年が明ける前に清成龍一のTOHO Racingへの移籍が発表され、大きく動きがあった2022年の全日本ロードレース選手権JSB1000クラス。例年、国内レースでは四輪のスーパーGT、スーパーフォーミュラ、二輪の全日本ロードは1月からストーブリーグが活発となり、ホンダは1月14日にモータースポーツ参戦体制発表会を開催することをアナウンス、そのほかのメーカーやチームも東京オートサロン2022やそれ以降に参戦体制を発表していくようだ。

 具体名は出せないため、読者の皆さんにはモヤモヤさせてしまうかもしれないが、オートスポーツweb編集部が現時点で掴んでいる噂と情報を可能な限りお届けする。

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 2021年も激闘が繰り広げられた全日本ロードJSB1000クラスだが、開催されたレースをすべて制して10度目の王者に輝いたのが、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)だ。1981年生まれの中須賀は40歳となり、キリの良い10度目のタイトルを獲得したことで引退する噂もあったが、チャンピオンとなった第5戦MFJ-GP鈴鹿でそれを否定した。

「必要とされるように自分をしっかり高めて、常に速く走ることが好きですし、毎年進化できていると思っているので、それができなくなった時が辞め時だし、勝てなくなった時が辞め時だし、それがいつ訪れるかだけなので、それをさせないためにも自分も同じように成長していけたらいいなと……」と中須賀は語っていた。

 さらにヤマハもファクトリーチームの撤退も考えにくいことや、2021年のレース活動を発表した際に「クラブチームや若手ライダーのサポートを強化」、「世界レベルのライダーであり、YZR-M1の開発を担う中須賀克行や野左根航汰に続く人材の育成を目指す」としており、ST1000とST600の何人かのヤマハライダーをサポートしていた。

 中須賀は継続参戦だが、ST1000でヤマハYZF-R1を駆っていたライダーがJSB1000のファクトリーに昇格して2台体制で参戦することが噂されている。そのライダーは特にヤマハのサポートを多く受けていたようで、2021年はピットに青い服を着たスタッフがたびたび入って行く様子が見られた。

 ホンダ勢は、すでに発表された清成龍一がAstemo Honda Dream SI RacingからTOHO Racingに移籍することがビッグニュースだ。SI RacingからはJSB1000に清成、ST1000に渡辺一馬と作本輝介がエントリーしていた。清成がチームを離脱することでJSB1000のシートが空くが、ST1000の2台体制ではなく、渡辺と作本のどちらかがJSB1000に出場するようだ。昨年のオフシーズンにはチームがプライベートテストをしていたが一方がブリヂストンタイヤを履いていたため確定だろう。また、以前から視野に入れていたアジアロードレース選手権(ARRC)への進出も発表されそうだ。

 2021年8月31日には武蔵精密工業株式会社が、2021年シーズンをもって『HARC-PRO.(ハルク・プロ)』へのスポンサードを終了することを発表。指定ゼッケンにより『634』は2020年で最後となり、チーム名が変更となることで鈴鹿8耐でも見られないことになる。

 ハルク・プロは、『MuSASHi RT HARC-PRO.』ではJSB1000に名越哲平、ST600に埜口遥希、『SDG MOTORSPORTS RT HARC-PRO.』はST1000に榎戸育寛、ST600に千田俊輝、J-GP3に成田彬人、MFJカップJP250に赤間清を起用。2チーム体制だったが、1チームで活動することが予想される。

 JSB1000は名越が継続参戦するようだが、海外の選手権に戦いの場を移すライダーも。そのほかのライダーがハルク・プロで継続参戦するかは発表を待ちたい。濱原颯道、亀井雄大、秋吉耕佑、岩田悟などのホンダ勢も継続参戦となるだろう。

 また、昨年FIM世界耐久選手権(EWC)に参戦していた高橋裕紀はF.C.C. TSR Honda Franceのレギュラーライダーから外れ、Moto3に参戦していた國井勇輝はシートを失ったため、どのクラスかは定かではないが全日本ロードに参戦することになるだろう。

 ほかの国内メーカーのマシンを使用するチームでは、体制変更などの噂等は入っていないが、スズキ勢は加賀山就臣、津田一磨、カワサキは柳川明が継続して参戦するはずだ。EWCに参戦しているヨシムラSERT Motulと渡辺一樹自身もレースへの出場を望んでいるため、何戦かにスポット参戦する可能性もある。

 車両については、BMWを使用するチームに動きがありそうだ。関口太郎(SANMEI Team TARO PLUSONE)はM1000RRを導入しており、S1000RRからマシンを変更するようだ。また、ST1000は一般市販価格300万円(消費税含まず)以下だったが、2022年から外国産車両のみ350万円(消費税含まず)以下に引き上げられる。

 M1000RRの消費税抜価格は343万9091円なため、ギリギリST1000に参戦できるようだが、競技規則の変更が発表されたのが年末だった。そのため、同じくM1000RRを導入して参戦の準備を進めていたTONE RT SYNCEDGE4413 BMWはJSB1000に参戦することになるかもしれない。また、渥美が抜けたシートには他のライダーが収まるようだ。

 さらに、2021年鈴鹿8耐の参戦権は持ち越される予定となっているため、Honda Suzuka Racing Team、Team Kodama、TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW、TransMapRacing with ACE CAFE、TERAMOTO@J-TRIP Racing、Team ATJ、信州活性プロジェクトTeam長野などもJSB1000の鈴鹿戦にスポット参戦またはフル参戦することが予想される。普段ST1000やST600マシンを走るライダーがリッターバイクを駆る姿が見られるかもしれない。

 過去に全日本ロードに参戦しており、世界に羽ばたくライダーは、EWCにフル参戦する渥美心(OG Motorsport by Sarazin)。SBKで2年目の野左根航汰(GRT Yamaha WorldSBK Team)、ブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)で2年目の水野涼、高橋巧(Honda Racing)はすでに継続参戦することが発表されている。