スポーツランドSUGOで開催されている2022スーパーGTシリーズ第6戦『SUGO GT 300km RACE』。予選では19号車WedsSport ADVAN GR Supraが今回も驚速の走りをみせたが、2番手以降には38号車ZENT CERUMO GR Supra、23号車MOTUL AUTECH Z、100号車STANLEY NSX-GTが続いた。

 3台とも今季ここまで高いパフォーマンスは見せていながらも結果に結びつけられていないところがあるが、今回のSUGO戦はどのような手応えを持っているのか。予選後にそれぞれの感触を聞いた。

■「目標は完走」と強調するZENT CERUMO GR Supra 石浦宏明
 開幕戦岡山で4位入賞を飾って以降、不運なトラブルなどでポイントを獲得できていない38号車。今回はサクセスウエイトが16kgと軽い状態ということもあり、今週末は本命視されている1台だったが、石浦によると午前の公式練習では余裕はなかったという。

「サクセスウエイトも軽いので『今回はいけるでしょ』とみなさんから言われるんですけど、実際に走り始めたらSUGOは1周が短いこともあり、思ったほどウエイトの感度が高くなく、特に燃料リストリクターの感度が低めなのかなという感じでした」

「自分たちの感じからすると、(ライバルを)圧倒的に引き離せるかなと思ったのですけど、意外と朝(公式練習)はそんな感じもなく……事前に想定していたよりも、厳しい戦いになるのかなという感覚は持っていました」

 ただ、38号車は予選になると路面コンディションにマッチして上位に食い込む走りを披露。Q1ではブリヂストンタイヤ勢では最上位となる3番手につけると、立川祐路がアタックを担当したQ2では1分10秒005を記録して2番グリッドを手にした。

「Q1に行ってみたら、そのときのコンディションにタイヤがマッチしてくれましたし、8月から(第3戦でのトラブルに伴うシャシー交換で)クルマも変わっているのですけど、そこからフィーリングは良いので、その良さが予選でしっかりと出ていました」

「他のタイヤメーカーが予選でいつも前にきますけど、それも予想どおりでした。Q1でのトップ2台のダンロップ勢のタイムは見えなかったのですが、そこは仕方ないかなと思っています」

 予選一発では、サクセスウエイト関係なく拮抗した感のあったGT500クラスだが「むしろ決勝の方が、タイヤの攻撃性を含めて(ウエイトが軽い)メリットが出る可能性があるかなと思います。まずは完走を目指します!」と石浦。本来なら優勝や表彰台を目指したいところなのかもしれないが、今回は“完走すること”を強調していた。

「ここまで立て続けに完走していないですからね。完走さえできれば、ペース的にも悪くはないのでイケると思います。(完走して)結果がついてくれば良いですけど、とにかく完走を狙います」

 いまのところ38号車にマイナートラブルも含めて、イレギュラーなことは起きていないようで「今のところ魔物は現れていないです」と語る石浦。このままの流れで明日の決勝も終えられるか。注目どころとなりそうだ。

■「23号車らしいレースをしたい!」と意気込み語るMOTUL AUTECH Zのロニー・クインタレッリ
 松田次生のペナルティポイントの累積により、今回は4グリッド降格のペナルティを受けることになる23号車。それに加え、松田に対しては公式練習の後半1時間出走禁止の措置がとられた。そこで、チームは第4戦富士と同様にクインタレッリがQ1、松田がQ2を担当する作戦で予選に臨んだ。

「今回は、練習走行で次生選手が乗れない時間があったりして、(SUGOに)来る前はそのことを想定してスケジュールを立ててきた。最初、次生選手が乗ったときはタイヤを比較してくれたし、路面が良くなってきて、最後の10分間で僕が走ったときにクルマとタイヤのポテンシャルが見えてきて、うまくいけばQ1を突破できる感触はあった」

「予選は第4戦富士と同じ作戦で、僕がQ1を走って、次生選手がQ2で良い走りをしてくれた。僕たち23号車としては、久しぶりにSUGOで良い予選ができた」とクインタレッリ。

 注目の予選ではクインタレッリがQ1で1分10秒159をマークし6番手通過を果たすと、Q2では松田が1分10秒049を叩き出し3番手に食い込んだ。

 これまではニッサンGT-Rで長年戦ってきたクインタレッリだが、SUGOで1分10秒前半のタイムを出すのは本人も初めてだったという。

「僕自身もSUGOで1分10秒台前半は出したことがなかった。(新型Zになって)クルマのポテンシャルが明らかに上がってきて、予想どおりかなと思う。今まで、岡山、富士、鈴鹿を含めて、違う特徴のサーキットで走ってきたけれど、どこでもクルマの戦闘力があったから、SUGOでも上位にいけるだろうと思っていたけれど、その予想どおりになった」

 ただ、今回は4グリッド降格となるため決勝レースは7番グリッドからスタートする予定となるのだが、ポジションを挽回できる手応えは持っている様子。何れにしても“ミスやトラブルを起こさずにレースをする”ことを最重要項目として挙げていた。

「SUGOはすごく抜きづらいサーキットだけど、上位にポジションを戻すポテンシャルはあると思うから力強いレースをしたい。とにかく、トラブルやミスなく、ピットインのタイミングを含めた作戦面もきちんと決められるようにしたいね。まずは表彰台にはいきたい。とにかく完璧なレースをして、23号車らしいレースをしたい」

■「ショートランをベースにしたことが良い方向にいった」と振り返るSTANLEY NSX-GTの牧野任祐
 前回の第5戦鈴鹿では最終ラップに130Rでクラッシュを喫してしまった100号車。マシンも問題なく修復され、第6戦SUGO大会に臨んでいるのだが、朝の公式練習では、マシンがタカウマに上げられて作業しているシーンが公式映像で映し出され、今週末の仕上がりに苦戦を強いられているのではないかという雰囲気があった。

 しかし牧野任祐によると、事前に予定されていた作業内容だったという。

「僕たちは開幕戦で2位になって『今年も良いレースができるだろう』と思ってシーズンを戦っていきましたが、ちょっと苦戦しているところがありました。そこで、(セッティングを)もとのベースに戻してみたりなど、今シーズンやってきたことの再確認を進めていました。そのなかで、大掛かりな作業があったのでタカウマに上げたりしていました。そこで確認がしっかりとできたことで(予選では)良い方向にいきました」

 昨年のSUGOは、決勝では着実に順位を上げてフィニッシュする力強いレース運びをみせていた100号車。今年もそれを再現しようとしていたが、ここまでうまくいっていないのが現状だ。そこで一度原点に立ち戻り、一発の速さを求めるアプローチから進めていったとのことだ。

「普段、僕たちはフリー走行でロングランをするんですけど、今回はロングというよりはショートランに重きを置きました。やはりショートのベースが良いクルマでないとロングもいけないだろうということで、今までとは違う進め方をやっていきました。そこでの確認がしっかりとでき、予選では良い方向にいったと思います」

 そう牧野も語るとおり、彼が担当したQ1では1分10秒153をマーク。Q2の山本も1分10秒166を記録し、明日は3番グリッドからスタートなる予定だ。

 決勝の展望について牧野は「FCY(フルコースイエロー)テストのときにロングランもやりましたが、そのときの感触もそんなに悪くはなかったと思います。あとは明日の天候と路面状況次第です。天気予報もコロコロと変わっているので、そこでうまくコンディションに合わせ込めればイケるのかなと思います」と慎重な様子だった。

 それでもチャンピオン争いを考えると、もう後がない状況であることは確かで「残り3戦で(大量得点を)獲らないと厳しいと思うので、しっかりと優勝できるように準備しています」と力強く語った。

 ここまで悔しいレースが続いている3台だが、このSUGOで好成績を収めて流れを変えることができるか。結果次第ではチャンピオン争いの行方にも影響してくる可能性があるだけに、最後まで目が離せない決勝レースとなりそうだ。