WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスにLMP1ノンハイブリッドマシンで参戦しているアルピーヌ。その36号車A480・ギブソンのドライバーであるニコラ・ラピエールは、現在開催中の第5戦富士6時間レースにおいては、トヨタに対して勝利をめぐるチャレンジができないものと考えている。

 富士戦を迎える前のドライバーズランキングでは、ラピエール/マシュー・バキシビエール/アンドレ・ネグラオの3人は、トヨタ8号車の3人に対して10ポイント差でリードしている状態だが、富士のフリープラクティスまでを見る限り、アルピーヌA480はトヨタGR010ハイブリッドに匹敵する速さを見せられていない。

 アルピーヌが富士に向けたBoP(性能調整)変更により約40PSの出力抑制を受けた一方で、同じハイパーカークラスに参戦するトヨタとプジョー9X8は、それぞれ18kg、最低重量の軽減を受けている。富士のサーキットレイアウトは軽量でダウンフォースレベルの高いアルピーヌに適していることから、このBoP変更が行われたものと理解されている。

 富士での走り出しについてラピエールは、「いい感じだ」とSportscar365の取材に対し答えている。

「このクルマでここに来るのは初めてなので、タイヤも含めていろいろとチェックしている。気温が上がってきているので、コンディションが変わってきていて、ちょっと難しいね」

「トヨタと争うつもりはないけれど、できる限り近づきたいね」

「プジョーについては、よく分からない。彼らは本当にアップダウンが激しく、いくつか良いセクタータイムを出してきても、それをすべてまとめることはできていない。だから、レースでどうなるか、見てみよう」

「僕らは、トヨタに比べると最高速で15〜20km/hほど遅い。トヨタは最終セクターが超強力で、これは予想外だった。そこで少しは追いつけると思っていたが、そうはいかなかった」

「強力なレースをして、ポイント獲得のためにダメージを制限しなければならない」

 タイトでツイスティな富士のコースの後半3分の2はアルピーヌに合っていたはずだと認めたラピエールだが、トヨタがそこで強かったという結果を受けてBoP調整が過剰だったと感じているかについてはコメントを避けた。

「(拮抗していた前戦)モンツァと比べると、かなり大きな変化があった」とラピエール。

「今あるものを使って戦うしかない。モンツァでは僕らはコーナーが得意で、トップスピードは遅かったが、パフォーマンスという点では接戦だった」

「ここ(富士)では、また別のストーリーになっている。我々が良くなることを期待していた第3セクターで、彼ら(トヨタ)は強くなっている。重量の軽減がかなり効いているのだと思う」

「僕らは、BoPに焦点を当てたくない。自分たちのクルマに対してできることをやるだけだ」

「まだチャンピオンシップではリードしている。タフな争いになることは間違いない。最終戦のバーレーンに目を向けると、あそこは直線とパワーが中心になるから、彼らにはずっと適しているサーキットだろう」

「僕らは自分たちのクルマでベストを尽くしたいと思っている。プジョーもバトルに加わってくるかもしれないし、混戦になるだろう。僕らの期待は、以前よりずっと小さくなっているよ」