F1第21戦ブラジルGPは、土曜日にスプリントが開催される関係で、初日の金曜日に予選が開催された。

 金曜日のインテルラゴスは、予選前に雨が降ったので、路面が濡れた状況で予選がスタートした。Q1とQ2では雨が降らなかったため、路面コンディションはQ1の後半からドライタイヤでのアタックが可能となり、Q2も全車ドライタイヤを装着してアタック合戦が繰り広げられた。

 しかし、Q3が始まる直前になって、インテルラゴス上空に再び雨雲が接近。さらにQ3が開始して間もなく、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がコースアウトしてグラベルにはまったために赤旗中断となる。その間に雨が降り出したために、今回のブラジルGPの予選は事実上、雨が降る前の1回目アタックで順位が決し、ケビン・マグヌッセン(ハース)が、見事F1キャリア初となるポールポジションを獲得した。

 レッドブルの2台は、 マックス・フェルスタッペンが2番手を獲得したのに対して、セルジオ・ペレスは9番手に沈んだ。ふたりの差を分けたのは、フェラーリのシャルル・ルクレールの戦略だった。

 Q3開始直前に雨雲が接近していたため、トップ10に残った多くのドライバーは「勝負はドライタイヤでアタックできるセッション序盤」だと信じて疑わなかった。

 ところが、コースインしたドライバーのなかでひとりだけ、インターミディエイト(雨用と晴れ用の中間)タイヤでアタックに出た者がいた。それがルクレールだった。しかも、ルクレールはレッドブル勢2台の直前にピットアウトした。

 ドライコンディションでペースが上がらないルクレールの後ろで、フェルスタッペンはなんとかアウトラップ中にオーバーテイクすることができたが、ペレスはアウトラップで抜くことができず、最初のアタックは12コーナーの立ち上がりまでルクレールの後塵を拝しながら走行を余儀なくされた。ペレスのタイムがフェルスタッペンより約4秒遅かったのは、そのためだった。

 では、フェルスタッペンはなぜ、マグヌッセンを上回ることができなかったのか。

「ターン8でロックしてしまったんだ」とフェルスタッペンは説明する。

 ポールポジションは逃したフェルスタッペンだが、フェラーリとメルセデスの4台の前にいることが重要だと落胆はしていない。

 さらに9番手に終わったものの、ペレスが悲観するのはまだ早い。というのも、ドライバーズ選手権でペレスと2位争いをしているルクレールが計測なしに終わり、ペレスの後方からスタートするからだ。現在、ペレスとルクレールとの差は5点。ランキング2位を死守するために、いまのペレスに求められるのは、優勝や表彰台よりも確実にルクレールの前でフィニッシュすること。土曜日のスプリントと日曜日の決勝レースでそれができれば、ルクレールとの差はさらに広がる。