2022年をもってABB FIAフォーミュラE世界選手権から撤退するメルセデスEQフォーミュラEチーム。5月14日からドイツ・ベルリンで開催されているフォーミュラE第7戦&第8戦において、現地時間14日の早朝にプレスリリースが公開され、マクラーレン・レーシングがメルセデスEQフォーミュラEチームを買収し、2023年シーズン9からの新レギュレーション“Gen3”へと参入することが発表され話題を呼んだ。

 発表された時間が午前8時40分で、当日のフリープラクティス2回目が開始する直前で慌ただしく出走準備をする時間帯となり、騒然とする間もほとんどなくそのままセッションが始まった。

 昨シーズンのチャンピオンでもあるメルセデスEQ所属ドライバーのニック・デ・フリースは、予選後に行われたドイツの民放局『Pro7』のインタビューでは「このチームがなくなってしまうのが残念だ」とコメントをしていたが、『来季はマクラーレンとなり運営母体が変わるこのチームで継続してドライブをする予定なのか?』という質問に対しては、明確に否定をした。

 昨年のチャンピオンだけにそのまま継続が濃厚かと予想されたが、チームを離れることに全く未練はなさそうだ。だが、フォーミュラEへ留まることに対しては確定だと答えており、どのチームへ移籍するのか気になるところだ。

 一方でデ・フリースのチームメイトであるストフェル・バンドーンは、同日の決勝レースのスターティンググリッドで、「僕のF1でのファーストコンタクトはマクラーレンだったが、僕がいま活動しているのはF1ではなくフォーミュラEであり、全く違うカテゴリだ。来季のキャリアがどのように向くのか、現時点では全く不明で、いまは今季のレースに集中したい」とコメント。

 ベルリンでのレースが終了した時点でポイントランキング首位を守り、メルセデスEQとしての活動を有終の美で華々しく終えるべくシリーズチャンピオンを目指しているバンドーン。来季のシートに関する匂わせ発言はなかったものの、元マクラーレンファミリーのドライバーとあり、来季のマクラーレン加入に期待できるのではないだろうか。

 同じくスターティンググリッドでPro7のインタビューに応じたメルセデスEQチームプリンシパルのイアン・ジェームスは、「メルセデスのフォーミュラE撤退が決まってからもチームが存続することを強く望んでいただけに、マクラーレンが買収し、このままチームを存続させてくれることはベストな結末だった」と語った。

 ジェームスは続けて「メルセデスには理解と決断に、マクラーレンはその解決策を見いだしてくれたことに非常に感謝している。(チームの)中身はこのままで表面だけマクラーレンに変わるのではなく、マクラーレン側からも人員が加わることになっており、今シーズンが終わってから新体制を整える予定だ」と笑顔でコメントをしており、まずはチームが存続できることに胸をほっと撫で下ろしている様子だった。

 昨シーズンのアウディとBMWに続き、メルセデスの名がフォーミュラEから消えることは寂しいが、ドイツチームとしてアプト・スポーツラインが復帰するとあり、唯一残ったドイツメーカーのポルシェとともにフォーミュラEを盛り立てて欲しいところだ。