F1第15戦オランダGPの金曜日のセッション終了後に「現実的にはQ2進出が目標」と言っていた角田裕毅(アルファタウリ)。金曜日の夜にセットアップを変更し、土曜日の午後12時から始まったフリー走行3回目でもマシンの調子はなかなか上がらなかった。

「じつはフリー走行3回目は金曜日よりも状態がよくなかったんです。だから、金曜日に言っていたように、今日の予選もQ2に進出するのが精一杯かなと予測していました。金曜日はロングランで苦しんでいたものの、一発のタイムでは11番手でしたが、フリー走行3回目では一発もあまりよくなかったですから」と言う角田は、フリー走行3回目を16番手を終えていた。

 Q2に進出できるのは上位15人。フリー走行3回目を追えた段階で、角田は「Q2進出が目標」から「Q2に進出するのも厳しい」という状態に落ちていた。

 そこでチームはさらにセットアップの変更を行った。車両性能担当のチーフエンジニアを務めるクラウディオ・バレストリはこう説明する。

「改善するために、金曜日の夜にいくつかセットアップ変更を行っていたが、フリー走行3回目になっても完全に解決できていなかったので、予選前にさらにセットアップを変更した」

 角田によれば、「(フリー走行3回目からセットアップは)そんなに変えていない」というが、それが功を奏した。

 理由はふたつある。ひとつはフリー走行3回目の状況に合わせてセットアップを変えても、予選ではまた違ったコンディションになるためだ。セットアップで大切なことは終わったことにとらわれすぎず、未来を予測することである。

 もうひとつは、フリー走行3回目の後にセットアップ変更を行うと、その後試す機会がないため、あまり大きく変更すると、予選本番になってかえって調子出せないということがあるため、角田が言う「そんなに変えていない」という程度のセットアップ変更がちょうどいいのだ。

 アルファタウリの読みは見事に当たった。

「路面が予選になって改善されて、グリップ力が上がったことが、フリー走行3回目までグリップ力に悩んでいた僕たちにとって有利に働いたと思います」という角田は、Q1を3番手で通過すると、Q2も10番手で突破した。

 Q3は最後のアタックでセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)がスピンして止まって黄旗が出たために、アタックを完了できず、9番手に終わった。

「最終セクターまでは自己ベストを更新していたと思うので、あのまま続けられていれば、8番手には行けたと思います。Q1で出した自己ベストが1分11秒427だったので、1分11秒41台か、うまく行けば1分11秒39台には入れることができたと思います(予選8番手のミック・シューマッハーは1分11秒442)」

 今シーズン4回目のQ3進出は、これまでの3回(マイアミGP、アゼルバイジャンGP、フランスGP)よりも、後半戦に向けて力強いアタックだったように思う。