レッドブルジャパンは10月5日、2022年F1第18戦日本グランプリ『Honda 日本グランプリレース』の開催に先立ち、オラクル・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス、スクーデリア・アルファタウリのピエール・ガスリーと角田裕毅が参加するメディアセッションを東京都渋谷区で行った。

 いよいよ今週末となる10月7〜9日に迫った2022年のF1日本GP。第17戦シンガポールGPを終え、F1ドライバーたちが続々と日本国内に入国する姿や、観光などを行っている様子がSNSにも投稿されており、3年ぶりとなる鈴鹿サーキットでのレースに向けて、盛り上がりをみせている。

 メディアセッションにはまずアルファタウリのふたりから登場。まず日本GPへの意気込みついて聞かれたガスリーは「僕は2017年から日本のスーパーフォーミュラで走っていたし、鈴鹿は僕が好きなサーキットのひとつでもあるから、ものすごく日本でレースをすることが楽しみだよ」と語ると、角田も「今年の鈴鹿は、本当に僕としては夢が叶う瞬間です。もちろんF1ドライバーとして戦うことは夢でしたけど、日本人として、日本のファンの皆さんの歓声の前で走ることは本当に日本人としてすごく夢でした。3〜4年前に観客として2コーナーでF1を見ていた自分が、まさか同じ場所を走ることができるとは思いませんでした。本当に楽しみです」と続けた。

 続いて鈴鹿サーキットの印象について聞かれたガスリーは「本当に鈴鹿サーキットはテクニカルでチャレンジングなサーキットで、特にセクター1はアドレナリンが出る」と答え、続けて2017年にスーパーフォーミュラのテストで初来日したときの思い出を語った。

「僕はフランスから来たばかりで日本のことは何も知らなかったんだけど、1日が終わったときにガレージの外に200人くらいの人が集まっていたんだ。そのときは20歳くらいで、ファンの人たちに囲まれるのは初めての経験だったし、写真も見せられたけど『こんな写真どこから見つけてきたんだ!?』というくらい若いころの写真を持っていて、みんなが待っていてくれたことがすごく心に残っている」

 また、SRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ)出身の角田は「鈴鹿は世界で一番走ったコースだと思います。スクール時代も含め、本当に何千、何万周と走りました。コースのキャラクターや1コーナーの特性であったり、どこで挙動が乱れやすいか、そういった詳しい情報は持っているので、その部分はいいアドバンテージになると思います」と、ホームサーキットでもある鈴鹿に自信を覗かせた。

 さらに好きなコーナーは「全部!」と答えたガスリーに対し、角田は「デグナーは高速でありながらも、少しコーナーの真ん中にくぼみがあり挙動を乱しやすいです。ですが、うまくクルマの向きをうまく変えて走ることができるとかなりいい速度でクリアできます」と冷静にサーキットを分析。

 FIA-F4では鈴鹿を走行したことのある角田だが、F1マシンでの走行は今回が初めてとなる。レース前に角田はレッドブルのシミュレーターで練習をしてきたというが、F4とF1の速度差に戸惑ったという

「F4だと2分7〜8秒で、F1だと1分27〜28秒台でラップタイムが大きく違います。ですので、かなり世界が違うんじゃないかなとワクワクします。レッドブルのシミュレーターでも走りましたが、2倍速か、もっと3倍速くらいで早送りしているような速度感覚で、また新たな鈴鹿を見ることができました」

 そしてシンガポールGPから日本GPの連戦となり、多忙な日々を過ごしているドライバーだが、SNSなどには日本をエンジョイしている姿が多く投稿されている。短い日々ながら今週の思い出を聞かれたガスリーは「昨日は裕毅と一緒にカラオケに行ったよ。それがすごく楽しかった。今週は何が起ころうともあれほど楽しいことはないくらい楽しい思い出になった」と語り、角田は「僕が日本に来て一番食べたかったのがモツ鍋で、帰国した日の夜すぐに食べたので満足です」と大食漢を発揮するコメントを残した。

 ガスリーは最後に日本のファンに向け「僕のファンの多くは日本のファンだと思っている。海外のレースまで追いかけてきてくれるファンもいて、そんな人に僕は支えられている。多くの人が鈴鹿にも来ると思うけど、エキサイティングなパフォーマンスをみせて、レースが終わったときにお祝いできるようにしたいと思っている」と日本GPへの意気込みを語った。

 そして2023年シーズンもアルファタウリF1との契約延長が発表された角田は「まずはホッとしています」と語り、母国GPとなる日本GP、そして残りのレースに向けて以下のように意気込みを披露した。

「来年もF1を走るということで、まずは落ち着いて今年の残りのレースを終えたいと思います。というのも、今の自分は成長過程にいることを実感していて、特に一発の速さは成長できていると思います。自分のなかの課題もはっきりしていて、もちろん今の自分に満足はしているわけではないのですが、ガスリー選手からできるだけ多くのことを学んで成長に繋げ、さらに来年に繋がるような走りもできたらいいなと思います」

 角田の言葉でアルファタウリのメディアセッションが終了となると、次はレッドブルのフェルスタッペンとペレスが登場し、同じく今週末の日本GPに向けての今の気持ちを語った。

 まずはフェルスタッペンが「日本GPはすごく楽しみしている。鈴鹿はすごく素晴らしいサーキットだからまた戻ってくることができて嬉しいし、僕はF1のプラクティスを初めて走行したのが鈴鹿サーキット(2014年)だし、天気ももしかしたら雨模様だから刺激があるね」と語る。

 ペレスも「鈴鹿はとても特別なサーキットだから、雨でも面白いレースになると思う。世界のF1ファンのなかでも特に日本のファンは特別で、雨が降っても絶対にサーキットで応援してくれるよね。特に今回はホンダを背負って走ることになるから、僕にとっても特別なレースになる」と、日本のファンを笑顔で称賛するコメントを残した。

 続いてそんな鈴鹿での思い出を聞かれたフェルスタッペンは、日本F1ファンの応援姿を挙げた。

「鈴鹿は単純にサーキットにいるだけですごく楽しい。あとは表彰台からファンの姿をみたり、たくさんのプレゼントを貰ったりして、すごく特別な思い出がある。そのなかでひとつ選ぶとしたら、やっぱりファンの応援だね。日本のファンはすごくドライバーに対してリスペクトを持って接してくれるから、そのことは僕にとっても嬉しいよ」

 また、今季は昨年に激しくチャンピオンを争ったメルセデスが失速し、代わりにシーズン序盤はフェラーリとのタイトル争いを繰り広げたレッドブル。そんな序盤戦はマシンの速さでフェラーリの後塵を拝するシーンも合ったが、中盤から後半にかけては他チームを圧倒し、第11戦オーストリアGPからフェルスタッペンが5連勝しドライバーズランキングトップ、前戦となるシンガポールGPではペレスが優勝し、コンストラクターズタイトルもほぼ手中に収めている状況だ。

 今シーズンのレッドブルの速さの秘訣などはあるのだろうか。そのことを聞かれたフェルスタッペンは「特に秘訣はない」と冷静に語った。

「チームと僕とチェコ(ペレス)のみんなで力を合わせて、セッティングなど、そのなかでベストなものを作り出そうという取り組みの結果だと思う。チームもピットストップなどを非常によくやっているし、今季はここまですごく良い展開で来て、今は僕たちが一番ベストなチームだと思う。チームとしても勝ち続けていることができているから、鈴鹿に向けてもこの勢いを続けていきたいね」

 またペレスも「今シーズンはクルマの方でアドバンテージがあるとはそこまで思わない。だけどチームの完成度がすごく高いんだ」と、チーム力によってフェラーリやメルセデスを上回っていることを強調した。

 最後に3年ぶりとなる日本GPへの意気込みを問われたふたりは、まずフェルスタッペンが「鈴鹿では当然1-2でレースを終えたいと思っている。コンディションも目まぐるしく変わると思うけど、ようやく日本でレースができるようになったから、みんなが楽しめるエキサイティングなレースをしたいと思う」と語ると、ペレスが「今シーズンはドライでもウエットでも、コンディションに拘わらずいつもいい戦いを繰り広げているから、レースはすごく楽しみなものになると思う」と締めくくった。

 4名のドライバーとも、このメディアセッションの後にはレースが行われる鈴鹿サーキットに移動を開始するとのことだ。果たしてフェルスタッペンは鈴鹿で2年連続のチャンピオンを決めるのか。さらに久々の日本人F1ドライバーとなる角田裕毅、そして日本の自動車メーカーであるホンダが関与するパワーユニットを搭載する4台が“観戦チケット完売”となった3年ぶりのF1日本GPでどんなレースを披露してくれるのか楽しみにしたい。