F1ドライバーの契約の有効性や優先順位を審査するFIAドライバー契約承認委員会(CRB)は、9月2日、オスカー・ピアストリをめぐるアルピーヌF1チームとマクラーレンF1チームの契約に関し、マクラーレンの契約が有効という裁定を発表した。これを受け、マクラーレンはピアストリとの2023年からの契約を正式に発表。一方、アルピーヌは、後日2023年レースドライバーを明らかにするとコメントした。

 アルピーヌは、フェルナンド・アロンソの後任として、育成ドライバーでリザーブドライバーのピアストリを起用すると発表したが、直後にピアストリ本人がそれを否定したことで、契約上のトラブルがあることが明るみに出た。この時点で、ピアストリはすでにマクラーレンと契約済みといわれ、CRBがアルピーヌとマクラーレン、それぞれの契約の有効性を審査することになった。

 CRBは、審問を8月29日に実施し、審査を行った結果、次のような声明をオランダGP初日の2日金曜に発表した。

「法廷は、委員会が承認する唯一の契約は、マクラーレン・レーシングとピアストリ氏の間の2022年7月4日の契約であるという、全員一致の決定を下した」

「ピアストリ氏は2023年と2024年シーズンにマクラーレン・レーシングのドライバーを務める権利を有する」

 この声明から、マクラーレンはイギリスGP直後にピアストリと2年契約を結んでいたということが明らかになった。ダニエル・リカルドとの契約早期終了が発表されたのは8月24日であり、7月13日にはリカルドは「来年末までマクラーレンに所属する」という声明を発表していた。


 マクラーレンは、CRBの決定を受けてピアストリとの契約を正式に発表。一方、アルピーヌは、次のようにコメントした。

「BWTアルピーヌF1チームは、契約承認委員会(CRB)が月曜に審問を実施したことに感謝し、彼らが下した決断を認める」

「我々は、この件は終了したものと考えている。2023年のドライバーラインアップは追って発表する予定だ」

「今は、オランダGPとコンストラクターズ選手権4位争いのためにポイントを獲得することに集中する」

 今後は、2023年にエステバン・オコンのチームメイトとして誰が選ばれるのかが注目される。アルピーヌは、フランス人ドライバーであるピエール・ガスリーの獲得を望み、彼の契約を持つレッドブルと交渉している。ガスリーはすでに2023年末までアルファタウリに残留することが決まっているが、レッドブルは、条件において合意できれば、ガスリーを引き留めないと述べている。

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、オランダGPの金曜走行終了後、『Sky Germany』に対して、次のようにコメントした。

「我々は(ガスリーとの間に)2023年の有効な契約を保持している。だが、交渉は行われている。我々の条件が満たされるなら、ガスリー(の離脱)を妨げるつもりはない。彼にとって、フランスのファクトリーチームで走るのは夢の実現といえるだろう。だが、まだすべての条件が満たされてはいない」

 アルピーヌの候補には、ガスリー以外に、マクラーレンのシートを失ったリカルドも入っているものとみられる。