FIAは7月12日、昨年まで3年にわたってF1レースディレクターを務めたマイケル・マシがFIAを退職したことを発表した。2021年最終戦アブダビGPでマシがレギュレーションに反する采配をしたことが、ドライバーズ選手権の結果に大きく影響、FIAは調査の結果、誤りが起きたことを認め、今年、マシをF1レースディレクターのポジションから外していた。

 アブダビGP決勝で、マシはセーフティカーの運用をレギュレーション上の規定とは異なるやり方で行った。周回後れのマシンをすべて同一周回に戻すのではなく、首位に立っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)と2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の間を走っていたマシンだけを前に出し、規則で定められているより1周早くセーフティカーを戻してレースを再開、ファイナルラップ1周のみのレースを実行した。それが、自身8度目のタイトル獲得に向けてレースをリードしていたハミルトンには著しく不利に働き、結局2021年ドライバーズタイトルはフェルスタッペンのものになった。


 マシの行動にメルセデスだけでなくメディアやファンから大きな批判が集まったことから、FIAは調査に動いた。ドライバーズ選手権の結果は有効とする一方で、FIAはそこに「ヒューマンエラー」が影響したことを認めた。その後、FIAはマシを外すとともに、新たなレース管理体制を導入することを決め、F1レースディレクターの役割をニールス・ヴィティヒとエドゥアルド・フレイタスが交互に務めるとともに、リモートで彼らを支える体制を整えることとした。また、マシにはチーム側から大きなプレッシャーがかかっていたとして、FIAはチームからレースディレクターへの直接の通信を制限することも決めた。

 その後もマシはFIAに残っていたが、12日、FIAは彼が退職して母国オーストラリアに戻ることを決めたと発表した。

 FIAの声明は以下のとおり。

「FIAは、マイケル・マシがFIAを離れ、家族のそばで新たな挑戦をするためにオーストラリアに移る決心をしたことを発表する。彼は、2019年にチャーリー・ホワイティングが急逝した後、3年間にわたり、FIA F1レースディレクターおよびセーフティデレゲートとして監督を行い、プロフェッショナルかつ献身的に、自身に課された多数の役割を遂行した。FIAは彼の献身に感謝し、今後の活躍を祈る」