2022年の第90回ル・マン24時間レースは、現地時間6月12日午前4時に、スタートから12時間が経過し、折り返しを迎えた。首位に立っているのはハイパーカークラスのトヨタGAZOO Racing8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)で、僚友の7号車が約20秒の差で続いている。

 スタートから6時間経過時点では、トヨタ7号車の小林可夢偉がリード。8秒程度の差で8号車平川が続き、グリッケンハウスの2台も同一周回、同一ピット回数で続くという接戦模様となっていた。

 その他のクラスでは、6時間経過時点ではLMP2クラスはJOTAの38号車オレカ、LMGTEプロはコルベット・レーシングの64号車、アマクラスはウェザーテック・レーシングの79号車ポルシェがリードする展開となっていた。

 レースはこの6時間経過(現地時間22時)時点で日没を迎え、夜の戦いへと突入していく。

■スローゾーンの影響を受けたトヨタ7号車
 7号車可夢偉はフォードシケイン、デイトナシケインをショートカットする形で走行する場面も見られたが、7号車は6時時間34分過ぎ、107周目にマイク・コンウェイへと交代。しかしここでタイヤ交換にやや時間がかかり、次の周ピットインしブエミへと交代した8号車が首位に立つ形となった。トヨタ2台は1スティント12周で周回を重ねている。

 7時間過ぎ、インディアナポリス進入でプロトン・コンペティション93号車ポルシェをドライブするハリウッド俳優のマイケル・ファスベンダーがAFコルセ61号車フェラーリとヒット、バリアへとクラッシュしてしまう。これでスローゾーンが導入された。2台はともにピットへとマシンを戻し、ガレージで修復を行ったが、その後61号車には1分間のストップペナルティが科せられた。

 さらにこの直後、708号車のオリビエ・プラがテルトル・ルージュでスピン。右リヤタイヤのパンクチャーさせ、スロー走行でピットへ戻り、ガレージでリヤセクションの修復を行った。これにより僚友の709号車がトヨタ2台に続く3番手に浮上した。

 このあと、トヨタ2台のギャップが詰まっていき、日付が変わる直前の7時間40分時経過時点では1秒を切って、テール・トゥ・ノーズの状態に。127周目、両車はデイトナ・シケイン進入でポジションを入れ替え、7号車のコンウェイがトップに立った。

 しかし、日付が変わったこの次のピット作業では、後からピットアウトした8号車が再び7号車の鼻先でコースインする形になり、首位が逆転。トヨタの2台にとっては、徐々にピット作業時間がシビアな状況となっていく。

 8時間20分過ぎ、93号車のファスベンダーがダンロップシケインでスピンからグラベルにスタック。ほぼ同時にリアルチーム・バイ・WRT41号車オレカ07のノルマン・ナトがポルシェコーナー入口でグラベルにストップしてコース上の2カ所でスローゾーン導入となり、LMP2クラス以下では多くの陣営がこのタイミングでピットへと飛び込んだ。

 ワン・ツーを形成するトヨタは9時間経過を前に7号車がホセ・マリア・ロペスへ、8号車がハートレーへと交代して8号車が首位のままコースへと戻るが、この際1周先にピットアウトしていた7号車が、ミュルサンヌからインディアナポリスまでで導入されていたスローゾーンの影響を受け、ピットイン前に5秒程度だった8号車との差が30秒弱まで拡大する。以降、2台のギャップは25秒前後でこう着状態となる。

 その後の2時間は比較的平穏にレースが進行し、ちょうど11時間が経過するタイミング、180周目で7号車がピットイン。3スティントを走行したロペスから可夢偉へと交代し、タイヤを替えてコースへと出ていく。次の周には8号車もピットインし、同様に平川が自身2回目のドライブへと向かった。

 この平川と可夢偉の担当スティントでは、両車のタイヤマイレージが増えるとともに徐々に7号車がギャップを詰めていき、11時間43分経過時点で21秒程度まで差を詰めた可夢偉が、燃料補給のみのピットへ。翌周に平川もピットを済ませタイヤが2スティント目に突入すると、12時間経過時点で8号車平川のリードは約20秒となっている。

 総合3番手はグリッケンハウスの709号車で、トヨタ2台からは2周おくれとなっている。

■コルベット2台にアクシデント。Dステーションがリタイア
 LMP2クラスでは、6時間経過時点でトップに立っていたJOTAの38号車オレカが首位をキープ。その後ろにやや離れてプレマ・オーレン・チームの9号車オレカ、WRTの31号車オレカ、パニス・レーシングの65号車らが2番手を争う展開となった。

 10時間過ぎには、WRT31号車のショーン・ゲラエルとプレマ9号車のルイ・デレトラズが2番手争いの接近戦を演じる場面も見られた。

 LMGTEプロクラスで6時間経過時点で首位に立っていたコルベット64号車だったが、その直後、一時ガレージへと入れられてしまう。これにより、プロクラスは63号車コルベットと、ポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSR-19が首位を争う展開となった。

 しかしコルベットにはさらに悲劇が続き、ちょうど7時間が経過したところで、首位63号車に左リヤタイヤのパンクチャーが発生。コース半周をスロー走行で戻る形となり、ケビン・エストーレの駆るポルシェ92号車に首位を譲る形となった。63号車はシャシー側にも損傷がある模様で、ガレージに入れられた。

 その後ポルシェがワン・ツーで走行を続けていたが、9時間半が過ぎた頃、92号車はミカエル・クリステンセンが単独スピンを喫する場面も。しかしすぐにコースへ復帰し、12時間経過時点でもクラストップを譲ることなく走行を続けている。

 LMGTEアマクラスも、6時間時点で首位だったウェザーテック・レーシングの79号車ポルシェが長らく首位をキープしていたが、12時間経過時点ではピットインタイミングの影響もありTFスポーツ33号車アストンマーティン・バンテージAMRがトップに立っている。

 なお、星野敏、藤井誠暢がドライブするDステーション・レーシングの777号車アストンマーティンはシャシーにダメージを受けたことが判明。現場での修復が叶わないとし、リタイアを選択している。

 いよいよ決勝後半に突入したル・マンは、このあと朝を迎える。