1月10日、WRC世界ラリー選手権に参戦しているヒュンダイ・モータースポーツは、2022年シーズンに投入する新型WRCカー『ヒュンダイi20 Nラリー1』を発表した。

 ラリーカーにハイブリッドシステムが搭載される“ラリー1”車両規定の導入初年度となる2022年のWRC新シーズンに向け、ヒュンダイはニューマシンの開発を進めてきた。彼らが新時代のWRCに投入するクルマは、ロードゴーイングのヒュンダイi20 Nモデルに基づいており、そのスタイリングは2021年シーズンで使用されたヒュンダイi20クーペWRCから様変わりしている。

 この新しいマシンは1月20〜23日、モンテカルロで行われる2022年シーズン開幕戦でデビューする予定だ。同ラウンドには3台のヒュンダイi20 Nラリー1が登場し、韓国車メーカーで9年目のシーズンを迎えるティエリー・ヌービルと、2019年のシリーズ王者でチーム在籍3年目となるオット・タナク、そして20歳のオリバー・ソルベルグによってドライブされる。

 なお既報のとおり、ヌービルとタナクの両名は昨シーズンと同様に、全戦を通じて新しいラリー1カーをドライブするが、ソルベルグはベテランのダニ・ソルドと3台目のクルマをシェアするかたちでWRC新時代のファーストシーズン、そしてメーカーワークスドライバーとして挑むキャリア初のシーズンを戦っていく予定だ。

 WRC開催50周年の節目に導入される“ラリー1”テクニカル・レギュレーションは、持続可能な未来への取り組みを示すとともに、安全性の向上と競技者間の平等を図る目的で定められた新規則だ。この新レギュレーションに基づき、2022年はWRCに史上初めてハイブリッド技術がトップカテゴリーのマシンに導入されると同時に、100%持続可能燃料が採用されることになったため、メーカーではラリーカー開発において新たなアプローチが必要となった。

 そうしたなか、ヒュンダイ・モータースポーツでは2021年5月からラリー1車両の開発テストをスタートさせた。同チームの副チームディレクターを務めるジュリアン・モンセは、「最高の仕事をした」とニューウエポンの出来栄えに自信をのぞかせている。

「WRCの新しいハイブリッド時代の技術的な挑戦を歓迎する。それはどのチームにとっても未知への一歩となることを約束するが、私たちは『ヒュンダイi20 Nラリー1』で可能な限り最高の仕事ができたと確信している」と語った同氏。

■WRCのハイブリッド化が「ヒュンダイのモータースポーツとロードカーの活動を結びつける」

 モンセによれば、開発の主眼に置かれたのは1.6リットル直噴4気筒ターボエンジンと、最高100kW(約135PS)を発揮するプラグインハイブリッドユニットを組み合わせたときに、シャシーの中ですべてのコンポーネントが調和し機能することだったという。

「我々はできるだけ多くのリアルタイムデータを収集するため、さまざまな地形であらゆるシナリオでクルマをテストしてきた。10月に実施されたシミュレーションテストでは、実際のラリーウイークエンドと同じ体験をさせた。そらに、競争力のあるデビューに向けヒュンダイi20 Nラリー1にさらなる調整を行うことができた」

 ヒュンダイ・モータースポーツの社長で、アンドレア・アダモ前代表の辞任によって兼チーム代表も兼務することになったスコット・ノー氏は新型車両の発表に際し、次のように述べている。

「WRCの新しいハイブリッド時代に参加し、国際的なモータースポーツに対するヒュンダイの確固たるコミットメントを示すことができることに興奮している。WRCは最高のクルーがドライブとナビゲートをする、もっとも技術的に進んだクルマを世界でもっとも過酷なステージに置くことを目的としている。2022年シーズンは物事がさらに次のレベルに進むことになり、我々はそのための準備ができている」

「さらに、企業的な観点からもヒュンダイが公道走行に関連する技術を持つことは需要だ。WRCのハイブリッド化は、我々のブランドのモータースポーツとロードカーの活動を結びつける」

「私たちは(2019年と2020年に続く)3度目のマニュファクチャラーズタイトル獲得に向けて全力で戦い、ドライバー/コドライバー選手権タイトルの獲得に向けても、我々のクルーをサポートすることができると確信しているんだ」

■ヒュンダイ・モータースポーツ 2022年WRCドライバーラインアップ
No.DriverCo-Driver11ティエリー・ヌービルマルティン・ウィダグ8オット・タナクマルティン・ヤルヴェオヤ*2オリバー・ソルベルグエリオット・エドモンドソン*6ダニ・ソルドカンディード・カレラ
*3台目のマシンをシェア