過去3度インディ500に挑戦したフェルナンド・アロンソは、エアロスクリーン導入によるマシンの変化や、レースの危険性に対する懸念からインディ500に対する興味が薄れ、今後の再挑戦についてほぼ白紙状態であることを明かした。

 アロンソは、これまでF1モナコGP、ル・マン24時間、インディ500を制覇するトリプルクラウンの達成を目標に掲げてきた。彼はモナコとル・マンでは優勝経験があり、残るインディ500で勝利すれば、グラハム・ヒルに続き史上ふたり目の快挙を成し遂げることになる。

 しかし、アロンソはこのインディ500について「今は目標としては薄れてきていると言わざるをえない」とイギリスの放送局『BBC』に語り、かつてのようなトリプルクラウンへの情熱が失われていることを明かした。

 この心変わりの理由として、アロンソは第一にマシンの変化を挙げた。これまで2017年と2019年、2020年にインディ500に参戦したアロンソだが、その間インディカーシリーズではエアロスクリーンの導入という転機があった。

 エアロスクリーンは透明のパネルでコックピット上部を囲むパーツで、F1などでみられるヘイローのようにドライバーの頭部を保護する役目を担う。アロンソは、このエアロスクリーン導入により、インディ500から初参戦時のような楽しさが失われたと語る。

「(エアロスクリーンによって)マシンは運転しづらくなっているし、他車の後ろにつくのも難しくなった。だからあまり楽しくなくなったんだ」

「2017年はオーバーテイクが多く、あのレースは大好きだった。オーバーテイクができないここ数年は少し愛着が薄れたね」

 さらにアロンソによれば、インディ500の持つ危険性も彼の再挑戦を踏みとどまらせる理由となっているという。

 2021年、それぞれF1とNASCARからインディカーへ戦いの場を移したロマン・グロージャンとジミー・ジョンソンは当初、揃ってロードとストリートコースのみの参戦を表明していた。ふたりの選択には家族の意向もあったようだが、一歩間違えばウォールへのヒットを免れないオーバルコースにはリスクがつきまとう。

 平均時速350kmを超えるインディ500の危険性はF1の比ではなく、アロンソ自身は「インディ500では毎年何度か大きなクラッシュがある」と懸念を示している。

 こうした理由から、現在ではインディ500への興味は薄れている様子のアロンソ。2017年にはモナコGPを欠場してこのレースに挑戦した彼だが、F1参戦中はもちろん、引退後に関しても参戦計画は白紙に近い状態のようだ。

「今はF1に完全に集中しているし、F1をやめてからまた挑戦したくなるかどうかはわからない」

「完全にノーというわけではないが、計画としては(以前ほどは)大きくないね」