F1オランダGPのスタートで、新品のソフトタイヤを装着したランス・ストロール(アストンマーティン)にロケットスタートを決められ、1コーナーでポジションをひとつ失った角田裕毅(アルファタウリ)。さらにその後、3コーナーでストロールにつまってイン側のラインをとった角田は、ストロールのアウト側から3コーナーを立ち上がったエステバン・オコン(アルピーヌ)にもかわされて11番手で1周目のコントロールラインを通過していった。

 13周目に前を走るミック・シューマッハー(ハース)に続いて1回目のピットストップを行った角田。チームは前戦ベルギーGPでタイヤ交換の作業ミスを犯していたが、今回は2.6秒で角田を送り出し、静止時間10秒を要したシューマッハーを逆転する。

 しかし、1回目のピットストップを早めに行ったフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)にアンダーカットされていたため、角田のポジションは11番手のままだった。ただし、この第2スティントで角田はミディアムを履き、できるだけスティントを延ばして、終盤勝負の作戦に出ていた。

 ところが、42周目に最後になるはずのピットインを済ませ、ハードタイヤに履き替えてコースに復帰した角田にトラブルが発生する。

「タイヤ交換を終えてコースに復帰してアクセルを踏んだら、真っ直ぐ走っているにもかかわらず、片方のリアタイヤだけがホイールスピンしていて、カウンターステアをあてないと走れなかった」という角田は、無線でチームに「タイヤがきちんと装着されていない」と叫び、チームは角田にマシンを止めるよう指示を出すが、テレメトリー上ではタイヤの装着に異常を示すデータが発見されなかったため、チームは再び走行を開始して、ピットインする指示を出す。

 タイヤをソフトに履き替えてピットアウトした角田だったが、やはりリヤタイヤが片側だけ空転する状況は変わらず、今度はエンジニアもデータに異常を発見。チームからマシンを止めるよう指示を受けた角田は、ここで無念のリタイアとなった。

 さらに、最初に異常を感じてマシンを止めた際、角田はリタイアを覚悟してシートベルトを緩めるなどして、そのままの状態で走行を再開して緊急ピットインしたため、スチュワード(審議委員)は「安全ではない状態でコースを走行した」として、角田に戒告処分を科した。

 角田はすでに4回の戒告処分を受け、そのいずれもがすべてドライビングに関するものだった。今年から戒告処分はドライビングに関するものが4回目になった場合、5回目からは次戦で10グリッド降格のペナルティを受けることになっている。

 角田は開幕戦バーレーンGPでシャルル・ルクレール(フェラーリ)の走行を妨害し、オーストラリアGPのフリー走行2回目ではカルロス・サインツ(ルクレール)の走行を妨害。同じオーストラリアGPの予選ではインラップを不必要に低速走行として3回目の戒告処分を受け、第7戦モナコGPでは、フリー走行2回目でケビン・マグヌッセン(ハース)の走行を妨害し、すでにドライビングに関する戒告処分を今季4回受けている。