6月4日、WRC世界ラリー選手権第5戦イタリアは競技3日目に突入。土曜日のデイ3はSS10〜17が行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に立った。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は前日の総合7番手から同6番手へと順位をひとつ上げている。

 前戦ポルトガルから続くグラベル(未舗装路)ラリー連戦の第2ラウンドとなっている、ラリー・イタリア・サルディニア。そのデイ3は朝からドラマが起きた。

 前日のデイ2でタナクとトップ争いを演じ、SS7で総合首位に躍り出たエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、3日目オープニングのSS10でコースサイドの岩に激突しマシンを壊して戦列を去ることになったのだ。

 これにより、総合2番手につけていたタナクは労せず首位の座を手に入れるだけでなく、後続に対して20秒あまりの大きなリードを築いていたため、以降のラリーを優位に進めることができた。

 今シーズン苦戦が続くエストニア人は「プッシュしていない」と主張したが、それでもアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)のクラッシュによって赤旗が提示されたSS17を除く、7本のSSのうち6つでステージ優勝を果たしていることから分かるように持ち前のスピードを発揮した。

「いい1日だった」とデイ3を振り返ったタナク。「クルマの中ではかなり良いフィーリングがあった。午後には路面の状態もよくなって、とても楽しめたよ」

「エサペッカ(・ラッピ)とまだ戦っていた今朝のオープニングではプッシュしたが、その後は一歩一歩確実にラリーを進めるためにペースを落としていた。それでもタイムは出ていたようだね」

「以前にもこのようなポジションにいたことがあるし、どういうものかは分かっている。ゴールラインを超えるまでは終わらないから、今はまだ考えないほうがいいと言っておこう」

 タナクに続く総合2番手となったのは、前日4番手だったクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)だ。彼は、パンクによりタイムを失った僚友ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)をSS10で逆転して総合2番手につけると、SS12でベストタイムを出すなど安定したペースを披露。トップから46秒遅れながら2番手のポジションを守っている。

■勝田に迫っていたヌービルがクラッシュ、横転もクルーは無事

 彼の後ろ、総合3番手はダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)で、両者のギャップは20.8秒だ。ルーベはそこからさらに25秒後方のポジションとなり自身初の表彰台が遠のいてしまった。

 一方、デイ2を総合8番手で終えた選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS17でフルモーが消えたこともあり、この日3つ順位を上げてトップ5入りを果たしている。

 勝田も前日から順位をひとつ上げたものの、ウォータースプラッシュ区間でフロントにダメージを受けペースダウンを余儀なくされた。このためトップから4分弱、ロバンペラからも約1分30秒遅れている状況だ。総合7番手にはガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)が続き、同8番手はWRC2クラスリーダーのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)がつけている。

 デイ2でトランスミッションのトラブルに見舞われたティエリー・ヌービル(フォード・プーマ・ラリー1)は前日からの挽回を目論んでいた。しかし、彼のマシンはSS12でロールするクラッシュに遭い同ステージでデイリタイアとなった。

 また、前日のデイリタイアから再スタートを切っていたトヨタのエルフィン・エバンスも、SS16でトヨタGRヤリス・ラリー1のリヤサスペンションにダメージを受け、ふたたびデイリタイアを喫している。

 デイリタイア組の再出走が見込まれる5日(日)のデイ4はSS18〜21が行われ、選手たちはアルゲーロのサービスパークを起点に島の北部で2本のグラベルステージを各2回走行する。このうち最終SS21は、ステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが付与される“パワーステージ”となっている。4本のSS合計距離は39.30km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は192.31kmだ。