FIA会長モハメド・ビン・スライエムは12日、レース関係者と各F1チームの代表を集め、スポーティングレギュレーションなどを話し合う会議を開いた。

 こうした目的の『F1首脳会議』が開催されたのはほぼ10年ぶりとなる。ビン・スライエム会長はこの数カ月、F1ドライバーと意見を交換する機会を多く持ってきたが、その経験が今回の会議へと結実した。特に先週末モンツァで行われたイタリアGPでの意見交換が大きかった。

 昨年末、F1の統括組織であるFIAの会長に就任して以来、F1のレースコントロールや組織の大幅な再編に着手したビン・スライエムだが、毎レース必ず顔を出しており、レース開催の週末を使ってドライバーとできるだけ多く触れ合ってきた。ドライバーの意見に耳を傾け、F1の現在、そして未来に対して彼らが抱いている懸念などを話してもらうことで、皆が何を考えているのか、できるだけクリアなイメージをつかみ理解を深めておきたかったのだ。

 FIAによると12日の会議では、『スポーティング規則』について集中的に議論されることになっているが、11日のイタリアGPでセーフティーカーが先導したままレースが終わってしまった件も、議題に含まれるものと思われる。

 FIAが11日に発表した声明では、「FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、2022年FIA F1イタリアGPの翌日の12日、レース関係者と各F1チームの代表を集め、スポーティングレギュレーション関係の話し合いを行う」と述べられている。

「ビン・スライエム会長はモンツァで数名のF1ドライバーと個別に話し合ったが、その結果も反映される」

「2013年以降、こうした会議が開かれるのは初となる。ビン・スライエム会長が現在取りかかっている、F1のスポーティング規則を見直す活動の一環であり、ドライバー、チーム、スチュワード、オフィシャルが協調して改革に取り組むことを目指している」

 会議でビン・スライエムは、FIAがジュネーブに設置したリモート・オペレーション・センター(ROC)の完成度合いについても最新情報を共有している。昨年のアブダビGPでレース結果に疑義が生じたことを受けて設置された部署で、F1における「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」として機能する。現場のレース運営をサーキット外から支援するものだ。

「ROCの支援でFIAはレースのさまざまな場面で一部始終のリプレイを行い、判断の見直しを行うことが可能となる。将来的に、こうしたプロセスをいっそう洗練させ、改善することを目指している」

「ROCに監督権限はなく、過去の裁定を再検討したり覆したりすることはできない」

「この会議は、F1の未来の方向性を決めるためにビン・スライエム会長主導のもとで継続して行われる、一連の協議の一環をなすものだ」

 F1ワールドチャンピオンに7回輝いたルイス・ハミルトンは、F1に起きているさまざまな問題を解決するためにビン・スライエム会長が試みている、取り組みとそのコミットメントに賛辞を送った。

「ある役職に就いたあとで、仕事に慣れ、人脈を作り、その上で改革まで成し遂げるとなると、かなりの時間がかかると思う」とハミルトンはコメントした。

「でも今、最も大事なのはドライバーだ。今はドライバーとの信頼関係を築くことが大切だ。僕たち全員、GPDAも一丸となっている。レースをもっとよいものにする手伝いがしたい」

「僕たちはFIAを助けたいし、モハメドはそこのところを非常にオープンに接してくれる。だから、これからも意見交換を続けていきたいと思っている」

「僕はモハメドとはよく連絡を取っている。しょっちゅう話していると言ってもいい。彼はすごくやる気があり、有能な人物だ。自分でもレースに出ていたから、ある意味レーサー気質を持っているんだ」

「彼は多様性にもすごく明るい。将来の改革に向けてとても積極的に動いている。そういう問題で僕たち皆と協力したいと考えている。そうしたことをとてもうれしく感じているよ」