9月18日、2022年のスーパーGTの第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースが、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、GT300クラスは2号車muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威)が制し、今年から新投入となったトヨタGR86 GTのGT300クラス初優勝を飾った。2位に11号車GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)、3位に10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき)が続いた。

 全8戦が開催される2022年シーズンのスーパーGTも終盤戦に突入。次戦となる第7戦オートポリスはサクセスウエイト(SW)係数が半減、最終戦の第8戦もてぎはノーハンデウエイトとなることから、今大会SUGOはシーズン中、最もSWが重い一戦となる。

 17日に行われた公式予選では96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)が最速タイムをマーク。高木が4年ぶりの一番時計かつ、最多ポールポジション獲得記録更新かと思われたが、サクセスウエイト違反により、予選タイム削除の裁定が下った。これにより、2番手タイムを記録した61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が繰り上がりでポールポジションを獲得。

 フロントロウ2番グリッドは61号車と同じくGTA-GT300車両の60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)。3番手には87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月)が、4番手に88号車weibo Primez ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)とJLOCの2台が続き、フロントロウをダンロップ勢、セカンドロウをヨコハマタイヤ勢が分ける結果となった。

 スタート進行時にはわずかに雨粒が落ちるも、ドライコンディションのまま、気温27度、路面温度33度、湿度75%というコンディションで14時7分に第6戦決勝はスタートを迎えた。

 1コーナーはポールポジションスタートの61号車井口が守る一方、後方で9号車PACIFIC NAC CARGUY Ferrariの木村武史と30号車apr GR86 GTの永井宏明が2コーナー進入で接触。9号車木村は弾き出されるかたちでアウト側のスポンジバリアにクラッシュとなり、オープニングラップからセーフティカー(SC)が導入された。

 レースは4周目にリスタートを迎えるとトップ10はグリッド順から変わらず。61号車井口が1分20秒台前半の好ペースで逃げる一方、2番手で続く60号車吉本はペースが上がらない。そんな吉本に対し、7周目の3コーナーで87号車坂口が仕掛ける。続くS字コーナーで87号車坂口と88号車元嶋が続けて吉本を攻略し、87号車が2番手、88号車が3番手に浮上。2台のランボルギーニが先行する61号車井口を追う展開へと変わったが、井口は9周終了時点で4.8秒と大きくリードを広げていた。

 10周目前後よりGT500クラスの隊列がGT300を周回遅れに。この影響で61号車井口は少しペースを落とすも、約4秒のギャップをキープ。しかし、13周目ごろから徐々に雨粒が落ち、14周目には本格的にウエットコンディションへと変わった。

 14周目に上位勢では61号車井口、60号車吉本のダンロップ勢がピットインし、ウエットタイヤに交換。一方、ヨコハマ勢の87号車と88号車はコースにステイし、見た目上ワンツー体制を構築。3番手にミシュラン勢の7号車Studie BMW M4のアウグスト・ファーフスが続いた。

 水飛沫が高く上がるウエットコンディションのなか、クリアラップに恵まれたことも幸いしたか、7号車は87号車よりもハイペースで周回を重ね、18周目に7号車ファーフスが2番手に浮上。一方、87号車坂口はレインボーコーナーで止まりきれず、コースオフ。グラベル上にストップしてしまう。

 これでフル・コース・イエロー(FCY)が導入されるが、その直前に7号車は88号車元嶋もかわし、見た目上のトップに浮上。19周目にFCYは解除されると、7号車ファーフス、11号車GAINER TANAX GT-Rの安田裕信、10号車TANAX GAINER GT-Rの大草りき、88号車元嶋というトップ4へと変わった。

 タイヤ選択の違いもあり、目まぐるしく順位が変動するなか、22周目のホームストレートで55号車ARTA NSX GT3の武藤英紀が、ウエットタイヤに履き替えてからペースが伸び悩む61号車井口をパスし、5番手に。これでレインタイヤ組のトップに浮上した。

 22周目ごろにには一旦雨脚が弱まるかと思われたが、24周目ごろから再び雨は強まりを見せた。そんななか、28周目、7号車と11号車がピットイン。ピットストップ時間の差で11号車が先行に成功する。一方10号車は翌29周目にピットイン。これで55号車武藤が21秒リードしてトップに浮上する。

 レースも3分の1を経過し、ルーティーンピットのタイミングを迎えると、55号車武藤は35周目にピットイン。ルーキー木村偉織にステアリングを託した。木村は8番手でコースに復帰したが、39周目のSPコーナー進入で30号車織戸学と接触。このアクシデントで織戸はスピンを喫する。

 レースも折り返しを迎えた時点でルーティンピットを終えた組では11号車がトップ、2番手に7号車、3番手に10号車、4番手に55号車というオーダーに。しかし、15周目にドライタイヤに履き替えてから好タイムを連発し、36周目から見た目上のトップに浮上した2号車muta Racing GR86 GTの加藤寛規は、中盤も安定したペースで周回を重ね、ルーティンピットを終えたライバルに対し、大きなギャップを築いていく。

 徐々に路面も変わり始めたなか、43周目に56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R藤波清斗、続く44周目に11号車石川京侍、61号車山内英輝、45周目に10号車富田竜一郎が続々とピットインし、スリックタイヤに交換する。

 49周目、徐々に路面も乾き始めるタイミングで2号車加藤が1分以上のギャップを築いてルーティーンのピットインを敢行。堤優威はドライタイヤで首位のままコースに復帰。同じく49周目には55号車木村がドライタイヤへ交換し、5番手でコースへ復帰する。しかし、その直後に39周目の30号車との接触行為に伴い、55号車にドライブスルーペナルティが課せられることに。

 53周目、トップは35秒以上のリードを守り独走を見せる2号車の堤。2番手に11号車の石川、3番手に10号車の富田、4番手に7号車荒、そして5番手にランキングトップの56号車ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラというオーダーに。

 レースは56周目に残り3分の1を迎え、2番手争いは3台が4秒以内という接近戦となる。しかし、路面コンディションの好転が進むにつれて、7号車荒がペースダウン。これで2番手争いはGAINERのチーム内バトルに。

 追う10号車富田は60周目には0.499秒まで11号車石川に接近。GT500クラスの隊列を先行させつつ、じわりとオーバーテイクのチャンスを伺うが、ポジションチェンジには至らず。

 一方、2番手争いから脱落した7号車荒の背後には56号車オリベイラが接近。しかし、レコードラインがほぼ1本しかない状況でのオーバーテイクは厳しく。テール・トゥ・ノーズの戦いは長時間に及んだが、73周目の馬の背コーナーでオリベイラがオーバーテイクを決めて4番手に浮上した。

 78周目、13番手スタートの2号車が約1分近いリードを守りきり、今季初のウエットレースを制し、今季デビューしたトヨタGR86 GTのGT300初優勝を飾った。2位に11号車GAINER TANAX GT-R、3位に10号車TANAX GAINER GT-Rが続いた。そして、4位に56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが続いた。

 続く、2022年のスーパーGT第7戦『FAV HOTEL AUTOPOLIS GT 300km RACE』は10月1〜2日に大分県のオートポリスで開催される。SWも半減となるなか、スーパーGT唯一の九州ラウンドではどのような戦いが繰り広げられるだろうか。今大会同様、白熱した戦いが繰り広げられるに違いない。