2022年WEC世界耐久選手権第3戦として開催されている第90回ル・マン24時間レースの決勝が、6月11日土曜日の現地16時にスタートした。レース開始から1時間が経過した現在は、TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が総合首位に立っている。

 2019年以来、3年ぶりに観客の人数制限がなくなり大観衆を受け入れたル・マンの決勝日は、気持ちの良い青空が広がるなか気温25度/路面温度55度、ドライコンディションで24時間レースのスタートを迎えた。

 全長13.626kmのサルト・サーキットをセーフティカーの先導で1周回ってきた隊列は、9日のハイパーポールを制しポールシッターとなった8号車トヨタGR010ハイブリッドを先頭に1コーナー、その先のダンロップシケインに向けて飛び込んでいく。

 そのスタートでは3番手グリッドを得ていた36号車アルピーヌA480・ギブソン(アルピーヌ・エルフ・チーム)が出遅れ、1コーナーまでにグリッケンハウス・レーシングの708号車と709号車グリッケンハウス007 LMHに交わされる。

 ニコラ・ラピエールがスタートドライバーを務める36号車はLMP2クラス首位に立った9号車オレカ07(プレマ・オーレン・チーム)にも先行を許し、一時は総合6番手まで順位が下がったが、2周目にP2マシンを交わし総合5番手に復帰する。
 
 一方、総合首位争いはセバスチャン・ブエミが乗り込んだ8号車トヨタが、コンウェイ駆る僚友7号車トヨタを抑えトップを維持。トヨタの2台の後ろにオリビエ・プラの708号車グリッケンハウスと、フランク・マイルーがステアリングを握る姉妹車709号車グリッケンハウスが続いていく。

 ハイパーカークラスの後方、LMP2クラスの集団では1コーナーでアクシデントが発生。2番手スタートの22号車オレカ07・ギブソン(ユナイテッド・オートスポーツUSA)が、ポールスタートの31号車オレカ07(WRT)とクラス3番手からスタートした41号車オレカ07(リアルチーム・バイ・WRT)に左右両サイドから挟まれてスピンしコースアウト。1個コーナーアウト側のグラベルにスタックしてしまう。

 同クラスでは41号車オレカ07が遅れ、このアクシデントの影響か47号車オレカ07(アルガルベ・プロ・レーシング)、さらに35号車オレカ07(アルティメット)も1周目から大きくおくれをとっている。

■コンウェイ駆るトヨタ7号車がチームメイトを逆転

 スタート時の混乱後はロバート・クビサ駆る9号車オレカ07がクラス首位に立ち“激戦区”の隊列を引っ張っていくが、スタートから30分後の“ピットワーク競争”を経て迎えた2スティント目には38号車オレカ07(JOTA)がクラストップに浮上する。9号車は2番手に順位を落とし、5号車オレカ07(チーム・ペンスキー)が3番手となった。

 なお、クラスポールからスタートした31号車オレカ07は最序盤のアクシデントの責任を問われ1分間のストップ・ペナルティを受けている。

 スタートから40分後、総合2番手を走る7号車トヨタと709号車グリッケンハウス、36号車アルピーヌが11周目の終わりに1回目のピットに入る。この翌周にトップを走る8号車トヨタ、708号車グリッケンハウスがピットイン。ブエミがコースに復帰すると、先にピットインした7号車トヨタが先頭に躍り出た。スタートから1時間を経過する直前の両者のタイム差は3.4秒だ。

 グリッケンハウス勢はトップのトヨタから21〜25秒遅れ、決勝前のBoP変更によって出力を抑えられたアルピーヌは約30秒後方を走っている。

 この第90回大会が最後のル・マンとなるLMGTEクラスは序盤は落ち着いたレース運びとなっており、コルベット・レーシングの64号車と63号車シボレー・コルベットC8.Rがスタートから1時間経過後もグリッド順位と同じワン・ツーを維持し、92号車ポルシェ911 RSR-19(ポルシェGTチーム)が4番手スタートからひとつ順位を上げ、クラス3番手につけている。

 日本人ドライバーが参戦するLMGTEクラスは、1周目にトップに立った77号車ポルシェ911 RSR-19(デンプシー・プロトン・レーシング)が5周目に46号車ポルシェ911 RSR-19(チーム・プロジェクト1)に先行を許すと、翌周には86号車ポルシェ911 RSR-19(GRレーシング)と79号車ポルシェ911 RSR-19(ウェザーテック・レーシング)にも交わされ4番手に後退。

 また、ポールスタートの61号車フェラーリ488 GTEエボ(AFコルセ)と2番手グリッドを得ていた57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)はポルシェ勢のペースについていけず順位を落とした。

 1度目のルーティンピット作業後はアレッシオ・ピカリエッロがドライブする99号車ポルシェ911 RSR-19(ハードポイント・モータースポーツ)が46号車ポルシェの前に出てクラス首位を走行中。同3番手には79号車ポルシェがつけている。
 
 日本勢は木村武史組57号車フェラーリがクラス8番手、藤井誠暢がスタートドライバーを務め、序盤からバトルを繰り広げている777号車アストンマーティン・バンテージAMR(Dステーション・レーシング)はクラス14番手を走行中だ。