9月11日、静岡県の富士スピードウェイで6時間の決勝レースが行われたWEC世界耐久選手権第5戦富士6時間。ハイパーカークラスは、プジョー9X8勢がトラブルに見舞われるなか、トヨタGAZOO Racingの2台のトヨタGR010ハイブリッドの争いとなったが、2位となった7号車GR010ハイブリッドの小林可夢偉は、レース後「ブレーキが安定していなかった」ことが敗因だと語った。

 9月10日に行われた予選では、可夢偉が1分29秒234を記録し、7号車がチームの母国レースで嬉しいポールポジションをもたらしていた。しかし11日の決勝では可夢偉が序盤からレースをリードするも、2スティント目で8号車が接近。スタートから1時間38分というところで、チームメイトの8号車に先行を許した。

 レース後、7号車をドライブした可夢偉は「正直、クルマが速くなかったです。僕のスティントから負けていた感じがあって、僕がダメなのかと思っていたら他のドライバーも苦戦していた」とレースを通じて8号車にアドバンテージがあったと振り返った。

「今日は8号車には完敗ですね。こんなに差が出ることはふだんないので、何かあったのだとは思いますが、それはエンジニアとも話してみます。何かが必ずあると思います」

 最終的に8号車に対しては1分08秒の差がつくことになったが、この要因について可夢偉は「ブレーキングが安定していなかったですね。ずっとブレーキのスタビリティを良くしようと今週ずっとやっていたのですが、ピンとくるものがひとつもなくて」という。

 ただ、こうして2台がしっかりとレースを完走し、ワン・ツーを飾れたことはチームにとって大きなことだと可夢偉。「何が原因なのかはまだ分かりませんが、チームの力でラップダウンになることもなく走り切れたので、強さは見せられたと思います」と振り返る。

「ハイパーカーは今までのLMP1と違う部分がある。LMP1ではいろんな経験をして、トラブルシューティングができた後のクルマだったので、トラブルのリスクは少なかったのですが、ハイパーカーはリスクが高い。そのなかでもしっかり走り切れて良かったです」

「前回のル・マンではエラーが出て、そこで負けてしまいましたが、モンツァではエラーが出てもロスが最小限になり、今回はなくなった。毎回アップグレードしていますし、どういう対応をとるかをやってきた結果、トラブルなく1週間を終えることができたので、それがいちばんの今週良かったことですね」

「ワン・ツーはひとつのゴールですが、それ以上に2台ともトラブルがなかったことが功績です」

 今回の結果で、マイク・コンウェイ/可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組の7号車は、優勝した8号車、そしてアルピーヌの36号車に対しポイントで離されることになった。今回アルピーヌは3位となったが、「アルピーヌはもう少し来ると思っていたのが実際です」と可夢偉は言うが、チーム代表としての顔も覗かせた。

「最終戦で僕ら7号車のチャンピオンの芽はかなり薄い。素直に8号車に勝って欲しいですし、勝つことに意味があります。いまなぜこういう状況になっているかと言えば、開幕戦でのノーポイント、ル・マンというのが決定的でした。だから今シーズンは自分たちの年ではなかったというのが最終的な答えかな、と思います」

「富士はもともと僕たちが得意なサーキットで、これがバーレーンに行くと分からない。僕たちは9戦中8勝はしていますが、このクルマはもともと富士が強い。ここで勝たないとバーレーンは絶望的だと思っていました」

「この結果はホッとしていますが、安心はできない結果だと思っています」