複数回のル・マン24時間レース参戦経験を持つジェントルマンドライバーである木村武史が、チーム・プロジェクト1のラインアップに加わり、9月9〜11日に富士スピードウェイで開催されるWEC世界耐久選手権第5戦『富士6時間耐久レース』に参戦することとなった。

 木村は、同チームのレギュラードライバーであるブレンダン・イリービに代わって、母国日本で3年ぶりに開催されるWECイベントに出場する。ドライブするマシンはLMGTEアマクラスの56号車ポルシェ911 RSR-19だ。

 チーム・プロジェクト1による運営の下でWECプログラム実施しているインセプション・レーシングのマネージャー、バス・ラインダースによると、イリービは「直前の家族の問題」により日本でのレースを諦めざるを得なくなったという。

 このためインセプション・レーシングは、ベン・バーニコート、オリバー・ミルロイとチーム組むイリービの代役を探すことになった。

 そこで白羽の矢が立ったのが、“カーガイ”木村だった。ブロンズドライバーの木村は今季もケッセル・レーシングからELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのGTEクラスに参戦し、6月には同チームのフェラーリ488 GTEエボでル・マンにも出場。また、スーパーGT GT300クラスやファナテック・GTワールドチャレンジ・アジアにもエントリーするなど精力的に活動している。

「木村がポルシェをドライブしたことがあるかどうかはわからない。しかし、ポルシェのドライブは以前ほど難しくない。911 RSR-19の運転はとても簡単だし、彼はこのコースをよく知っているから心配していないよ」とラインダース。

「彼はブレンダン(・イリービ)の代役としてふさわしいと考えている」

 56号車ポルシェは、WEC開幕戦セブリング1000マイルでクラス3位に入る好スタートを切ったが、続く第2戦スパと第3戦ル・マンではリタイアを喫した。前戦モンツァでクラス10位入賞を果たしポイント圏内に復帰したが、2戦連続のリタイア、とくに獲得ポイントが2倍となるル・マンでの取りこぼしが響き、残り2戦を残してGTEアマのチャンピオンシップ争いからは脱落している。

 インセプション・レーシングはWECの他にもIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・エンデュランスカップにも参戦しており、このふたつの選手権ではオプティマム・モータースポーツのマクラーレン720S GT3を走らせている。

 ラインダースは「それは我々が望んでいた結果よりも困難なものになった。とくに3位表彰台獲得という非常に良いスタートを切ったセブリングの後のレースはね」

「(IMSAもGTWCヨーロッパも)タフなチャンピオンシップだ。レベルも高い。すべてのレースが計画どおりに進んだわけではないが、私たちの選手権はほとんどうまくいっている」

「WECはさらに難しいが、それでも残り2戦で良い結果を残したいし、ここ富士では木村を起用してベストなポジションを手に入れられるように願っている」