いよいよ今週末の10月1日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2022年シーズンは、伝統の『プチ・ル・マン』で最終戦を迎える。このロード・アトランタを舞台にした10時間レースは、現行の最高峰規定&クラスである『DPi』の最後のレースでもある。2023年からは、LMDh車両が争う『GTP』クラス(規定上はル・マン・ハイパーカー車両も参戦可能)へと、IMSA最高峰カテゴリーは生まれ変わる予定だ。

 このDPi最終レースでタイトルを争うのはウェイン・テイラー・レーシング(WTR)とメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)という、ふたつのアキュラARX-05使用チームだ。ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)社長のデビッド・ソルターズは、いずれのチームもアキュラから「レースをしろ」という指示を超える特別な命令を受けることはない、と明言してメーカーオーダーの存在を否定。さらにソルターズは、今季を「極めて記録的な」一年であると評価している。

 アキュラはこの最終戦で、いずれかのチームによって直近4シーズンで3回目のタイトルを獲得することになるが、ドライバーとチームタイトルの行方は、最終ラップの最終コーナーまで分からない。

 WTRのリッキー・テイラーとフィリペ・アルバカーキは、トム・ブロンクビストとオリバー・ジャービスのMSRコンビに19ポイントの差をつけて週末を迎え、ウェザーテック選手権5クラスの中で最も厳しいポイント争いが繰り広げられている。

 HPDとアキュラは、ファクトリーが支援する2台のDPi車両を互いに競わせるというシーズン中の方針を変えず、プチ・ル・マンでも追加条件はないとソルターズは言う。

「彼らは独立したふたつのチームだ。我々は彼らがレースをすることを望んでいるだけだ。とりわけ、この状況ではね」とソルターズ。

「我々には、HPDで製造されたパワートレインがあり、自分たちの生み出したものをサポートするだけだ。それが我々の第一の責任だ」

「最後には、何台かのマシンが残っていたらいいと思う。社長の私がこう言うのもなんだが、このクルマはかなり高価だからね!」

「それはさておき、我々は一貫してメッセージを発信してきた。それは、常にレースをして、彼らが集中すべきことができるよう、焦点を当てるということだ」

「私は、彼らが互いを(コースから)押し出さないことを望んでいる。だが、彼らは(今季)これまでのところ、それを回避してきた。この2台は今年、素晴らしいショーを見せてくれたよ」

■「彼らが関与する理由はない」とMSRのジャービス
 MSRのジャービスは、土曜日に2台のマシンが激しく、しかし敬意を払ったバトルをすることを期待している。

「この2台は今年、素晴らしいショーを見せてくれた」とジャービス。

「HPDはおそらく、僕らか10号車(WTR)がチャンピオンになるという意味で、いいポジションにいるよね」

「HPDはいずれにせよ、ウイナーになるんだ。でも、僕らが今年一年抱いてきた敬意を維持する限り、彼らが(勝負に)関与する理由はないと思う」

「今年は厳しい戦いだった。危うい場面もあったけど、常にフェアでリスペクトに満ちたものだった。僕らはそれをやり遂げると思うし、彼らが関与してくる必要はないよ」

 WTRとMSRはここまで9レースで5勝に加え6回の表彰台フィニッシュ、5回のポールポジションを獲得し、アキュラにとってはIMSAにおける最も成功した年のひとつとなった。

「我々のライバルを見れば、彼らは特筆すべき強さを持っていた。したがって、参戦した皆に敬意を表したい」とソルターズ。

「ウェイン・テイラー・レーシングとメイヤー・シャンク・レーシング、そしてマイク・シャンクとウェイン(・テイラー)は、このポジションでレースに臨むために素晴らしい仕事をしてくれた」

「WTR、MSR、HPD、そして我々のトレーラーの中にいるスタッフまで、実際の仕事をこなしている人々が報われる。それはとても素晴らしいことだと思うし、それが当たり前だと思ってはいけない。耐久レースは難しい。24時間、12時間、10時間と、最後までマシンを走らせるだけでも大変なんだ」

「我々の責務は、アキュラのためにベストを尽くすことだ。しかし、シリーズの人々やスチュワードたちは素晴らしい仕事をした。このシリーズには素晴らしいレースチームがあり、素晴らしいドライバーがいる」