『Sky Sports F1』は、7度のF1チャンピオン、ルイス・ハミルトンが2022年F1に戻ってくるかどうか、現時点では不明であると報じた。

 2021年F1最終戦アブダビGPで、FIAレースディレクターが、レギュレーションに従わず自身の独自の判断でセーフティカー運用を行ったことが、ハミルトンにとって著しく不利な状況を生み出し、彼はつかみかけていたタイトルを最終ラップで逃がす結果になった。

 メルセデスは強く抗議したものの、FIAはこれを退けた。しかしメディアやファンからも強い批判を受け、FIAはこの一件を詳しく調査し、改善につなげると約束した。

 ハミルトンはアブダビGP決勝後、SNSの更新をストップし、2021年FIA授賞式も欠席した。12月にメルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、ハミルトンは大きな痛みと幻滅を感じているとして、「ルイスがレースを続けてくれることを心から願っている」と発言。ハミルトンが失意のうちにF1から去るのではないかという見方が広がり始めた。

『Sky Sports F1』のレポーター、クレイグ・スレーターが、約1カ月にわたって沈黙を守り続けているハミルトンについて番組のなかで語った。ハミルトンに近い人物から聞いたところでは、彼が2022年開幕戦バーレーンGPに出場するかどうかは依然として不透明であるとして、FIAが誠意を持って調査を実施するかどうかがハミルトンの将来を左右すると、スレーターは語った。

「(2022年)開幕戦バーレーンまであと69日だが、ルイス・ハミルトンがグリッドにつくかどうかは今も明らかになっていない」とスレーターは言う。

「ハミルトンがF1に戻ってくるかどうか、彼がその意欲を持ち、アブダビ後に彼が感じた、トト・ウォルフ代表が言うところの『幻滅』を乗り越えられるかどうかについての責任は、FIAにある。FIAはクリスマス前に、(アブダビGP)最終ラップで起こったことについて調査し、何らかの調査結果を導き出すと誓った。彼らはその約束を果たす義務がある」

「メルセデスは、(調査に関する)具体的な結果を見ることを望んでいる。この件が長引けば長引くほど、ルイス・ハミルトンに関する状況は悪くなる、と私は聞いている。ある上級職の人物からの情報だ」

 スレーターは、メルセデスチームの人々も、ハミルトンがこれからどうするのか分からずにいるとして、彼が2022年に休暇を取る可能性もあると述べている。ハミルトンは2021年7月の時点で、メルセデスと2023年までの2年契約を締結済みだ。

■FIA会長「ハミルトンが2022年も走ると信じている」

 今月初め、FIA新会長モハメド・ビン・スライエムは、ハミルトンに対して何度かメッセージを送ったが返事を受け取っていないと述べている。

「彼にメッセージを送った。だが、まだ(返信できる)準備が100パーセント整ってはいないのだろう。彼の立場は理解できる」とビン・スライエムはコメントした。

 ハミルトンがF1から去る可能性について聞かれたビン・スライエムは、「それはうわさだ。私はそうは思っていない」と答えた。
「彼自身が戻ってこないと宣言したか? そうではない」

「そうはならないと信じている。ルイスはF1にとって重要な存在であり、素晴らしい成果を達成したドライバーだ」

 ビン・スライエムFIA会長はまた、アブダビGPでの一件を詳細に調査するとの意思を改めて示している。

「アブダビで起こった一件について分析する。誰からもプレッシャーを受けることなく、今後どうするかを決定するつもりだ」

「FIAの品位を守ることが、私の仕事であり義務である。しかし、だからといって、レギュレーションについての調査を行わないということではない。改善すべき点があれば、改善する」

「最初の記者会見で申し上げたとおり、これ(レギュレーション)は神の書ではない。人間によって書かれたものなのだ。従って、人間によって改良し、変更することが可能だ」