オーストラリア出身で21歳のオスカー・ピアストリは、この数年で素晴らしいキャリアを築いており、2019年、2020年、2021年にチャンピオンシップでタイトルを獲得している。ピアストリは2019年のフォーミュラ・ルノー・ユーロカップを制して2020年にはFIA F3選手権に昇格し、ルーキーイヤーにタイトルを獲得した。その後2021年にはFIA F2に昇格すると、まったく同じことを成し遂げた。シリーズ1年目にタイトルを獲ったのだ。

 ピアストリは2020年初めからルノー/アルピーヌスポールアカデミーのメンバーだが、彼の成績は今やF1シート獲得への準備が万端であることを示唆している。

 だがここにアルピーヌの問題がある。エンジンカスタマーを持たないアルピーヌは、自チームにシートがふたつあるだけで、それらのシートはエステバン・オコン(契約は2024年末まで)とフェルナンド・アロンソが占めているのだ。40歳で元世界チャンピオンのアロンソとアルピーヌとの現契約は今シーズン終了後に満了するため、チームは厳しい選択を迫られる。今も非常に速く、あと数年はF1残留を望んでおり、チームに多大な貢献をしている経験豊富なアロンソだろうか? それとも、明らかに将来性のあるルーキーのピアストリか?

「フェルナンドが続けたいと思っているのは素晴らしいことだ」とアルピーヌF1のチーム代表オットマー・サフナウアーは述べた。

「だが我々はオスカーも候補にいれている。オスカーは素晴らしい若手だ。しっかりと準備ができている。彼は非常にハングリーだ。頭角を現している若手のなかでも最も有能なドライバーのひとりで、我々は彼と熱心に仕事をしている。彼をF1マシンに乗せる可能性があれば、我々はチャンスを与えてきた。今年後半に彼は何度かFP1の走行を担当するし、多くのシミュレーター作業も行う予定だ」

 2023年にピアストリにシートを見つけるプレッシャーを感じているか聞かれたサフナウアーは次のように答えた。

「今は4月だ。私はプレッシャーは感じていない。プレッシャーとうわさの飛び交う時期は7月にやって来ると思う」

 一方アロンソは次のように述べた。

「オスカーはいい人だし、明らかに大きな才能がある。これまですべてのジュニアカテゴリーを制してきたことが、彼に才能があることを示している。シミュレーター作業を行うにあたっても、とてもプロフェッショナルだし熱心だ。チームのミーティングでもね。彼はまだとても若いが、すぐにシートを見つけられるといいね」

 同時にアロンソは、若いピアストリに挑戦しているかにも見えた。

「重要なのは年齢ではなくパフォーマンスだ。僕は今も競争力があるし、速いと思う」

 チームはまだ再建の段階にあるため、アルピーヌが経験豊富なアロンソを、ルーキーのピアストリと入れ替えることはまだ難しいだろう。だがピアストリは、2023年を見習い期間とし、他のチームに“アウトソーシング”される可能性があると噂されている。