アルピーヌCEOのローラン・ロッシは、育成ドライバーであるオスカー・ピアストリの離脱により、今後若手ドライバーを支援するドライバーアカデミーの活動を終了することもあり得ると述べた。

 数年にわたりサポートしてきたピアストリを2023年にレースドライバーに昇格しようとしたアルピーヌだが、ピアストリはそれを拒否した。FIA契約承認委員会が審査した結果、ピアストリとマクラーレンの契約が承認されたため、アルピーヌは彼を失うことになった。

 アルピーヌのチーム代表オットマー・サフナウアーもロッシも、ピアストリには忠誠心が欠けているとして強く非難している。

「パドックの大部分の人々が(我々と)同じように感じている」とロッシは『The Race』のインタビューにおいて語った。

「このスポーツにとって良いことではない。アルピーヌは小さな傷を負ったが、それだけの問題にはとどまらない。このスポーツ自体が傷を負ったのだと私は考える」

 今回の問題により、アルピーヌはジュニアプログラム自体の見直しを行うと、ロッシは示唆した。現在の育成プログラムは、ルノー時代から継続されてきたものだ。だがロッシは、若手を支援しても、そのドライバーが忠誠心を示さない場合があるとすれば、その活動を行う意味はないと述べた。

「ドライバーたちに投資することをやめて、それで浮いた資金を使って(欲しい)ドライバーを引き抜くというのも、ひとつの提案と考えられる」とロッシは言う。

「ドライバーたちのトレーニングを続けたいのか、あるいは彼らにとって魅力的でないかもしれない契約で彼らを縛り付けるべきなのか、私には分からない」

「どのように解決すればいいのか? 今いるドライバーたちの後に(この活動を)続けていくかどうかを考えている。今のドライバーたちとは複数年にわたる計画を立てており、それに関しては最後まで義務を果たすつもりだ。だが、新しいドライバーたちと契約すべきだろうか。なぜそうするのか、と考えてしまう」

 メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、チームのプログラムを通して、あるいは自身の個人的な契約を通して、若手ドライバーの育成に関わってきた。彼は、今後も育成プログラムを継続するものの、より厳密な契約を結ぶ必要があると述べた。

「我々コンストラクターがジュニアプログラムに多額の投資を行っていることを、私としては強く支持する」とウォルフ。

「我々が投資を行う人材は、ゴーカートからジュニア・フォーミュラへと進んでいく。ほとんど資金が必要とされない場合もあれば、比較的多額の資金が必要になる場合もある」

「我々は、ジョージ・ラッセルとエステバン・オコンに長期間にわたって資金を提供してきた。だが今回、賢く動けば、うまく抜け出すことが可能であるという前例ができた。それはこの業界にとって良くないことは明らかだ。今後は弁護士の数を増やし、より厳格な契約を結ぶことになるだろう」