WEC世界耐久選手権に参戦しているチーム・ペンスキーが、第3戦ル・マン24時間レース限りで今季のエントリーを終了し、残りのシーズンには出場しない方針であることを明らかにした。

 2023シーズン、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツとしてWECのハイパーカークラスおよびIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスにポルシェLMDh車両で参戦する予定のチーム・ペンスキーは、世界選手権での経験を積むために2022年のWEC・LMP2クラスへと参戦。フェリペ・ナッセ/デイン・キャメロン/エマニュエル・コラールを擁し、第1戦セブリング1000マイル、第2戦スパ・フランコルシャン6時間の2イベントをここまで戦ってきた。

 チームが5月20日にリリースした声明によれば、5号車オレカ07・ギブソンを用いたプログラムは6月の第3戦ル・マンで終了するという。これは第4戦モンツァ6時間、第5戦富士6時間、第6戦バーレーン8時間レースに、同チームが出場しないことを意味する。

 声明では、チームは「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツLMDhプログラムのテストと準備に、最大限の努力を注ぐ」ことに集中するめ、WECのシーズン後半を欠場することに決めた、としている。

 ポルシェおよびペンスキーは2023年、WECとIMSAの両選手権でそれぞれ2台のファクトリーLMDh車両を走らせるため、ドイツのマンハイムとアメリカ・ノースカロライナ州のムーアズビルにチームの拠点を設ける予定だ。

 ポルシェLMDh車両はここ数カ月、ヨーロッパのサーキットでテストを行ってきたが、この夏には2台目のテストカーがアメリカのサーキットで走行を開始する予定となっている。

 さらに声明では、「4台体制で2023年1月のデイトナ24時間レースに出場できるようにするため」、大西洋を股にかけた集中的なテストプログラムが必要である、としている。

 チーム・ペンスキーのプレジデントであるティム・シンドリックは、次のようにコメントしている。

「我々は今季、WECで過ごせた時間について感謝をしており、そこではトラック上での時間を最大限に活用することができた」

「組織としては、我々はWECにおける多くの経験を持っていなかったので、2022年のレースを走ることでトラックやルールを学び、レースウイークがどのように運営されるかを理解することができた」

「最初の2レースで多くのフィードバックと情報を収集することができたので、ル・マンではさらに多くのことを学べるものと期待している」

「幸いなことに我々のLMDhプログラムは急速に進展しており、2023シーズンの開幕に向けた準備を確実なものとするため、そちらに集中する必要がある」

 データ収集の一環としてホモロゲーション前のLMDh車両を2022年のグリッドに加えるという可能性をFIAがオープンにした際、ポルシェは今季のWECのレースにLMDh車両をテスト投入することに関心を示していた。

 その種の形でのレース出場についてポルシェは何ら発表を行っていないが、LMP2のエントリー取りやめにより、グリッドには1台分の空きが出ることになる。

 4月にスパで行われたLMDh車両開発テストの際、ポルシェのモータースポーツ責任者であるトーマス・ローデンバッハは、11月中旬に予定されるバーレーンでの最終戦への出場が、2022年のレース参戦のため唯一実行可能な選択肢である、と述べていた。

「このような機会が存在することは、喜ばしいことだ」とローデンバッハはSportscar365の取材に対し語った。

「しかし、それはこのプログラムにとって有益である必要がある。スケジュールを見ると、本当に興味深いのはバーレーンだけだ」

「たしかに、できることのなかで最善のことのひとつは実際のレース参戦だ。しかしそれは、レースに出るために充分成熟した状態にあると我々が判断した場合にのみ、意味がある」