F1第12戦フランスGPの予選で、角田裕毅(アルファタウリ)は第8戦アゼルバイジャンGP以来、4戦ぶりにQ3に進出した。予選を終えて、ミックスゾーンにやってきた角田は、安堵した表情でこう答えた。

「率直にうれしいです。チームがアップデートしてきたことに対して、結果で応えることができてよかった。明日のレースでもきちんとまとめてしっかりとポイントを持ち帰りたいと思います」

 しかし、Q3までの道程は決して平坦ではなかった。まずQ1の1セット目のタイヤで1分33秒394をマークする。全車1セット目のタイヤでのタイムアタックを終えた段階で、角田のポジションは11番手。しかし、中団は7番手のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)から19番手のセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)まで1秒以内差の大混戦。Q2進出を賭けた戦いは、2セット目のタイヤ勝負となった。

 ところが、肝心の2セット目のタイヤで、角田は自己ベストを更新することができずにピットイン。その後、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に抜かれて12番手となった角田は、ベッテルにもかわされて13番手に後退する。この時点でタイムアタックを終了していたチームメイトのピエール・ガスリーが16番手となってQ1脱落が決定。角田も「2セット目のタイヤでのアタックで自己ベストを更新できなくて、正直『ちょっと危ないかな』」と不安を抱えながら、まだアタックしているドライバーたちの結果を待っていた。

 しかし、14番手以下のドライバーで角田のタイムを上回る者は出てこなかったため、角田は「なんとかQ2へ進出することができてホッとしました」と13番手でQ1を通過した。

 Q1で新品のソフトタイヤを2セット使用した角田は、Q2の1セット目のタイヤはユーズドのソフトを選択。これでコースコンディションを確認した角田は、2セット目に新品のソフトタイヤを選択した。この段階で15番手だった角田には、もう失うものはなかった。

「すべてが完璧というわけではないですけど、うまくまとめきれました」というQ2のラストアタックで、角田はQ1の自己ベストをコンマ5秒上回るスーパーラップを披露して10番手に食い込み、Q3進出を決めた。

 今シーズン3度目のQ3で、角田は自己ベストをさらにコンマ1秒刻んで8番手を獲得。予選8番手は第8戦アゼルバイジャンGPに並ぶ、今シーズン予選自己最高位タイの成績だ。

 この日もポール・リカールは最高気温が30度以上の猛暑となったが、ミックスゾーンで取材に答える角田には暑さによる疲労感は感じられなかった。