1月9日、W2RC世界ラリーレイド選手権のオープニングイベントとして、中東のサウジアラビアで開催されているダカールラリー2022の“ステージ7”が行われ、セバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム/BRXハンターT1+)が今大会2度目のステージウインを果たした。この結果、元WRC世界ラリー選手権9連覇王者は総合2番手に浮上している。

 8日(土)の休息日を挟み、14日(金)まで続く“世界一過酷な砂漠のレース”は後半戦に突入した。9日(日)のステージ7は首都リヤドからアル・ダワディミへ続く全長702kmのロングステージで、スペシャルステージ(競技区間)はそのうちの402kmだ。

 前半戦最後のステージ6で後れを取り、総合3番手に順位を落としていたローブだが、このステージ7では序盤からトップ3に入る好走をみせる。彼はスタートから221kmのウェイポイントで、チーム・アウディスポーツのカルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron)を交わしてトップに立つと、そのまま順位を守ってフィニッシュ。競技2日目以来、今大会2回目のステージ優勝を飾った。

「フィニッシュラインの50km手前でエンジントラブルが発生するまでは素晴らしかった。ガタガタと何度も異音がして……終盤はタイムを失ったが、それでも首位でステージを終えられたのだから文句はないよ」と語ったローブ。

「僕たちは力のある立場ではないので答えるべき質問はない。とくに戦略もない。僕たちはただ自分たちの仕事をして、それがどのように働くか見ていくだけだ」

 ローブに逆転を許したサインツは、ラリーの初日からトップを守り続けるナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing/GRダカールハイラックスT1+)にも交わされトップから7分43秒遅れのステージ3番手に。ふたりの元WRCチャンピオンの間でフィニッシュしたアル-アティヤは、総合2番手に再浮上したローブから5分26秒遅れたが、両者の総合順位でのギャップは依然44分59秒と小さくない。

 サインツの後方では僚友ステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron)がステージ4番手となり、ヤジード・アル・ラジ(オーバードライブ・トヨタ/ハイラックス・オーバードライブ)が同5番手に。このサウジアラビア人はローブの2番手浮上によって順位をひとつ落としている。

■二輪総合3番手だったダニエル・サンダースがスタート前にクラッシュ

 金曜日に5時間のタイムペナルティが撤回されたことで、表彰台争いに復帰したジニエル・ド・ヴィリエール(TOYOTA GAZOO Racing/GRダカールハイラックスT1+)だったが、この日はステージ中盤の198km地点でメカニカルトラブルによりストップしてしまう。ベテランドライバーを助けるため、すぐにチームメイトのヘンク・ラテガン(GRダカールハイラックスT1+)がレスキューに回ったが、それでも1時間のタイムロスは免れず。結果、ド・ヴィリエールは45番手でステージを走破したが総合では4番手から9番手までポジションを落とすこととなった。

 四輪部門・市販車クラスで9連覇を狙うチーム・ランドクルーザー・トヨタ・オートボデー勢は、ロナルド・バソ(トヨタ・ランドクルーザー200)がチームメイトから49分遅れたものの、後半戦のオープニングステージでも三浦昂(トヨタ・ランドクルーザー200)とともにワン・ツー・フィニッシュを飾った。総合順位は三浦が四輪部門総合50番手、バソは総合55番手だ。
 
 トラック部門・排気量10リットル未満クラス12連覇中の日野チームスガワラ。チーム代表兼ドライバーである菅原照仁が駆る日野600ハイブリッドはこの日、大排気量のライバルたちを相手にトップ10フィニッシュをマークした。彼らはクラス13連覇に向け、後半戦のオープニングで好スタートを決めている。

 二輪部門ではスタート前に波乱が起きた。総合3番手で後半戦を開始する予定だった、ガスガス・ファクトリー・レーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)が、スタート前のリエゾン(移動区間)でクラッシュを喫し病院に搬送されたのだ。ステージ6のウイナーとしてこの日のステージを切り開く予定だったオーストラリア人は左腕を負傷しており、この時点でラリーから退くことになった。

 ガスガスにとってのもうひとつの悲劇は、競技2日目から総合トップを守ってきたサム・サンダーランド(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)の首位陥落だ。彼はステージ中盤221km過ぎに大きく遅れ、最終的にトップと25分差の28番手でフィニッシュし総合4番手となった。

 とはいえ、ニューリーダーとなったアドリアン・ファン・ビファレン(モンスターエナジー・ヤマハ・ラリーチーム/ヤマハWR450F)とのギャップは5分38秒で、総合2番手につけるレッドブル・KTMファクトリー・レーシングのマティアス・ウォークナー(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)と、彼の僚友で総合3番手に上がってきたケビン・ベナビデス(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)とほぼ同じ舞台に立っている。ファン・ビファレンとウォークナーのタイム差は5分12秒だ。

 ステージ7では、モンスターエナジー・ホンダのホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダ CRF 450ラリー)が今大会初優勝を決め、チームメイトのジョアン・バレーダ(ホンダCRF 450ラリー)が3番手に入った。ホンダライダーの間には2021年の二輪部門王者で元ホンダのベナビデスが割って入っている。