ロジャー・ペンスキーは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが2023年のル・マン24時間レースに4台のLMDhマシンを持ち込む可能性は低いと考えており、その理由にプログラムの初年度に、チームが“オーバーロード(負荷のかけすぎ)”にならないようにする必要があることを挙げた。

 既報のとおり、ポルシェとチーム・ペンスキーはWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの両方でLMDhに取り組み、トップレベルのプロトタイプレースへの復帰を果たす予定だ。

 今年5月、ポルシェのモータースポーツ担当責任者であるトーマス・ローデンバッハはSportscar365に対し、IMSAの2台が大西洋を渡ってWECの2台に合流し、ル・マン24時間のハイパーカークラスに4台体制で参戦することをメーカーが望んでいるを示唆した。

 しかし、ペンスキーは来年のル・マンに4台すべてのファクトリーカーが参加するとの見方を否定し、チームの動きが過剰に早くなりすぎないよう注意する必要があると述べた。

 2023年のル・マンで4台体制になる可能性について、ペンスキーは「それが事実だとは決して言えない」と語った。

「すべては、私たちがどこにいるかで決まり、とくにコンポーネントを手に入れようとするなかで自分たちに過度の負担をかけることは一番避けなければならないことだ」

「来年のル・マンはすぐそこにある。今日ここに座っている時点では、まだ走れるクルマはないが、3カ月後にはほとんどレースをしているような状態になる」

 ペンスキーは2024年に向けて、投入するクルマの台数を増やす検討される可能性を示したが、台数を増やす以前にプログラムをより良い状態にすることが優先されることを強調した。

「2024年にはそれを検討するかもしれないし、3台目を走らせるかもしれない。しかし、我々はそれらにコミットしていない。(まずは)2台のマシンを走らせる必要があり、誰がドライブするかを決めなければならない」」

「ランボルギーニが(ハイパーカークラス)に入ってくれば、もっとたくさんの人が来るようになるだろう。

「だから、必要以上のものを抱える以前に、まずは自分たちをしっかり磨いておきたいんだ」

■2023年のデイトナデビューも2台が濃厚

 これと同様に、ポルシェの内部では来年1月のロレックス24(デイトナ24時間レース)に登場するポルシェLMDhカーがIMSA GTPクラスにフル参戦する2台のファクトリーカーのみになると目されている。

 チーム・ペンスキーのWEC LMP2活動中止に関するリリースには、「4台体制で2023年1月のデイトナ24時間に参戦できるようにする」との記載があった。しかし、ローデンバッハはこれが事実とは異なることを示唆した。

 同氏はSportscar365に対し、「我々は明らかにIMSAで2台、WECで2台のクルマを走らせる計画を持っている」と述べた。

「もしデイトナに来るなら、計画では――すべてがうまくいけば――我々は2台のクルマで参加することになる。それ以上とは言わない」

「我々はペンスキーとのプログラムを持っているが、同時にカスタマープログラムを行う可能性もある。しかし、それは彼ら次第だ。たしかに初年度からLMDhカー販売する用意がある。だが、これは過小評価してはいけない厳しい目標だ」

「初年度からカスタマーカーを用意するのはかなり大変なことなんだ。ポルシェの歴史を見れば、それはつねに我々のDNAの一部だった。だから、私たちは喜んで(クルマを顧客に)提供する」

「私は彼らの言葉を代弁することはできない。我々とペンスキーのパートナーチームの目標は、2台のマシンをグリッドに並べることだ」

 ポルシェの広報担当者は、プレスリリースの記述がIMSAのファクトリーカー2台とカスタマーチームの2台で、合計4台のポルシェがグリッドに並ぶと解釈できる、と指摘した。

 同様に、ローデンバッハはデイトナ24時間のためにポルシェがヨーロッパのマシンをアメリカに移動させる動機はないと述べている。

「問題は、なぜそれをする必要があるかということだ」と同氏。

「すでにアメリカに2台のクルマがあるのに、なぜ(WECの)クルマを使わなければならないのか。それはコストの問題でもある」

「これはWECとデイトナでレースをしたい人にとってはチャンスだ。ペンスキーがそれを許すかどうかはわからないが、我々は(ファクトリカー)2台と(カスタマーカー)2台でレースを行う計画を立てている」