6月24日に正式発表されたポルシェの新型LMDh車両『963』。2023シーズンは既報のとおり、ファクトリーチームの“ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ”がWEC世界耐久選手権に2台、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に2台をエントリーさせるが、この4台の他に963を走らせるカスタマーチームが、相次いで発表されている。

 2023年の投入を目指し、2022年1月のシェイクダウン以来、開発作業が進められていたポルシェのLMDhマシンは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード開催に合わせた6月24日の発表で、車名が『ポルシェ963』となることが明かされた。同時に搭載されるエンジンの詳細や、ファクトリーチームのドライバー陣容などが明らかにされたが、この発表を受け、ポルシェ963をカスタマーとして走らせるチームが、相次いで明らかとなった。

 ポルシェは以前、2023年のIMSAとWECの双方で、ファクトリーエントリーに加えてそれぞれのシリーズで最大2台ずつ、カスタマーカーをサポートすると表明している。

 まず、IMSAでは現在キャデラックDPi-V.Rで参戦しているJDCミラー・モータースポーツが、ポルシェ963の最初のカスタマーチームとなることが決定した。

 ミネソタ州に本拠を置くこのチームはジョン・チャーチとジョン・ミラーが共同オーナーを務め、キャデラックのDPiマシンで長年IMSAに参戦してきたが、LMDh時代においてはドイツメーカーの車両へとスイッチすることになる。

 2023年のIMSA GTPクラスへの参戦は1台体制となる。そのドライバーラインアップはまだ明らかにされていない。ポルシェ・モータースポーツ・ノースアメリカ(PMNA)はJDCミラーに対して「フルカスタマーサポートを提供」する予定だ。

 JDCミラーでは現在、マスタング・サンプリングがスポンサーを務めるキャデラックDPi-V.Rをトリスタン・ボーティエ/リチャード・ウェストブルックがドライブしており、第3ドライバーにはロイック・デュバルが起用されていて、今週末のワトキンス・グレン6時間レースを前にミシュラン・エンデュランス・カップのランキングで首位に立っている。

 ポルシェによれば、IMSAウェザーテック選手権に参戦するふたつ目のプライベーターは、ヨーロッパを拠点にオペレーションしているチームになるとみられ、「今後数週間のうちに」発表される予定だという。

■WECにエントリーするJOTAは2台体制か?
 一方、WEC世界耐久選手権ハイパーカークラスでは、LMP2に参戦しているJOTAがポルシェ963のカスタマーとなることが明らかにされた。

 レンタカー会社のハーツ(Hertz)は6月25日、ポルシェ963を使用するこのプライベーターエントリーのタイトルスポンサーとなること、そしてル・マン24時間レースでクラス優勝を経験しているJOTAがレースオペレーションを行うことを明らかにした。

 その台数は明らかにされていないものの、Sportscar365は2台体制でフルシーズンを戦うものと理解している。

 ドライバーの名前も明らかにはなっていないが、ル・マンでJOTAのLMP2クラス優勝に貢献したアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが、そのドライバーリストには名を連ねているものと考えられる。

 JOTAの共同オーナーであるデビッド・クラークは、次のように述べている。

「我々は近年、ル・マンをはじめとする世界的なレベルで成功を収めてきた。この新しいチームによって、2023年にスポーツカーレースが真の黄金期を迎えるとき、我々はこの勢いを維持するための非常に強力なポジションを得ることができるだろう」

 ハーツの発表によれば、マシンのカラーリングを含む「ハーツがスポンサーとなる新レーシングチーム」の詳細は、後日明らかにされる予定だ。