マックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得し、ホンダにとっては最後のグランプリとなった2021年のF1最終戦アブダビGP。この歴史的な週末を、レッドブル・ホンダはどう過ごしたのか。チームはその裏側に密着した映像を公開した。

https://youtu.be/0Ml_lqhkysM

 木曜日の午後、タイトル争いの大一番を前に、チーム代表のクリスチャン・ホーナーはスタッフをガレージに集めた。「我々にはチャンスがある。全力でぶつかろう」。チームを鼓舞するようにそう語ると、彼はさらに続ける。「最も重要なのは楽しむことだ。君たちはそれに値するんだ」

 メディアからリモートでインタビューを受けるセルジオ・ペレスも、最終戦に向けた意気込みを語る。「チームとしてのターゲットはマックスを勝たせることだ。レッドブルを頂点に導きたいし、できることなら何でもやる」。チーム一丸となって戦うレッドブル。その姿勢は予選で実を結ぶこととなる。

 予選Q3、ペレスに無線でフェルスタッペンをセクター3で待つように指示が飛ぶ。こうしてフェルスタッペンにスリップ・ストリームを与えるのだ。この仕事をペレスはやり遂げ、フェルスタッペンはポールポジションを獲得。これで決勝に向けた準備は整った。

 決勝レースを前に、予選後には「ARIGATO HONDA EVENING」と題されたパーティが開かれていた。この会にはアルファタウリのピエール・ガスリーと角田裕毅も参加し、ホンダとの別れを惜しんだ。

 ホーナー代表が「短い間だったが、エキサイティングで成功に満ちた関係だった」と3年間を振り返ると、フェルスタッペンは「山本(雅史マネージングディレクター)さんは毎レース僕にサインを求めてくるんだ。彼にはどれだけ家族がいるんだろう」と、ジョークを交えつつ感謝を述べた。終始和やかな雰囲気のパーティが終わると、ついにレッドブル・ホンダにとって最後のレースが始まる。

 ご存知の通り、レースは劇的な幕切れを遂げた。フェルスタッペンが最終ラップでハミルトンを逆転すると、レッドブル・ホンダの全スタッフが狂喜する。ホーナーからは「マックス・フェルスタッペン!君がワールドチャンピオンだ!」と叫ぶような声で無線が飛び、ガレージでは『We Are The Champion』の大合唱が始まる。

「ドライバーズチャンピオンを獲得できたことは間違いなく素晴らしいことだ。そして、ここにいる皆の存在なしには不可能だった」と、レース後に振り返ったフェルスタッペン。数日後、彼がレッドブルのファクトリーにオレンジ色のNSXで現れると、「スーパーマックス!スーパーマックス!」というコールがファクトリーに鳴り響き、新たなワールドチャンピオンの誕生を祝った。