9月18日、スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』が開催されているスポーツランドSUGOで、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表がGTA定例記者会見に出席し、今季行われている450kmレースに関するレース距離、さらにサーキットのインフラについての質問に答えた。

■最終戦もてぎで環境、SDGsに向けた中長期計画を発表へ
 2022年のスーパーGTでは、第2戦富士、第4戦富士、さらに第5戦鈴鹿が450kmというレース距離となった。この距離は「より長く使えるタイヤと燃費」を目指し設定されたもので、坂東代表は今季の3戦を終え「作戦、戦略の幅は大きくなった。それに対応して燃費やタイヤの使い方は、メーカー側も変わってきたと感じている」と感触を語った。

 また坂東代表は、今季の450kmレースについて「メーカーには、来季に向けてのロードマップを作り上げるための“3回のテストだよ”ということを言ってきた」と語り、9月17日の時点でタイヤメーカーと協議。環境やSDGsに関するロードマップを作り上げ、今季最終戦となる11月5〜6日のもてぎで、タイヤメーカーやさまざまなメーカーとともにタイヤや、現在スーパーGTで導入を進めているカーボンニュートラル燃料に関する内容など、環境に対する中長期的な取り組みを発表すると明かした。

「タイヤについてや燃料も、オーガナイザーもメーカーもチームと一緒に燃料を使うと発表したい。こんなレースは世界にない。10年後にも『音を出してレースをする』という体制をみんなで作り上げたい」と坂東代表は語った。

「この活動が他のカテゴリー等にも広がればいいと思うし、我々はウエルカムな姿勢でいる」

■SUGOでは渋滞、インターネット遅延が発生
 またこの会見の冒頭、坂東代表はまず決勝日の朝のスポーツランドSUGOについて、周辺に激しい渋滞が起きていたことに触れた。「導線に対し、やり慣れない部分などもあるが、もう少し改善をお願いしたいと思う」と坂東代表。

「(SUGOでの開催は)一年に一度なので、かけられるコスト等もある。またネットワークもあまり良くないようなので、確認をしながらやっている。今回得られたことを、来年に活かしていただかなければならない。各サーキットのクオリティレベルを上げ、オーガナイザーとともに歩む環境を作り上げて欲しい」

 スポーツランドSUGOは今季に向けパドックエリアの改修が終わり、広さも増しているが、山間にあるためコンパクトで、導線も限られている。そのなかでSUGO側でも、年間に最も観客が入るであろうスーパーGT開催へ向けさまざまな施策を行っているが、やはり鈴鹿サーキットや富士スピードウェイのような国際レースが行われるコースと比べると、整備しきれていない部分があることは否めない。これは第7戦の舞台であるオートポリス、開幕戦の地である岡山国際サーキットなども同様だ。

 また坂東代表が触れたとおり、この週末は予選日で8300人、決勝日で1万7000人と多くの来場者があったことも影響したか、ネットワーク環境が悪くなる時間があった。これについて坂東代表は、スーパーGTで今季ファンに向けて導入しているグルービュー・マルチや、チームとの連絡用に使用しているワウトークにも遅延が起きているとし、改善を要望した。

「SUGOで次に開催されるのは来年。我々が次にネットを使うのは来年になる。今のこの状態を、今伝えて欲しい。それだけではなく、我々とSUGOが一緒になって、総務省などに働きかけなければいけない」と語った。

「ファンのためにより良くするためにやろうとしているが、その環境すらできなくなっているので、なんとかしなければいけない。その方策が我々の手に負えないというのではなく、ひとつずつ方策を決めていきたい」

■みんながひとつになって作り上げるスーパーGTに
 この会見中、坂東代表は「みんながひとつになって作り上げる」という言葉を何度も使った。GTアソシエイションだけでなく、チーム、ドライバー、関与する自動車メーカー、タイヤメーカー、そしてサーキットと、スーパーGTというエンターテインメントに関するすべての人が一致団結し、「それをお客さんに観て欲しい」という要望を伝えた。

 今回のSUGOの通信環境について、株式会社菅生に聞くと、通信各社とは交渉を進めており、「通信については、KDDIについては増設している状況です」という。たしかにau回線はそれほどストレスが感じておらず、今後、さらに他キャリアとも電波改善の交渉を進めているという。また渋滞についても、サーキットへの引き込み方など改善を進めたいとした。

 SUGOの周辺道路は町道も多く、サーキット側だけの意向でできないことも多いほか、サーキットにもそれぞれ経営体質などの事情もあり、すぐにはできないこともある。その「できない」中でも可能な限りのさまざまなな取り組みを進めてくれているのは間違いない。ファンがサーキットへ戻りつつあるいま、今季得た教訓が坂東代表の言う「ひとつひとつ」の改善がさらなるファンの観戦環境向上に繋がることを願うばかりだ。