点で掴んでいる噂と情報を放出しなければと思い立った次第だ。まず、せっかちなみなさんに先に結論を伝えておこう。来季、2022年のラインアップはトヨタ/GRスープラ陣営に関わらず、大シャッフル……とはならずに小シャッフルに収まりそうだが、それぞれのメーカーでビッグサプライズがありそうなのだ。

●トヨタ/GRスープラ陣営、有望な若手が抱負で混沌模様。複数のサプライズがありそう。
 まずはトヨタ/GRスープラ陣営から話を進めよう。トヨタ陣営でまずはキーパーソンとなるのが、中嶋一貴だ。先日、WEC世界耐久選手権からの勇退を発表した一貴だが、その後、来季に関しては国内復帰が既定路線のようではあるものの、古巣のトムスに戻るのが自然といえば自然だが、別チームの噂もあり、さらに別の噂と、さまざまな情報が入り乱れている。

 その中嶋一貴の去就とリンクしているのが、今季37号車KeePer TOM’S GRスープラから参戦していた平川亮。今季もWECのテストに参加するなど海外参戦間近の状況だったが、いよいよ来季はシーズン参戦が叶うか。平川と中嶋一貴が入れ替わる形ならば話は早いのだが、どうもそういう雰囲気ではないらしい。

 トヨタ/GRスープラ陣営で、次にキーパーソンになるのが、GT300に参戦しているジュリアーノ・アレジと阪口晴南のふたり。全日本スーパーフォーミュラ選手権で優勝を飾ったアレジと、サッシャ・フェネストラズの代役ながら今季スーパーGT開幕戦でポールポジションを獲得して、まったく問題なく戦力としてGT500でレースをこなした阪口、このふたりは来季のGT500ステップアップが確実な状況だが、問題は所属先チームだ。

 ふたりともこれまでの経歴からトムスに馴染みがあるが、36号車au TOM’S GR Supraは最終戦で逆転チャンピオンに輝いたことからも変更は考えづらく、仮に平川が欧州挑戦決定となったとしても、37号車のふたつのシートを中嶋一貴、フェネストラズ、アレジ、阪口、さらに今季19号車WedsSport ADVAN GRスープラで修行を積んで今季ポールポジションも獲得した宮田莉朋の5人が争うことになる。

 一方、シート候補が入り乱れるトムスとは逆に、14号車ENEOS X PRIME GR Supraの大嶋和也/山下健太、38号車ZENT GR Supraの立川祐路/石浦宏明のコンビは継続濃厚の様子。38号車ZENTにはスーパーフォーミュラで所属している阪口晴南がスーパーGTでも……という噂も一時流れたが、38号車は現状維持が濃厚のようだ。

 そして、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)と39号車DENSO(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)に関しては情報が少ない。19号車は一時、経験豊富で人格的にも男前の国本がGT300の複数のトップチーム等で大人気で引く手数多との声が聞こえ、来季はGT300チームへの移籍の噂が流れていたが、このシーズン終盤、GT300側からの情報によると来季も国本はGT500残留を選んだとか。

 となると、国本は継続でチームメイトは宮田か、宮田が別チームの場合は19号車のひと枠にはサプライズ枠になる可能性もある。19号車はご存知のように坂東正敬監督が両ドライバーに均等に走行機会を与える方針からも、トヨタ/GRスープラ陣営の若手育成を担う存在となっているが、ヨコハマタイヤの開発を担う立場からも経験豊富なドライバーの加入も考えられる。

 また、39号車DENSOもコバライネンのスーパーGT引退に伴い、ひと枠が空いた。中山雄一に加え、アレジ、阪口、宮田がシートを争う形になりそうだが、もしかしたら中嶋一貴が入る可能性もないことはなさそうだ。

●ホンダ陣営はブリヂストン使用チームに大物ドライバー加入の噂
 最終戦前までシリーズランキングで実質トップ3を占めていながら、ランキング5位だった36号車auにチャンピオンを奪われてしまったホンダ陣営。それでも、ホンダ陣営としてはブリヂストン装着チームは3チームとも優勝を飾り、ダンロップ装着の2チームもそれぞれ見せ場を作って存在感を示していた。2022年のシートに関しても、ほとんど変更はないもの……と思われていたが、変更は少ないものの、サプライズとなる交代があるとの噂が流れてきている。

 どうやら、ブリヂストン装着の3チームのどこかのチームに、大物ドライバーが加入すると噂されているのだが、今のところはどんなドライバーなのか、どのチームになるのかは把握できていない。

 オートスポーツweb編集部の期待値としては、昨年のスーパーフォーミュラ第3戦SUGOでデビュー戦ながら鮮烈&衝撃的にポールポジションを獲得したセルジオ・セッテ・カマラ、またはセッテ・カマラ級の外国人ドライバーの国内参戦を期待したいところだが、果たしてどんな大物が加わることになるのか。そして、その所属チームはどこかが焦点になる。ホンダ陣営の国内カテゴリーの発表は例年、年明けのオートサロンが恒例となっているが、2022年に関しても同様の時期、1月中旬頃になりそうな気配だ。

●ニッサン陣営、鍵を握るのはカルソニックのドライバーラインアップ
 R35 GT-Rがラストレースを終え、2022年シーズンは新型GT500車両で参戦することになるニッサン陣営。クルマの変更という大きな転換点に合わせるように、ドライバーラインアップの大変更も考えられるが、他2メーカーに比べてやや動きが遅れている様子……というより、今季はトヨタ/GRスープラ陣営が早すぎただけなのだが。

 そのニッサン陣営について、最終戦の富士では大きな情報が飛び込んできた。なんと、今季12号車カルソニック IMPUL GT-Rから今季GT500デビューを果たしたばかりの松下信治がチームを離れることになりそうなのだ。今季第5戦SUGOで12号車を5年ぶりの優勝に導いた松下への評価はチーム内外で高く、既定路線ならば……ワークスチームである23号車MOTUL AUTECH GT-R、ニスモに移籍か? その移籍に伴い、玉突きのようにシャッフルが行われる可能性も高い。

 ニッサン陣営としては、今季GT300クラスで2年連続でタイトルを争った56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-Rの藤波清斗の評価も高く、来季GT500クラスへのステップアップの噂も聞こえてきている。さらに、来季は外国人ドライバーの招聘も噂されている。

 それでも、外国人ドライバーに関してはやはり新型コロナの影響から就労ビザの発給は簡単ではなく、発給されたとしても日本を一度離れて海外に戻った場合、再入国が難しくなる可能性が十分に高い状況から、新しい外国人ドライバーの来日はなかなか難しい状況のようだ。メーカー側としてはGT500に参戦するドライバーは当然、シーズンを通して参戦してほしく代役を立てる状況を避けたい。そうなると日本に馴染みのある、または日本に長期滞在することができる外国人ドライバーを優先することになる。

 いずれにしても、ニッサン陣営としてはチーム編成の部分でも来季はニスモが2台体制となる模様で、22号車が復活するとの情報もあり、新型車両の導入と合わせて大きな転換期となりそうだ。例年なら2月にラインアップが発表されることから、最終戦が終わった今の時期がストーブリーグが佳境になっているものと推測される。

2022年スーパー GT GT500クラス
オートスポーツwebラインアップ予想
Car.NoTyreTeamDriverトヨタ/GRスープラ1or36BSトムス◎関口雄飛/◎坪井翔37BSトムス〇サッシャ・フェネストラズ/△中嶋一貴/△阪口晴南/△宮田莉朋/×ジュリアーノ・アレジ/×平川亮14BSルーキー◎大嶋和也/◎山下健太19YHバンドウ〇国本雄資/△阪口晴南/△ジュリアーノ・アレジ/×中嶋一貴38BSセルモ◎立川祐路/◎石浦宏明/×阪口晴南39BSサード〇中山雄一/△阪口晴南/△宮田莉朋/△ジュリアーノ・アレジ/×中嶋一貴ホンダ/NSX-GT8BSARTA〇野尻智紀/〇福住仁嶺/△外国人ドライバー16DLチーム無限◎笹原右京/◎大湯都史樹17BSリアル〇塚越広大/〇ベルトラン・バゲット/△外国人ドライバー64DLナカジマ◎伊沢拓也/◎大津弘樹100BSチーム国光〇山本尚貴/〇牧野任祐/×外国人ドライバーニッサン/新車両12BSインパル〇平峰一貴/△高星明誠/△藤波清斗/△外国人ドライバー3or22MIニスモ?〇平手晃平/〇千代勝正/△松下信治/×外国人ドライバー23MIニスモ〇松田次生/〇ロニー・クインタレッリ/△松下信治/×外国人ドライバー24YHコンドウ〇佐々木大樹/△高星明誠/△藤波清斗/×外国人ドライバー
*◎ほぼ確定/〇有力/△可能性あり/×もしかしたら
*BS:ブリヂストン/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ/DL:ダンロップ