1月15日、オーストリアのザルツブルクで2022年WRC世界ラリー選手権のローンチイベントが行われ、シリーズの最高峰カテゴリーに参戦するスタードライバーたちと、次世代規定に則りプラグイン・ハイブリッドシステムが搭載された3メーカーの新型ラリー1マシンが紹介された。

 1月20〜23日にモナコで開催される開幕戦モンテカルロを直前に控えるなか、ザルツブルクのランドマークであるハンガー7で実施されたこのイベントには、WRCのトップカテゴリーに参戦しているトヨタ、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォードのドライバーたちと新型WRCマシンが集結。現地時間15時から、各チームの紹介とともに“WRC新時代”の始まりとなる2022年シーズンを戦うニューマシンが披露された。

 そのトップバッターを務めたMスポーツ・フォード・ワールドラリーチームは、本番仕様のカラーリングをまとった『フォード・プーマ・ラリー1』を世界初公開した。ベースモデルから一新された最新車両は、パープルとブルーを基調にしたレッドブルカラーとなり、ハイブリッド時代の幕開けを強調するスパークラインが取り入れられている。

 今年50周年を迎えるWRCのローンチイベントには、Mスポーツ・フォードWRTと複数年契約を結んだクレイグ・ブリーンをはじめ、フルシーズンを戦うガス・グリーンスミス、アドリアン・フルモーが出席した一方、ラリー・モンテカルロへの参戦がアナウンスされているセバスチャン・ローブは、14日(金)にフィニッシュを迎えたダカールラリーとの兼ね合いで欠席となった。

 このイベントの5日前に『ヒュンダイi20 Nラリー1』を発表したヒュンダイ・モータースポーツからは、“ダブルエース”のティエリー・ヌービルとオット・タナク、3台目のマシンをシェアしながら選手権を戦っていくオリバー・ソルベルグとダニ・ソルドが登場。新しいi20 Nベースのハイブリッドマシンの実車がお披露目された。

 トヨタ・ヤリス改め、“WRCで勝つために生まれたモデル”であるGRヤリスでのシリーズ参戦をスタートさせるTOYOTA GAZOO Racing WRTは、トヨタが参戦する各カテゴリーでの統一デザインとして、2021年から採用されているGRカラーのラッピングが施された『トヨタGRヤリス・ラリー1』をこの場で初公開した。

■「エキサイティングなシーズンとなることを楽しみにしている」とWRC参戦経験を持つFIA新会長

 1.6リットル直噴ターボエンジンと最高100kWを発揮する共通ハイブリッドユニットの組み合わせにより、最大出力が500PSを超えるモンスターマシンのお披露目には、シーズンを通してGRヤリス・ラリー1をドライブするエルフィン・エバンスと、2021年にWRC史上最年少優勝ドライバーとなったカッレ・ロバンペラ、さらにTOYOTA GAZOO Racing WRT・ネクスト・ジェネレーションからの参戦となる勝田貴元が参加している。

 競技車両のハイブリッド化を実現するとともに化石燃料を一切使わない100%持続可能燃料を使用することで、環境に優しい未来へのコミットメントを表明している2022年のWRCが開幕するのを前に、イベントに出席したモハメド・ビン・スライエムFIA新会長は、「FIAの新しい競技規則に対する熱意はここ数カ月の間に証明されており、今回のイベントはラリー・モンテカルロを数日後に控えたチームや自動車メーカーの勢いをさらに際立たせている」と語った。

「(車両規定の一新と)ハイブリッド技術の導入により、安全性の向上とともに新たなダイナミックなパフォーマンスが実現されるほか、ラリー1カーでは100%サステイナブルな燃料が使用される。また、シリーズの各ラウンドの運営においてもより持続可能性を高めるための取り組みが続けられている。2022年がエキサイティングなシーズンとなることを楽しみにしている!」