1月20日、ラリーカーの“ハイブリッド化”という新たなページをめくり、新時代に突入したWRC世界ラリー選手権の2022年シーズンがモナコの地で開幕した。今年も開幕戦の舞台となった伝統の『ラリー・モンテカルロ』では、競技初日にSS1とSS2が行われ、両ステージでベストタイムを記録したセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合トップに立っている。

 同日朝に行われたシェイクダウンで1番時計を記録した“モンテマイスター”は、日が暮れてから実施されたカジノ広場でのセレモニアルスタートを経て迎えた今ラリーのオープニグステージ、SS1でも抜群の速さを発揮した。

 先頭走者としてラリーを開始したディフェンディングチャンピオンは、大部分がドライ路面での戦いとなったこの最初のステージで後続を5.4秒引き離す快走を見せると、同じくナイトステージのSS2でもベストタイムをマーク。2021年限りでフル参戦ドライバーを引退したものの、大会最多8勝を誇る実力を見せつけるかたちで初日のラリーを終えている。

 彼と同様にモンテカルロを得意とし通算7勝を挙げているセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)も、シェイクダウンに続き好調な走りを披露した。元日から1月14日まで行われたダカールラリーに参戦し2位表彰台を獲得した後、1週間も開けずに今戦に出場している元選手権9連覇王者は、今朝のテストステージで2番手タイムを記録。ナイトステージとなったSS1、SS2でも、ともに2番手タイムをマークし現王者から6.7秒差の総合2番手につけた。

「最初のステージ(SS1)では良いスタートが切れたと思う。峠道の頂上付近は白い部分や凍結した部分があり、とてもトリッキーだったがね」と微笑みながら語ったローブ。

「氷に乗ってミスをしたくなかったので少し慎重になりすぎた。2本目のステージはタイヤに厳しかった。ステージ中盤に入る前にオーバーヒートしてしまい、マシンを正しい位置に保つのに苦労したよ」

 総合3番手につけたのは、2年連続で選手権2位となっているトヨタのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)だ。フル参戦組の最上位となった彼もまたトップ2台とともに走り始めからスピードがあり、これまでの3セッションでいずれも3番手タイムを記録している。SS2終了時点で総合3番手、トップに立つチームメイトとのギャップは11.2秒だ。

 首位から17.9秒遅れの総合4番手はMスポーツ・フォードの新星、アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)。彼はSS1では6番手だったが、SS2で4番手タイムを記録し、チームメイトのガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)とクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)を逆転した。

■ロバンペラとソルベルグがスピンを喫す

 フルモーから4秒後方の総合5番手にグリーンスミスがつけ、さらに6.6秒遅れてヒュンダイ勢の最上位となったティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1)が続いた。このベルギー人はタイヤ選択でギャンブルに打って出たが、これが裏目に。タイヤのオーバーヒートとブレーキの問題でペースを上げることができなかった。

 彼のチームメイトであるオット・タナク(ヒュンダイi20 Nラリー1)も油圧の低下でタイムを失い、僚友との間にブリーンを挟んだ総合8番手でモンテカルロの初日を終えている。シェイクダウンでメカニカルトラブルに見舞われた勝田貴元は総合9番手だ。

 今戦でワークスドライバーデビューを果たした、ヒュンダイのオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20 Nラリー1)は、チュリニ峠でのスピンもあり初日は10番手に。20歳の彼はインカムにトラブルを抱え、コドライバーが読み上げるペースノートが聞こえない事態に見舞われていた。

 2021年にWRC史上最年少優勝を含むシーズン2勝をマークしたロバンペラはSS1でのスピンによりタイムを失い、総合12番手でラリー初日を終えている。

 SS3〜SS8が行われるラリー・モンテカルロの競技2日目は、サービスパークの北西エリア、フランス山岳地帯で3本のステージを各2回走行するスケジュールとなっている。このデイ2は日中のサービスが設定されず、早朝にサービスを受けた選手たちは3本のステージが終了した後、ピュジェ-テニエのタイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換のみで残る3本の再走ステージを走行することになる。計6本のSSの合計距離は97.86kmで今大会最長。リエゾン(移動区間)を含む1日の総走行距離は472.69kmだ。