報道によるとハースF1チームは、ミック・シューマッハーとの契約更新を行うか否かについて、3年目のシーズンとなる2023年に向けた意志決定を遅らせているという。

 ドイツの放送局『RTL』によると、シューマッハーはサマーブレイク前に交渉を実質的に終わらせることを望んでいた。しかしチームの経営陣は話し合いを中断することを決定したとのことで、「シューマッハーは、ハースF1チームとの新契約をサマーブレイク中に締結することはないようだ。チーム代表のギュンター・シュタイナーは、彼の契約更新の交渉をもはや急いでいない」と報じられた。

 シュタイナーは、シューマッハーが2023年もF1に留まることを望む場合、グリッド上に他の選択肢はほとんどないと考えており、23歳の彼の要求を抑えようと強気に出ている。

「話し合いは毎日行われている」とシューマッハーはハンガリーGPで語った。「サマーブレイク中かその後にならないと、さらに詳しい話にはならないだろう」

 イギリスGPで初ポイントを獲得し、オーストリアGPでも入賞したシューマッハーは、現在ドライバーズランキング15位につけている。友人であり師であるセバスチャン・ベッテルは、シーズン末に自身が引退したあとの後任としてアストンマーティンにシューマッハーを推薦したが、その後ベッテルのシートは代わりにフェルナンド・アロンソに渡った。

『RTL』は「4度の世界チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルが引退を発表すると、アストンマーティンは突如としてシューマッハーの有力な選択肢となり、2023年のシート獲得に向けてハースに対し強力な持ち札を手にした」と報じている。だがアロンソがシートを獲得したことで、「市場の重心はシューマッハーに不利な方へ」移った。『RTL』は次のように述べている。

「今ではハースは時間をかけることができる。シューマッハーにとって来年のシートを確保する唯一の道は、現在はハースしかないことをよく分かっているからだ」

 しかしハースは、シューマッハーよりも強力な選択肢を探していると考えられている。シューマッハーは、FIA F2やヨーロッパF3の時のように結果を出すことがまだできていない。

 来年のグリッドには、ウイリアムズとアルファタウリを含めて複数のシートがあることが正式に明らかになっている。アルファロメオに関しては、周冠宇とテオ・プルシェールが2023年にバルテリ・ボッタスのチームメイトになるべく争っているところだ。

 報道によると、シューマッハーにとってハースに留まる以外の唯一現実的な選択肢は、フェラーリのリザーブドライバーというもうひとつの役割を続けることだという。シャルル・ルクレールかカルロス・サインツがレースに出られない事態となった場合、F1-75に乗り込む準備はできているかと尋ねられたシューマッハーは、かなり熱心な様子だった。

「もちろんイエスだよ!」

「僕たちのマシンはまったく同じではないけれど、似ている点はある」とシューマッハーは語った。「僕は2019年からフェラーリで成長してきたから、あらゆる手順に通じていると思う。喜んで自分の実力を見せるよ」

 シューマッハーは今シーズン難しいスタートを切った。サウジアラビアとモナコで2度マシンを大破させたため、シュタイナーは公の場でチームの財政と生産能力にかかる負担への懸念を表明した。

 最新のアップグレードが投入されたVF-22は、すでにハースと長期契約を結んでいるチームメイトのケビン・マグヌッセンに割り当てられたとはいえ、シューマッハーは最近のレースでは大幅な成長を見せている。

「直近のレースで評価が決まるのだから、今は満足している」とシューマッハーは先月語った。「でもそれと同時に、じっとしている時間はないとも感じてる。少しでも余分にパフォーマンスを引き出し続けなければいけない」