8月28日、2022年のスーパーGTの第5戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 450km RACE』の決勝レースが、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が2017年第1戦以来となる約5年ぶりの優勝を飾った。2位に10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)、3位に30号車apr GR86 GT(織戸学/平良響/上村優太)が続いた。

 全8戦のうち3戦が450kmの長距離戦として開催される2022年シーズンのスーパーGT。富士スピードウェイで開催された第2戦と第4戦を経て、今季最後の長距離戦となる第5戦鈴鹿には27台がエントリー。27日に行われた公式予選では10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)が、初のポールポジション獲得。5月に行われた第3戦で予選Q2最速で最速タイムをマークするも、車検後にタイム抹消となった雪辱を果たす結果となった。

 フロントロウ2番グリッドは2021年第3戦鈴鹿のウイナーの244号車HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞)が獲得。3番手には88号車weibo Primez ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が、そして4番グリッドにはポイントランキングトップにつけ、100kgのサクセスウエイト(SW)を積む56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が続いた。

 午前中は予選日同様に灰色の雲が鈴鹿サーキットを包み込むも、午後には西側から徐々に青空が顔を出し、パレードラップ開始直前の気温は28度、路面温度は39度、湿度は50%と、夏本番を感じさせるコンディションに変わった。

 なお、31号車apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴/小高一斗)は直前のウォームアップでスローダウン。ドライブシャフト周りのトラブルのようでピットスタートへ。また、パレードラップ開始時には5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/平木玲次)が始動できず、オフィシャルの手助けでスタートを切ることができたが、隊列最後尾からのスタートへと変わった。

 パレードラップ、フォーメーションラップを経て14時37分に450kmの決勝はスタートを迎えた。1コーナーはポールポジションスタートの10号車大草がホールショットを守る。2番手に244号車の三宅淳詞、3番手に88号車の元嶋佑弥、4番手に56号車の藤波清斗、5番手に4号車の片岡龍也と、トップ5はグリッド順のまま2周目に突入。6番手には8番手スタートから順位を上げた55号車ARTA NSX GT3の木村偉織が続いた。

 オープニングラップを終えたところで52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTの川合孝汰がピットイン。続いて2周終了時には20号車シェイドレーシング GR86 GTと25号車HOPPY Schatz GR Supraが、5周目には60号車Syntium LMcorsa GR Supra GTがピットインし、GT300規定車両の4台がスプラッシュを敢行。なお、25号車はピット作業違反と判定され、13周目にドライブスルーペナルティを消化する。

 そんな序盤、一時は2位以下に2秒以上ギャップを広げた10号車TANAX大草だったが、8周目には244号車三宅が0.678秒背後まで接近。翌9周目のダンロップコーナーで三宅が軽々と大草をオーバーテイクしトップに浮上する。

 ラップリーダーにおどり出た244号車三宅は徐々に後続を引き離しにかかる。その背後では56号車藤波と4号車片岡による4番手争いが白熱。SWだけでもても88kgの差がある56号車藤波は粘りの走りを見せて片岡に隙を与えない。

 16周目、5番手につけていた4号車グッドスマイルと6番手の55号車ARTAの2台が上位勢で真っ先にピットインを敢行。続く17周目には88号車、18周目には87号車とJLOCの2台も第2スティントを迎えた。

 そんななか、21周目には2番手の10号車大草の0.2秒背後に56号車藤波が接近、そのまま23周目を迎え、トップ3台が同時にピットイン。244号車、10号車、56号車はドライバー交代とフルサービスを敢行。これで序盤にスプラッシュを敢行した55号車木村、52号車川合、2号車堤らが先行する。
 
 レースが折り返しを迎えようかという32周目、トップ争いを繰り広げる55号車、2号車、4号車が接近する。1秒以内で3台が走行するデッドヒートのなか、ヘアピンで4号車片岡が2号車堤を攻略。さらに、4号車片岡はS字コーナーで55号車木村をかわしトップにおどり出る。

 35周目に、60号車が、36周目には52号車が2度目のピットインを敢行し最終スティントに突入する。38周目には2号車堤が55号車木村をかわし、見た目上の2番手に浮上。しかし、この間に4号車片岡は8秒先行することに成功。55号車は39周目終わりに2度目のピットインを敢行し武藤英紀へ、42周目に4号車が谷口信輝へドライバー交代を済ませる。

 43周目に2号車と、序盤スプラッシュ組がピットイン。また、244号車、88号車も43周目に2度目のピットインを敢行。これでポールシッターの10号車富田が実質のトップに返り咲く。

 その直後の45周目、244号車の佐藤公哉が130Rでクラッシュ。このアクシデントでセーフティカー(SC)導入と読んだ10号車、56号車はピットロードクローズド寸前にすかさずピットイン。ピットアウトで56号車が先行するかたちとなったが2台ともマージンを得ることとなった。

 クラス別の整列ののち、レースは50周目に再開された。西陽が差し込むなか、“裏のトップ争い”が白熱。裏2番手の55号車の背後には虎視眈々と表彰台獲得を狙う4台が数珠繋ぎとなる。

 53周目、10号車富田が130Rで100kgのSWを積む56号車オリベイラを、続けて56周目には55号車武藤を攻略し裏2番手に浮上する。そのタイミングで56号車に対し、88号車との接触についてドライブスルーペナルティが課される。オリベイラは57周目に消化し、これで表彰台争いから離脱となった。

 56周目、4号車谷口の0.5秒は背後に10号車富田、55号車武藤が接近。16周を残して優勝争いが急接近という展開に。60周終了のところで、最後まで2度目のピットを引っ張り、見た目上のラップリーダーだった50号車Arnage MC86末廣武士がピットへ。これで4号車谷口がトップに浮上する。

 4号車谷口はGT500の表彰台争いを先行させながらも、2秒弱のマージンを守りってレースをリード。そんななか、61周目に4番手走行の88号車weibo Primez ランボルギーニ GT3が左リヤから白煙を上げてスローダウン。これで52号車が4番手に浮上する。

 しかし、トップ3台と4番手52号車の間には13秒のギャップが開いており、終盤の優勝をかけた最後の戦いは谷口信輝、富田、武藤の3名に絞られた。だが、波乱は続く。64周目にS字カーブで55号車武藤がマシンを止めることに。これでフル・コース・イエロー(FCY)が導入された。サバイバル戦の様相を呈するなかFCY解除後には52号車が3番手に、そして30号車apr GR86 GTが4番手に浮上する。2台の表彰台争いも接近戦となり、65周目に30号車平良が52号車吉田をかわして3番手に浮上する。
 
 72周目、トップ浮上から終盤も2分1秒台の好ペースを刻んだ4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが3.407秒のリードを築いたままトップチェッカーを受け、2017年第1戦岡山以来約5年ぶりとなる優勝を手にした。

 2位に10号車TANAX GAINER GT-Rが、3位に30号車apr GR86 GTが続いた。そして4位に52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTが、そして5位には6号車Team LeMans Audi R8 LMSが続いた。

 続く、2022年のスーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』は9月17〜18日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。SWがもっとも重くなる状況のなか、テクニカルコースのSUGOではどのような一戦が繰り広げられるだろうか。今回同様激しく、目が離せないレースが繰り広げられるに違いない。