昨年、アルファタウリと角田裕毅は、ウエットコンディションを苦手としていた。2日目のF1第17戦シンガポールGPは、セッション前に雨が降り、ウエットコンディションのなかで行われた。フリー走行3回目でのアルファタウリの2台はピエール・ガスリーが13番手、角田は15番手に終わった。

 しかし、これはまだ新しいフロントウイングをウエットコンディション下でうまく機能させずにいたからだった。

 フリー走行3回目を終えたアルファタウリは、予選に向けてセットアップを調整し直した。

 予選は雨が上がっていたものの、路面はまだ濡れていて、気温26度、路面温度27度のなかで全車インターミディエイトタイヤでのアタック合戦となった。角田は1セット目のインターミディエイトタイヤでセットアップの確認を行った。7周走ってピットインした角田は、全車1セット目でのタイムアタックを終えた段階で20番手となっていた。

 しかし、新品のインターミディエイトタイヤに履き替えて臨んだ2セット目でのアタックで1分55秒314を出して、8番手でQ2に進出した。

「昨年僕たちのマシンはインターミディエイトで苦しんでいましたが、今日は逆に強みになっていたと思います」と言う角田は、Q2も8番手で突破。チームメイトのガスリーも7番手に入り、アルファタウリは2台そろってQ3に進出した。アルファタウリが2台そろってQ3に進出するのは、第5戦マイアミGP、第8戦アゼルバイジャンGP以来、今シーズン3回目だった。

 アルファタウリ勢に、もうインターミディエイトタイヤへの苦手意識はなくなっていた。アルファタウリの2台が、路面がまだ乾ききっていないQ3の最初のアタックでインターミディエイトを選択するのは自然なことだった。まず角田がコースイン。それに続いて、ガスリーもインターミディエイトを履いてピットアウトしようとしたが、ライバル勢が次々にドライ(ソフト)タイヤを履いて出ていくのを見て、チームは直前でガスリーのみインターミディエイトからドライにタイヤをスイッチしてコースインした。

 インターミディエイトを履いた角田の最初のタイムは、ソフトを履いたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)よりも速かったが、路面は急速に乾き出し、チームは角田にピットインを指示した。

 ドライタイヤに履き替えてコースインした角田だったが、完全に乾ききっていない路面コンディションだったため、タイヤが温まるのに通常よりも1周多く時間を要し、角田のアタックは事実上、最後の1周だけとなった。

「1周目よりも2周目のほうがタイヤも温まって、路面も乾いていくので、タイムが5秒ぐらい速くなっていました。みんなはドライタイヤで3回ぐらいアタックしていたと思うので、そこが大きな違いになったと思います」と振り返った角田は、1分51秒983で10番手に終わった。

 それでも、角田は言う。

「鈴鹿も雨が多いので、今日のインターミディエイトでの結果は、日本GPに向けてもいいステップになったと思います」