5月29日、2022年のスーパーGTの第3戦『たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE』の決勝レースが、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは7号車Studie BMW M4(荒聖治/近藤翼)がポール・トゥ・ウインを飾った。2位に5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/平木玲次)、3位に56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が続いている。

 前戦富士の決勝でクラッシュを喫した22号車アールキューズ AMG GT3が欠場となり、GT300クラスは前戦から1台減の27台がエントリーした今大会。28日午後に行われた公式予選では10号車TANAX GAINER GT-Rの大草りきが、デビュー3戦目でGT300初ポールポジション獲得かと思われた。しかし、予選後の車検で最低地上高不足と判定されタイム抹消に。変わってポールシッターとなったのはGT300で唯一ミシュランタイヤを履き、今年から新車BMW M4 GT3を投入した7号車Studie BMW M4(荒聖治/近藤翼)だった。

 フロントロウ2番グリッドには96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)が、セカンドロウ3番手にポイントリーダーで、27台中最も重いサクセスウエイト(SW)66kgを積む56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が、4番手にGT300規定車両最上位となる30号車apr GR86 GT(永井宏明/織戸学)が並んだ。5番グリッドにはJLOCの87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月)が、6番グリッドには、昨年の鈴鹿大会でタイヤ無交換作戦を敢行し、一時はラップリーダーとなった5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/平木玲次)が続いた。

 そんななか、決勝を前にした20分間のウォームアップで20号車シェイドレーシング GR86 GTの平中克幸がデグナーカーブふたつ目の立ち上がりでクラッシュ。車両のフロントを中心にかなりのダメージを受けた。このアクシデントでウォームアップ走行は赤旗中断となったが、平中の無事がアナウンスされている。このアクシデントによりシェイドレーシング GR86 GTは決勝出走が叶わず、GT300は全26台の戦いとなった。

 強めの日差しが照りつける青空のもと、気温32度、路面温度47度と、コンディション夏日に。今大会も2周のフォーメーションラップが行われるなか、レースは2周のフォーメーションラップを経て14時47分にスタートを迎えた。1コーナーはポールポジションスタートの7号車Studie BMW M4荒がホールショットを守る。

 序盤から至る所で激しいポジション争いが展開されるなか、2周目にGT500の12号車カルソニック IMPUL ZがS字のコースサイドに車両を停めたことで、フルコースイエロー(FCY)が導入された。レースが再開された3周目、Studie BMW荒が早々に後続に1秒のギャップを築き引き離しにかかるが、その背後では3番手リアライズ藤波が、2番手K-tunes RC F GT3新田を0.2秒差まで追い立てる展開に。

 8周目には気温34度、路面温度48度へと上昇するなか、24番手を走行していた18号車UPGARAGE NSX GT3の太田格之進がブレーキトラブルにより減速できず、日立Astemoシケインでクラッシュ。ここでセーフティカー(SC)が導入される。また、このSC中に4番手走行の87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3の左リヤタイヤにスローパーンクチャーが起きる。表彰台獲得の可能性も見えていた87号車だったが、緊急ピットインを強いられることに。さらに、GT500の38号車ZENT CERUMO GR SupraがS字でマシンを止めるなど、GT500、GT300ともに荒れた展開に。

 SC導入中の13周目、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT、244号車HACHI-ICHI GR Supra GTを含む4台がピットイン。52号車、244号車はタイヤ4本交換を実施し、ドライバー交代を伴う2回目のピットの時間短縮を狙う作戦に。

 14周目にレース再開を迎えると、ここで3番手リアライズ藤波が、2番手K-tunes新田に仕掛ける。しかし、新田は巧みなラインどりでポジションを守り切る。そんな2台の戦いは長時間続いたが、19周目の逆バンクで藤波がオーバーテイクを決めて2番手にポジションを上げる。

 トップの7号車Studie BMW M4は20周目終わりにピットイン。リヤ2本交換でコース復帰を果たすと、先に16周目にタイヤ無交換で義務ピットを終えている5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号の前でコース復帰することに成功。タイヤが温まりきった5号車平木玲次は、7号車近藤翼を追い立てるが、ここは近藤が守り切る。一方5号車平木の背後には52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹が接近。吉田は21周目に平木をかわしポジションを上げる。
 
 25周目、最後まで義務ピットを遅らせ、見た目上トップを走行していた88号車weibo Primez ランボルギーニ GT3にGT500クラスの23号車MOTUL AUTECH Zが追突。この影響で26周目に2度目のFCYが導入された。FCY解除を経て各車が義務ピットを終えた27周目には、7号車BMWが首位に返り咲き、2番手52号車吉田、3番手5号車平木、4番手56号車オリベイラ、5番手88号車小暮、そして6番手に244号車三宅淳詞が続いた。

 レース後半を迎えた29周目、最後尾からポイント圏内を目指す10号車TANAX GAINER GT-R富田竜一郎が、山下亮生の乗る50号車Arnage MC86に接触。山下は再スタートを切ることができたが、緊急ピットインを強いられることに。このアクシデントで10号車に対しドライブスルーペナルティが課せられている。

 7号車Studie BMW M4は2分2秒台のペースを維持し、レースも残り3分の1となった33周目には、後続に6.8秒のギャップを築いて快走。そんななか、波乱は続く。9番手走行の11号車GAINER TANAX GT-Rの左リヤタイヤが外れ、石川京侍はコースサイドにマシンを停めた。これで、FCY導入されたが、そのFCY中にまさかのアクシデントが起きる。

 FCY導入中の36周目の110RでGT500の16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが、6番手までポジションを上げていた244号車HACHI-ICHI GR Supra GTの三宅に追突、244号車は左リヤにダメージを負いマシンを止めることに。これでSCに切り替えられることに。

 SC導入により残り10周弱のところで、7号車Studie BMW M4が築いた7秒近いギャップが消えるかたちに。さらに、タイヤ無交換で表彰台圏内の3番手まで浮上した5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号にとっても厳しい局面が現れることに。

 そして、まだ波乱は続いた。40周目にレース再開を迎える直前、2番手につけていた52号車吉田が日立Astemoシケインでオーバーラン。表彰台圏内から5番手まで順位を落としてしまうことに。かわりに5号車平木が2番手に浮上するが、7号車近藤に4.6秒のリードを開けられる。さらにタイヤ無交換だったこともあり、3番手リアライズのオリベイラに背後を取られる。2台のポジション争いはチェッカーまで続いたが、5号車平木はポジションを守り切ることに。

 49周目、他を寄せ付けない走りを見せつけた7号車Studie BMW M4が9.612秒のリードを気付いてトップチェッカーを受け。2014年から参戦するBMW Team Studieが初となる優勝を、ポール・トゥ・ウインというかたちで手にした。ミシュランにとっては2014年第5戦以来の優勝、BMWにとっては2018年第5戦(ARTA BMW M6 GT3)以来、4年ぶりの勝利となった。

 2位に5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号が入り、TEAM MACHはチーム最高位を更新。3位にSW66kgを搭載するランキングトップのリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが続いた。そして4番手に52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTが、5番手に追突されるアクシデントもあった88号車weibo Primez ランボルギーニ GT3が続いた。

 続く、2022年のスーパーGT第4戦は静岡県の富士スピードウェイで、8月6〜7日に開催される。レース距離450kmの長距離戦も、今大会同様に熾烈な戦いが繰り広げられるに違いない。