NTTインディカー・シリーズは、5月のインディGPより毎週のようにレースが続いてきたが、この第8戦ロードアメリカが終われば、ようやく2週間のインターバルがあり、しばしの休戦となる。

 前半戦の折り返しとなるこのロードアメリカで、佐藤琢磨はどんなレースを見せる事ができるだろうか。

 今年デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシングに移籍してからの最上位はインディGPの7位だったが、予選ではテキサスで3番手、先週のデトロイトで2番手とようやく良い流れが見えてきたようにも思えた。このロードアメリカで、結果につなげて後半戦へ勢いをつけたいところだ。

 このロードアメリカのプラクティスでインディカーは新しい試みをした。金曜日のFP1を30分長い75分とし、ブラックタイヤを1セット余分に供与して、さらにレッドタイヤ1セットをこのFP1で使用するように定めた。

 これで常に時間が短く周回が少ないとされているFP1を、エントラントにより有効に使わせて走行を促す目的もあろう。

 佐藤琢磨はこの案には概ね賛成だったが、やはりマシンの走り始め、イニシャルの設定が良い状態にないとそのメリットも少ないと感じたようだ。

「プラクティスでブラックが1セット増えるのは試せる事が多くなるのでありがたいですけどね。セッションの最初は路面ができてないから、ルーキー以外はコースに出ないし、マシンのセッティングが手探りの時に急にレッドタイヤを履いても、あまり意味がない。良い事ばかりではないですが、今までよりは良いと思います」

 だがそのプラクティスを琢磨は効率良く使えなかったのか、19番手に甘んじた。全体的にグリップ感不足とスピードが足らないと訴えている。

 土曜日のFP2では22番手に。予選でのグループ分けでグループ1に振りわけられた。琢磨はブラックタイヤでのランでは3番手のタイムをマークしていたものの、レッドタイヤでタイムをさらに短縮することはできず、グループ10番手総合19番手のグリットとなった。

 ポールポジションはなんと3年ぶりにアンドレッティ・オートスポートのアレクサンダー・ロッシが獲得し、アンドレッティ勢、チップ・ガナッシ、ペンスキーらが予選上位グリッドを確保していた。

 決勝レースはブラックタイヤを履くドライバーが27台中16台と半分を越える。これはデトロイトでのウィル・パワーやスコット・ディクソン、ロッシらがレース序盤からブラックタイヤでレースを凌駕していった記憶が新しいこともあるだろう。

 1周が長いロードアメリカではストラテジーの変更も容易いことではないが、ブラックタイヤが主導を握ると想定すれば、後方グリッドの琢磨はブラックで行くのがセオリーだろう。

 デトロイトではまったくイエローコーションなしという異例のレースだったが、このロードアメリカはオープニングラップからイエローが出まくった。

 オープニングラップでチップ・ガナッシのジミー・ジョンソンがコースオフし、グリーンになった直後にはマーカス・エリクソンとアレックス・パロウとチームメイト同士で接触という波乱に。琢磨はそのイエローが出るたびにリスタートでポジションを上げ、10周目には12番手まで浮上していた。


 いつものように燃料をセーブしつつ、ピットインに入ったのは17周目とほぼ最後の方だったため、一時トップに立った。

 だが最初のピットストップもやや遅れ、コースに復活した時は21番手に。30周目の2度目のピット直前には6番手にまで戻っている。序盤にイエローコーションが多かったため、ピットシークエンスが違うドライバー達とのバトルになったが、大きくポジションを落とすこともなければ、大きくポジションを上げることもない、淡々としたレースが続いた。


 42周目の最後のピット後は17番手。その後45周目に自己のファステストラップを記録している。ラスト10周を切ったところでまたもやイエローコーションとなり、琢磨はチームメイトのデイビット・マルーカスと順位を争うことになった。

 琢磨はプッシュトゥパスがなくなりながらもベテランらしく、マーカスを封じて15位のチェッカーを受ける。


「序盤のイエローのおかげでうまくポジションを上げられたんですが、その後ピットから出てくるとまたやり直しになるような感じでした。スタートでレッドタイヤを選んでいたマシンとピットのシークエンスが変わって、あちこちでバトルはあったんですが、今日はクルマのスピードも足りなかったし、大きく前に出るまでには行きませんでした」と語る。

「来週にはミド・オハイオのテストもありますし、その後にはアイオワのテストも予定してます。そこでしっかりデータを見直して後半戦に臨みたいと思います」

 3週間のインターバルで、また新しい流れになることを期待しよう。